ルノーは、F1パワーユニットの開発計画に関するレッドブルの見解は「間違い」だとして、2017年から2018年にかけてのプランについて明かした。
レッドブルは、2017年シーズン開幕戦オーストラリアGP終了後、ルノーの大きなアップグレードを6月のカナダGPまで待たなければならないがこれが今シーズンのチーム躍進にとって鍵となる、と発言していた。
一方、ルノー・スポールF1のマネジングディレクターであるシリル・アビテブールは、今月初旬に、アップグレードの導入時期について、信頼性への懸念に対応するため「夏休み前」の3基目のユニットへの切り替え時期に合わせたいと述べた。つまり、7月中の投入を目指しているということになる。
ルノーのエンジンのアップデート計画について聞かれたアビテブールはこう答えた。
「率直に言って、アップグレードに焦点を合わせたこの種の見解は重要視しないつもりだ。エンジンは毎週末、良くなっているのだ」
「我々は、信頼性こそが、パフォーマンスを上げ、改善するために取り組むべき主な課題だと申し上げた。それが事実だ」
「我々は明白な例を示している。実際に信頼性を高めているのだ」
「(スペインGPの週に)ダイナモのプログラムを完了して、土曜日の午後には直ちに、現在供給している3チームすべてにマップを提供した」
「これですぐさまメルセデスにパワー出力の点で追いつく、とはっきり言えるものではないが、小さな改良は成し遂げた」
「次のモナコでもさらに改善するし、3基目のパワーユニットを導入する際には、またさらに改善がなされる予定だ」
「レッドブルは、いつものことだが、パフォーマンス向上に関しては間違った発言をしている」
「エンジンはレースのたびに改善されるし、シーズン全体を通して、ソフトウエアとハードウエア、またパートナーの石油会社から供給される燃料と潤滑油を見れば、大きな前進を遂げることは保証できる」
ルノーは、2017年版の改良したMGU-Kの導入時期については未確定だとしている。
2016年仕様のMGU-Kは5kg重く、さらに冷却のため1kg重いエアボトルを必要としている。しかし、チームはいまや重量の問題をさほど重視していないと、アビテブールは言う。
「(改良版を)3基目のパワーユニットと共に導入するというのはひとつの選択肢だろう」とアビテブールは語り、さらにこう付け加えた。
「今シーズンが始まる時点では重量は懸念材料だったかもしれないが、いつものように、ほとんどのチームはすでにこれにうまく対処した」
「改良版MGU-Kがもたらす唯一の利点は重量が若干軽くなることだが、これはもはや非常に切迫した問題というわけではない」
アビテブールはまた、メルセデスのパワーユニットとのパワー面のギャップについて、ルノーとしては2018年中に追い付くこと、その前に今シーズン終了時点でできるだけその差を縮めておくことが目標だと話した。
「ギャップは完全に無くなる。それは今年中ではないが」とアビテブール。
「追い付くのは来年になると思う。とはいえ、今年実行する予定のステップを計画どおりに踏めば、今シーズン中にそのギャップはほぼ完全に埋められるだろうと考えている」
「我々は、2018年のパワーユニットについてもすでに明確なアイデアを持っている。目標は、来シーズン中にギャップを完全に無くすことだ」