マクラーレン・テクノロジーグループのエグゼクティブディレクター、ザック・ブラウンは、インディ500に参戦することがフェルナンド・アロンソのF1におけるパフォーマンスにいい影響を与えると考えている。
アロンソは今週末のモナコGPを欠席して、インディ500に初挑戦する。予選ではファスト9に残って5位という好結果を挙げた。
直前に行われたF1スペインGPでは、アロンソは驚きの予選Q3進出を果たして7位獲得という快挙を成し遂げていた。
ブラウンは、バーレーンGP直後にインディ500参戦を決めて以来、その新しい挑戦がアロンソにポジティブな影響をもたらしていると語った。今季マクラーレン・ホンダはシーズン前からトラブルが連発し、思うようにパフォーマンス向上を図れない状況にある。第5戦終了時点で10チームのなかで唯一ノーポイントのマクラーレン・ホンダは最下位に沈んでいる。
アロンソは今季の競争力の低いパッケージから最大限のパフォーマンスを引き出しているものの、信頼性の低さ、ペース不足などにしばしば苛立ちを募らせていた。
ブラウンは、インディ500への参戦がF1でのパフォーマンスにおよぼす影響について聞かれ、「ドライビングにおいて心理状況は大きな影響をおよぼす。(インディ500参戦によって)彼の精神状態が非常によくなったのは当然のことだ」と語った。
「(今、アロンソは)気分よく走っているし、競争力もあり、多くの注目も集めている」
「彼は目立ちたがり屋ではないが、世界中の人々が自分のレースを見てくれると思えるのはうれしいはずだ」
「誰であれ、どんな仕事内容であれ、良い精神状態で臨めば、ベストの仕事ができるものだ」
「この2年間、チームの状況が悪く、彼は良い状況にはいられなかったが、今の状況はとてもいい。チームやパートナーにも同じ影響があった。気分を一新することができたのだ」
ブラウンは、インディ500予選までのアロンソのパフォーマンスに大きな驚きはないが、それでも期待を上回る結果であると述べた。
「ある意味、驚きではあるが、一方では驚きではない。フェルナンドほどの力のあるドライバーがこういう成績を出せるということは、予想できるからね」とブラウン。
「しかしインディ500は非常に難しい。世界一クラスのドライバーでもうまくいかない日がある。しかし幸い彼はまだそういう日を経験していない」
「2回ワールドチャンピオンになったドライバーとしての実力を発揮し、大いなる才能を改めて示した」
「この経験がより一層優れたドライバーになる助けとなるはずだ」
アロンソはインディカーの世界で走ることだけでなく、その環境も楽しんでいると、ブラウンは語った。
「彼はインディカーを気に入っている。レースの仕方にも、ファンとのふれあいにも、すっかりなじんでいる」
「リラックスし、エンジョイしている。気に病むようなことは何もなく、楽しんでいるんだ」