ダニ・ペドロサ ペドロサが3位となり3戦連続で表彰台を獲得。クラッチローが5位。マルケスは転倒リタイア
2017年5月21日(日)・決勝
天候:晴れ
気温:21℃
コースコンディション:ドライ
観客:10万4020人(3日間:20万4222人)
レポート
第5戦フランスGPは青空の広がる絶好のコンディションのもとで行われました。最高気温は21℃。3日間を通じて最も暖かい一日となり、熱戦が繰り広げられました。
その中でダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、13番グリッドからすばらしい追い上げをみせて3位でフィニッシュ。第3戦アメリカズGPでの3位、前戦スペインGPでの優勝に続き、3戦連続で表彰台に立ちました。
フリー走行、予選は、雨が降ったり止んだりの不安定な天候で路面コンディションが安定せず、予選ではQ2進出を逃して13番グリッド。今季ワーストグリッドから決勝に挑んだペドロサは、オープニングラップに7番手に浮上すると、前を走るカル・クラッチロー(LCR Honda)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)らと5番手争いのグループを形成しました。
その後、4番手を走るマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が転倒リタイア。最終ラップには2番手を走るバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が転倒したことで、3番手にポジションを上げました。23台が出場して完走が15台という厳しい戦いとなる中、3戦連続で表彰台を獲得したペドロサは、総合4位から総合2位に浮上しました。
予選4番手から決勝に挑んだクラッチローは、序盤は5番手グループの先頭を走りますが、中盤以降は思うようにペースが上がらず、ペドロサ、そしてドヴィツィオーゾに先行を許し、5位でチェッカーを受けました。この結果、総合7位は変わらずも、8位以下にリードを築くことに成功しました。
前日のフリー走行と予選で転倒を喫し、リズムを崩したジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、決勝では本来の走りを取り戻し、今季ベストタイの8位でフィニッシュしました。ペドロサ、クラッチローらが形成する5番手争いのグループからはじりじりと遅れましたが、後続とのリードを広げて着実に走りきりました。これで、今季4度目のトップ10フィニッシュ。ランキングでは総合12位から、目標の一つであるトップ10入りを果たしました。
チームメートのティト・ラバトは、22番グリッドから着実に追い上げて11位。総合19位から17位へとランキングを上げました。
今大会、予選5番手から序盤にトップグループに加わり、その後、4番手を走行したマルケスは、中盤以降、1分32秒台へとペースを上げましたが、18周目の3コーナーで転倒し、リタイアに終わりました。今季2度目のノーポイントに終わったマルケスは、総合3位から4位へとポジションダウン。次戦からの巻き返しに期待されます。
コメント
ダニ・ペドロサ(MotoGP 3位)
「今日の表彰台はとてもうれしいです。5列目グリッドから追い上げるのはとても難しいと分かっていました。最初のシケインを集団の後方で走るのはかなりプレッシャーがありましたね。転倒せずにアグレッシブに、そして落ち着いて速く走るのはメンタルのトレーニングになりました。いいスタートを切って、1コーナーにうまく入り、すぐにいいリズムをつかみました。いくつかポジションを上げて、途中でカル(クラッチロー)と接触もしました。申し訳ないと思っています。わざとではありません。あのコーナーではドヴィ(アンドレア・ドヴィツィオーゾ)をパスしようとしていました。カルをパスするつもりはなかったのですが、彼が少しミスをし、それでラインが少し空いたのでインに入ったら接触しました。深刻なことが起きなくてよかったです。マルクが転倒してからプッシュしましたが、ヤマハ勢には2秒離されていました。チャタリングを感じ始めていたので、ミスをしないよう落ち着いて走りました。今週末は予選でうまくいかず残念でした。でも、チームとともにいい仕事をしています。マシンの感触も徐々に上がっています。引き続き今後のレースでもがんばります」
カル・クラッチロー(MotoGP 5位)
「今日はハードコンパウンドのフロントタイヤを選択したので、マシンの切り返しがとても難しく苦戦しました。そのため中速コーナーで、タイムをかなりロスしました。でも、ブレーキングの感触はとてもよく、トップ5でフィニッシュできてうれしいです。転倒に終わった前回のレースのあとだったので、今日の完走は大事なことでした。今日の目標はトップ6でした。ムジェロでもまたトップ6が目標になります。ムジェロを得意とするライダーがたくさんいます。新しいタイヤが僕にもう少し合うことを願っています」
ジャック・ミラー(MotoGP 8位)
「今日はほかのライダーたちが問題を抱えていたこともあり、少しラッキーなレースでした。でもレースでは、どんな状況でも最良の結果が出せるようにしなければなりません。今日は、コーナー出口でマシンを起こすのに苦戦したにもかかわらず、いいレースができました。レースでもランキングでもトップ10に入れてうれしいです。でもまだシーズン序盤なので、やることはたくさんあります。FP4で転倒するまではいいレースウイークでした。これから家へ戻り身体を休め、ムジェロではもっと強くなって戻りたいです」
ティト・ラバト(MotoGP 11位)
「予選は、変わりやすい天候にマシンを合わせるのに苦戦し、最悪でした。しかし、決勝は順調だったし、今季ベストリザルトとなりました。今日は落ち着いてレースができました。クリアにいろいろと見られるポジションだったし、たくさん学べました。最後はアプリリアやKTM勢の前に出て、アンドレア・イアンノーネ(スズキ)に近づきました。今週のバルセロナでのテストと、その後のムジェロのレースが楽しみです」
マルク・マルケス(MotoGP リタイア)
「あまりいい日ではありませんでした。完走することに集中していたので残念です。昨日からフロントの感触があまり快適ではなく、特に最初のセクターは僕とは相性がよくありませんでした。僕のペースがどのくらいなのかということは分かっていたし、今日のヤマハ勢が強いことも分かっていました。目標は4番手か5番手争いでした。そして最後までいい戦いをすることでした。気をつけていたのですが、なぜか突然フロントから転倒しました。このミスは想定外でしたが、幸い、トップとは27ポイント差です。新しいミシュランのフロントタイヤで、もっと自信が持てるようになることを願っています。一生懸命がんばって取り戻さなければなりませんが、この先のレースで、もっといいレースができることを楽しみにしています」