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LEXUS TEAM SARD 2017スーパーGT第3戦オートポリス レースレポート

2017年05月23日 13:32  AUTOSPORT web

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DENSO KOBELCO SARD LC500 2017スーパーGT第3戦オートポリス
スーパーGT第3戦オートポリス レポート
DENSO KOBELCO SARD LC500
第3戦オートポリス、
死闘の末トップ奪取も接触で万事休す

2017 スーパーGT 第3戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」(5/20~21)
オートポリス(1周4.674km)
入場者数:予選1万0470名/決勝1万8200名/合計2万8670名

 5月21日(日)、スーパーGT第3戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」の決勝が行われ、一意専心に2列目3番グリッドから勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタートを担当したヘイキが21周目に46号車を1コーナーで鮮やかに仕留めると2位に浮上。

 トップ100号車を追い詰めていき、33周を終え100号車と同時ピットインを敢行。素早いピットワークで100号車の前に出るチームワークを見せた。だが次の周の36号車のアウトラップで前に出られてしまい、ここから激しく2台によるトップ争いが展開。

 激化する首位攻防でプレッシャーをかける平手は51周目のターン14で並び、ターン16で追い抜きに成功した瞬間に左後方が36号車と接触し堪らずスピン。

 立ち直った時に後方から来た300クラスのマシンと接触してしまい、足回りにダメージを負ってしまった。素晴らしい走りと素早いピットワークでトップ奪取に成功するも、悪夢のようなアクシデントで万事休す。結果、14位完走扱いとなった。

 ドライバーポイントは獲得ならず(計15点)ランキング9位、チームポイントでは1点を獲得(計22点)し、ランキング9位となった。2戦連続とも接触で順位を失った雪辱を果たすべく臨む次の第4戦は、6月に2回のGTA公式テスト(SUGO、鈴鹿)を経て、7月22日(土)・23日(日)にスポーツランドSUGOで行われる。

公式練習走行
 開幕2戦を終えランキング4位につけるDENSO KOBELCO SARD LC500。前戦の富士では速さを見せ2位を一時走ったが不運な接触で後退を余儀なくされ、悔しいインターバルを過ごした。

 第3戦は、昨季熊本地震の影響により開催されず、2年振りの開催となるオートポリスが舞台。阿蘇外輪山の北方に位置する当地は標高900m、高低差52mのマウンテンコースで、コース幅は狭く前半ダイナミックかつ後半テクニカルなレイアウト。オーバーテイクポイントも限られており、特にセクター3では遅い車両に詰まるとタイムロスを喫しやすい難コース。

 公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は約2時間の300kmで争われ、ピットストップは1回。ウェイトハンディは現獲得ポイントの倍の数値となる30kgを搭載する。

 ここで巻き返し以後のシリーズを有利にしていくためにも、最大得点を稼いで流れを掴んで現ランキング上位に食らいついていきたいところ。

 4月に当地で行われたタイヤメーカーテストでは各車拮抗したタイムに。このテストには指定車両のみで、参加できなかったDENSO KOBELCO SARD LC500ではあるが準備は万端。

 だがライバル勢は力をつけてきており、ホンダ勢はベースのウェイト条件が緩和され各車-15kgに。オートポリスを得意とする日産勢も巻き返しを見せており、予選から激戦必至と予断を許さない。

 ランキング上位3台は燃料リストリクター値が絞られており、実力をしっかり出し切れば予選上位も射程圏内のオートポリス。コースは抜くポイントが限られているため、開幕の2戦を見てもインラップ~ピット作業~アトラップを最速でこなすことが必須条件。

 序盤戦のヤマ場といえる重要な一戦であり、チーム一丸となって一意専心に勝利を目指していった。

 20日(土)午前中の公式練習走行は、快晴となり気温16度/路面温度23度と清々しいコンディションのなか、9時から混走セッションが開始。

 ヘイキがまずはソフト系のタイヤを装着してコースイン。6周目にまずは1分37秒055の5番手タイム。若干思うようなフィーリングにならず調整してふたたびコースインして周回を重ねた。

 続いて16周目からハード系のタイヤを装着してフィーリングを確認。セットを微調整をした後に21周目からは平手が両方のタイヤのフィーリングを確認した。今回は暑いコンデションともあってハード系タイヤの方が全体的なフィーリングが良い感触となった。

 トータル32周にわたって混走セッションでタイヤのフィーリングをチェック。その後、10分間のGT500単独セッションでは、ソフト系タイヤで平手がアタックシミュレーションを行い、3周目に1分35秒339の2番手タイムと速さを見せた。

 サーキットサファリでは燃料を積んだ状態でのクルマのバランスチェックとピットワークシミュレーションを行い、12周走行してQ1への準備を無事に整えた。

公式予選
■Q1:平手がきっちりとまとめ、Q1を4位通過
 20日(土)午後も快晴は続き、気温26度/路面温度46度と初夏を感じさせるコンディションとなったQ1。残り7分ほどで今回ファーストアタッカーを任された平手がコースイン。

 公式練習走行でフィーリングの良かったハード系のタイヤを選択して臨んだQ1。ウォームアップ状況も良くまずは3周目にアタックに入った平手。セクター1、2と赤マーク表示で区間ベストタイムを刻んでいく。

 まずは1分35秒310の4番手タイムでQ1突破圏内を確保。さらに続けてアタックを続けた平手はセクター1を自己ベストをコンマ2秒近く更新するタイムで駆け抜ける。セクター2でもベストとほぼ同じでセクター3の走りに期待がかかった。

 ライバル勢も続々とベストタイムを更新するなかで前周よりコンマ1秒ほど削ってきた平手。1分35秒227で見事4位通過を果たした。

■Q2:Q2はヘイキの渾身のアタックで3番グリッドを獲得
 公式予選Q2は、気温26度/路面温度45度とQ1同様のコンディション。残り6分ほどでコースインし、Q1と同じハード系タイヤを装着するヘイキは、Q1のアタックの様子から早めのウォームアップでタイヤに熱を入れていった。

 1周でアタックを決めるべく3周目の1コーナーに飛び込んでいったヘイキ。他を圧倒する赤マークをつけ全体セクターベストを刻む。ライバル勢も同じくアタックに入っていくなか、Q1でのセクターベストタイムを更に削っていく闘志を走りで表すヘイキ。

 セクター2、3と同じく自己ベストを記録する好タイムを叩き出す。今回も僅差の争いとなったなかで決勝に大いに期待ができる2列目3番グリッドを獲得した。

決勝
■ウォームアップ走行
 21日(日)選手紹介のセレモニーの後に設定された20分間のウォームアップ走行は、気温22度/路面温度30度で快晴。スタートドライバーのヘイキから決勝セットの確認を行った。

 まったく問題なくクルマは快調で8周チェックした後にピットワークのシミュレーションを兼ねてピットインし平手と交代。平手がチェッカーまで3周走行して決勝への準備を無事に整えた。

■決勝スタート
第1スティント:ヘイキが好バトルで2位浮上
 21日(日)14時決勝スタート時点は気温22度/路面温度31度の快晴。

 一意専心に2列目3番グリッドから勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタートを担当したヘイキが上位2台を追い回し、序盤のセーフティカー解除後に再度好スタートを決め、21周目には46号車を1コーナーで鮮やかに仕留めると2位に浮上した。

 その後、後方から36号車が詰め寄り上位3台によるトップ争いが勃発。100号車を確実に追い詰めていき、見応えのあるジェントリーな好バトルを展開していった。

 30周頃になると各車がピットインを始め、32周目に36号車にうまくかわされた次の周となる33周を終え、100号車がピットインしたのと同時にヘイキもピットインを敢行。ピットワークによる首位争いに持ち込んだ。

第2スティント:平手がトップ奪取も接触で万事休す
 素早いピットワークで100号車の前に出るチームワークを見せた。だが次の周の36号車のアウトラップでは前に出られてしまい、ここから激しく2台によるトップ争いが展開。

 激化する首位攻防でプレッシャーをかける平手は、36号車を45周目過ぎからいつでも抜ける射程圏内に追い詰める。

 目の前の36号車のペースが鈍った51周目のターン14で並び、ターン16で追い抜きに成功した瞬間に左後方が36号車と接触して堪らずスピン。

 立ち直った時に後方から来た300クラスのマシンと接触してしまい、足回りにダメージを負ってしまった。

 素晴らしい走りと素早いピットワークでトップ奪取に成功するも、悪夢のようなアクシデントで万事休す。戦列復帰ならずに結果、14位完走扱いとなった。

 ドライバーポイントは獲得ならず(計15点)ランキング9位、チームポイントでは1点を獲得(計22点)し、ランキング9位となった。

 2戦連続とも接触で順位を失った雪辱を果たすべく臨む次の第4戦は、6月に2回のGTA公式テスト(SUGO、鈴鹿)を経て、7月22日(土)・23日(日)にスポーツランドSUGOで行われる。

コメント
■ヘイキ・コバライネン
「とてもアンラッキーな結果だった。つかみかけた大きな大量得点を失ったけど、あの場面でコウヘイ(平手)のチャレンジを賞賛するし、実際に勝負にまさって彼は前に出ていたんだ。我々は戦う集団であり、挑戦無き者に明日はないんだ」

「ここ2戦では結果がついてこないけど、速さとチームワークという一番大事なものを失っておらず、我々はライバル勢の誰よりも持っているのは確かだ」

「次のSUGOでは我々は勝利を得るためにふたたび全力を尽くす。そして良い流れを引き寄せてタイトル防衛に挑戦していくよ」

■平手晃平
「抜いてトップに出た瞬間にことは起きてしまいました。それを避けられなかった自分に腹がたつとともに、メカニック、エンジニア、スタッフの人達に申し訳ないと気持ちでピットに戻り全員に『申し訳ない! ゴールさせられなくてすいません!』と頭を下げました」

「彼らから帰って来た言葉は『良いファイトだった! 晃平なら次はやれる! 次頑張ろう!』と本当は悔しいはずの彼らが励ましの言葉をかけてくれました」

「絶対にこの借りはきっちり返します! 次のSUGO戦まで少し時間空きますが、しっかりと準備をして結果で恩返しができるように頑張ります! 引き続きご声援のほどよろしくお願いします」

■総監督 佐藤勝之
「タラレバを言えば話が尽きませんが、今回失ったものは次の戦いで取り返すしかありません」

「我々チームの実力は高いところにあるのは確かなので自信を持って前だけ見て進んでいき、不運な要因をはねつける勢いで頑張っていきたいと思います」

「これから大量得点する機会がまだまだありまし、まずはSUGOで雪辱を果たす勝利を目指していきます。そして富士、鈴鹿でもチャンピオンらしい戦いを続けていければと思います」

「皆様どうぞ、引き続き御声援のほどよろしくお願い申し上げます」