トップへ

TOYOTA GAZOO Racing 2017年NASCARオールスターレースレポート

2017年05月23日 12:12  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

オールスター戦で自身初優勝を飾り、100万ドルの賞金を獲得したカイル・ブッシュ
2017年5月22日
プレスリリース

モンスターエナジー・NASCAR オールスターレース
カイル・ブッシュがオールスター初制覇!
週末のシャーロットを完全制圧
 この週末はカップ・シリーズ戦はなく、オールスターレースが開催。選ばれたドライバーによる、高額賞金と名誉を賭けたエキジビションレースで、カイル・ブッシュが初制覇を果たした。

 カイル・ブッシュは前日のトラック・シリーズでも勝利を挙げており、NASCAR史上初めて、オールスターウィークの両レースを制したドライバーとなった。

Monster Energy NASCAR All-Star Race
開催日:5月20日
カイル・ブッシュがオールスター初制覇!
 5月20日(土)、アメリカ東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARのオールスター戦「Monster Energy NASCAR All-Star Race」が開催された。

 この週末、カップ・シリーズ戦は行われず、エキジビションとしてオールスターレースが行われた。このオールスター戦、シリーズポイントはかかっていないが、優勝ドライバーには100万ドル(約1億1000万円)という賞金がもたらされる。

 オールスターの名を冠するだけに、出場は容易ではない。今年と昨年のカップ・シリーズ戦勝者と過去のオールスター戦の勝者、そして過去のカップ・シリーズチャンピオン経験者のみがまず出場権を得る。

 トヨタ勢ではカイル・ブッシュ、マット・ケンゼス、デニー・ハムリン、マーティン・トゥルーエクス・Jr.の4名がこの条件で出場権を得た。

 加えて、オールスターレースの直前に出場権のないドライバーによる「Monster Energy Open」と呼ばれる予選レースが3ステージ制で行われ、各ステージの勝者計3名と、ファン投票による1名が出場権を得る。

 20日(土)午後6時16分に開始された「オープン」予選レースには、今季よりカップ・シリーズにフル参戦しているルーキー、ダニエル・スアレツとエリック・ジョーンズが出場。

 エリック・ジョーンズは速さを活かし、終盤首位争いに割って入ろうとしたところで行き場を失いハーフスピン。惜しくもオールスター出場はならなかった。

 スアレツはステージ3で逃げ切り「オープン」レースを制覇。これにより、ルーキーライバーとしてただ一人、オールスター戦に出場することとなった。

 午後8時23分、聖地シャーロットの1.5マイルオーバルを20周、20周、20周、10周の合計70周して競われるオールスターレースがスタート。通常のレースとは異なり、最終第4ステージは、1-3ステージの勝者と、各ステージの平均フィニッシュ順位の上位合計10名のみが出走できる。

 また、このレースでは各ドライバー1セットのみよりソフトでグリップの高い「オプション」タイヤを選択できるため、戦略も重要となった。

 前日に行われた予選で最前列2番手グリッドを獲得したカイル・ブッシュがステージ1の序盤から首位争いを展開。首位には届かなかったものの2位でステージ1を終えた。ケンゼスが6位、ハムリンが8位。

 タイヤトラブルで順位を落としたトゥルーエクス・Jr.は、ハムリンと共にステージ2でオプションタイヤを使用しポジションアップを狙った。一方、ケンゼスはピット時にオイル漏れのトラブルに見舞われ、レースを終えることとなってしまった。
 ステージ2はカイル・ブッシュ3位、ハムリンが6位。

 ステージ3,再スタート直後から4ワイドでの激しい上位争いのなかで、カイル・ブッシュは一旦中団グループにポジションを落としたが、追い上げ6位、ハムリンが10位でフィニッシュ。

 この結果、3ステージの平均フィニッシュ順位で、カイル・ブッシュは3位、ハムリンは7位でステージ4へ進出。スアレツとトゥルーエクス・Jr.は惜しくもここで敗退となった。

 ステージ4は、1台がピットに入らない作戦を採り、カイル・ブッシュは3番手から再スタート。

 得意の再スタートを決めたカイル・ブッシュは、6度のシリーズチャンピオン獲得、そしてオールスター戦も最多の4勝を挙げているジミー・ジョンソン(シボレー)との激しい首位争いを展開。素晴らしい走りでこれを制すと、終盤は後続との差を広げていき、トップチェッカー。自身にとって初となるオールスター戦を制し、100万ドルの賞金を手にした。

 また、カイル・ブッシュは前日同じシャーロットで行われたトラック・シリーズ戦も制しており、この週末のシャーロットを完全制圧。NASCAR史上において、初めてオールスター戦の週末両レースを制したドライバーとなった。

 来週はシリーズ戦が再開。オールスター戦と同じシャーロットで、第12戦がシリーズ最長の600マイルレースとして行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ
「オールスターで勝てたと言うだけではない。これまで私はシャーロットのカップ戦で勝ったことがなかったので、やっとそのゴールを今夜達成できたし、何と言ってもオールスターの勝利と、100万ドルの賞金だ」

「スポンサーカラーについても、新製品による初めてのカラーリングで勝てた。クルーチーフにも本当に感謝している」

「彼とクルーがレースを通してピットで待っているというのは大変な信頼だ。我々は当初最速では無かったが、正しい調整を続けて行って、勝利を得られた。ほっとしていると同時に誇らしく思っているし、興奮している」



NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第5戦 North Carolina Education Lottery 200
開催日:5月19日
カイル・ブッシュが2連勝!
“トヨタ・タンドラ”での100戦目を勝利で飾る
“トヨタ・タンドラ”9台がトップ10フィニッシュ
 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第5戦「North Carolina Education Lottery 200」が5月19日(金)にシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。

 19日(金)夜もとっぷりと更けた午後8時50分に、1.5マイルオーバルを40周、40周、54周の3ステージ合計134周(201マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。

 2列目4番手スタートのカイル・ブッシュが好スタートを切り2周目に首位を奪取。一方で、前戦に続き連続、今季3度目のポールポジションを獲得したクリストファー・ベルは、接触により左リアタイヤがパンクし緊急ピット。2周遅れの31位まで後退してしまった。

 カイル・ブッシュはそのまま逃げ切り、ステージ1を制覇。ステージ終盤のコーションでピット戦略が分かれ、カイル・ブッシュはステージ2を11位からスタートすることになったが、着実にポジションアップ。

 60周目に出されたイエローコーションでは、ベルが“ラッキー・ドッグ”(コーション発生時に周回遅れの最上位車両が首位と同一周回に復帰できる救済措置)を獲得。

 ステージ2終盤、残り6周で再スタートが切られると、首位を争うジョニー・ソーター(シボレー)とマット・クラフトンの間に割って入る激しいドライビングを見せたカイル・ブッシュが首位を奪還。ステージ2もカイル・ブッシュが制した。

 ここまで好走を見せ、3位でステージ2を終えたクラフトンは、ステージ間のコーションでピットインした際に、ピットロードスピード違反で無念の後退。

 ここではタイヤ未交換車両がいたため、4本交換したカイル・ブッシュは3位でステージ3の再スタート。前戦首位を快走しながらトラブルに泣いたベン・ローズが4番手、ベルが5番手から再スタートを切ると、すぐに首位に立ったカイル・ブッシュを若い2人が追う形となった。

 カイル・ブッシュはじりじりと後続を引き離し、独走状態となったが、あと6周というところでイエローコーション。マージンは帳消しとなり、最後の3周スプリントへ向け再スタート。

 カイル・ブッシュは上手く再スタートを決め抜け出したが、その後方は3ワイドでの激しいバトルに。

 カイル・ブッシュは約1秒の差をつけてトップチェッカー。前戦に続きシリーズ2連勝を飾った。今大会は、カイル・ブッシュにとって、トヨタ・タンドラでのトラック・シリーズ出場通算100戦目となる記念すべきレースだったが、見事勝利で祝うこととなった。

 カイル・ブッシュはシリーズで通算47勝目(史上2位)。うち41勝をトヨタ・タンドラで挙げている。

 また、ここシャーロットでのトラック・シリーズでカイル・ブッシュは7勝目。トラック・シリーズで同一コース7勝は新記録となった。

 ベルは3位。4位以降にライアン・トゥルーエクス、ティモシー・ピーターズ、クラフトン、グラント・エンフィンジャー、ローズ、ノア・グラッグソン、パーカー・クリガーマンと“トヨタ・タンドラ”勢が続き、今大会“トヨタ・タンドラ”は、9台がトップ10を占めることとなった。

 次戦第6戦は6月2日(金)に米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「2連勝は大きな意味を持つ。スタッフ全員の思いがこもったトヨタ・タンドラであり、チームや工場の献身あってこその2連勝だ」

「チームメイトの4号車(クリストファー・ベル)や18号車(ノア・グラッグソン)も良い走りだった。皆一丸となって素晴らしい結果を勝ち取った」

「今夜はレースのほとんどで上位争いを繰り広げ、楽しかった。中盤は集団に飲み込まれチャレンジングな瞬間もあったが、何とか乗り越え、トップに復帰できた」

「この2連勝はチーム全体の努力によるものであり、本当に誇りに思う。」