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新井大輝と勝田貴元、WRCポルトガルでルーズグラベルの洗礼。勝田は完走、新井は炎上リタイア

2017年05月22日 18:32  AUTOSPORT web

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勝田貴元/マルコ・サルミネン(フォード・フィエスタR5)はクラス12位完走
トヨタの若手ラリードライバー育成プログラム、『TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム』に参加している新井大輝、勝田貴元は5月18~21日に開催されたWRC世界ラリー選手権第6戦ポルトガルのWRC2に参戦。多くのトラブルに見舞われながら、勝田がクラス12位でフィニッシュした。

 新井と勝田のWRC2参戦は、今年2月のWRC第2戦スウェーデン以来、通算3度目。両名はポルトガルの路面の特徴である“ルーズグラベル”への対策として、事前にポルトガル国内ラリーに参戦し、ワン・ツーフィニッシュを飾り経験を積んできた。

 しかし、ラリー・ポルトガルは序盤から路面が荒れる厳しいコンディションとなり、ふたりはその難しさに苦しめられる。

 勝田はクラス11番手で臨んだデイ2のSS4でステアリングラックを破損してデイリタイア。翌日以降の競技には再出走した勝田だったが、最終SS19完走後に、今度はエンジントラブルが発生した。

 勝田はコドライバーのマルコ・サルミネンと協力してエンジンの再始動に成功。ゴールにたどり着き、クラス12位完走を果たした。

しかし、このトラブルでタイムコントロールへの到着が遅れたため、4分50秒のタイムペナルティ。最終的にクラス14位でラリーを終えている。

「路面がとても荒れていてタフなラリーでしたが、多くのことを学んだ一戦でした」と勝田。

「デイ2のステアリングラック破損は、特に原因となり得るような衝撃がないなかで起こったのでとても悔しい思いをしました」

「最終日にはエンジントラブルも発生するなど、本当にいろいろなことが起こったので、とにかく完走できてうれしいです。最終ステージ後にエンジンが止まってしまい、自分たちで修理することになりましたが、最後まで諦めずにトライし続けてくれたマルコに本当に感謝しています」

「今回は、グラベルラリーで悩んでいたドライビングやセッティングなどの方向性が見えてきて、今後への手応えを感じることができました」

■新井大輝はSS15でマシン炎上

 一方の新井も競技初日からパンクやホイール破損からタイムを失いながらも粘り強く走行したが、クラス13番手で挑んだデイ3のSS15でコースオフ。このクラッシュでマシンが炎上してしまい、リタイアとなった。

 新井は「今回の道は最初からとても滑りやすく、荒れていました。デイ2ではパンクが多かったのでデイ3はより丁寧に走り、パンクもせず順調に走れていたのですが、最終ステージでコースオフし、クルマが燃えてしまいました」と語る。

「火が一瞬で回り、あのような恐ろしい経験は初めてでした。今後同じことを繰り返さないよう、なぜコースアウトしてしまったのか、次のラリーまでに原因を深く追求します」

「セットアップについてはいろいろ試し、うまくいったものも、良くなかったものもありましたが、今後に向けて経験を蓄積することができたと思います」

 また、この週末、コドライバーとしてラリーチャレンジプログラムに参加している足立さやかはフィンランドラリー選手権第4戦に参戦。総合6位でフィニッシュして、ランキング3位を維持している。

 新井と勝田は、6月8~11日に行われるWRC第7戦イタリアでもWRC2に参戦。今回の経験を基に、上位フィニッシュを目指す。

 足立は6月9~10日に開催されるフィンランドラリー選手権第5戦『O.K.オートラリー』にコドライバーとして参戦する。