WRC世界ラリー選手権第6戦ラリー・ポルトガルは5月21日、SS16~19が行われ、セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が総合優勝を飾り、開幕戦モンテカルロ以来、2017年シーズン2勝目をマークした。
■Mスポーツ
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC):総合1位
「優勝することができて嬉しいよ。最後まで厳しい戦いだったけど、いつでも誰かがこんな風に勝利を味わっているんだと思う。正直に言うと、今回は優勝争いに加わるチャンスはないと思っていた。だからこそ、この結果を誇りに思うし、喜びも大きいんだ」
「(ステージの)掃除役はいつだってチャレンジングだけど、今回は金曜のステージを通してかなり良い走りができた。そのおかげで、残りのラリーで良い出走順を獲得できた」
「土曜は望んだ出走順に戻ったから、どのステージでも毎回1番か2番目に速いタイムを出すことができたよ。ラリーの前半は、オット(・タナク)との激しい戦いだった。彼はこの週末を通して素晴らしいペースで走り、ミスをした後でさえ、チームにとって十分なポイントをもたらしてくれた」
「今週はすべてが良い方向に進んだと思う。本当にチームのハードワークには感謝しなければならないね。いつも言っていることだけど、ラリーはチーム戦なんだ」
「週末の間、マシンはずっとパーフェクトだった。勝利のために最大限尽くしてくれた彼らにとって、この結果はふさわしいと思う」
「僕は、そんなチームの皆に対してパフォーマンスで報いることができて本当に満足しているんだ。実際、僕のナンバー1メカニックとエンジニアはポルトガル人だから、彼らもこの勝利を誇りに思っているはずだよ」
●オット・タナク(フォード・フィエスタWRC):総合4位
「この週末について、おおむね満足していると言えるだろう。土曜日のミスで、セブ(セバスチャン・オジエ)との優勝争いをするチャンスを失ってしまった。それでも、ペースもスピードも、マシンのフィーリングも良かった」
「おそらく、今年一番のセットアップだったと思う。テストごとに改善してきたが、来週もサルデーニャ(第7戦ラリー・イタリア)に向けて、2日間のテストを予定している。そこでまた強力な結果にチャレンジできることを願っているよ」
「伝統的にマシン本来のポテンシャルを見ることのできるのが、このラリー・ポルトガルなんだ。今のところ僕らは良いパッケージを持っているようだね。もちろん、まだ小さな改善点がいくつか残っているけど、前途有望だ」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC):総合6位
「浮き沈みの激しいラリーになってしまった。パーフェクトな週末ではなかったけれど、持ち帰るべき良いこともたくさんあったと思う」
「土曜日のミスは理想的ではなかったね。それでも、走行状態は良かったし、スピードもあった。今後のことについては、前向きに考えるよ」
■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ
●ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC):総合29位
「まずは、チームのハードワークに感謝したい。時には不満が募る場面もあったが、彼らは決して諦めなかった」
「実際、彼らはラリーごとに、より深く掘り下げながらクルマを良くしていこうとしているから、このチャレンジをともに乗り越えようとしていた。そして、ラリーの最終ステージで、僕たちの底力を見せてやろうとしていたんだ。トラブルがなかったら、僕たちはもっとステージ優勝ができていただろうという思いが強くなったよ」
「パワーステージは楽しめた。出走順が1番だったから、思っていた以上に掃除役をやらなければならなかったけど、それでも楽しかったよ」
「コ・ドライバーのセブ(・マーシャル)は初めての参戦だったけど、素晴らしい仕事をしてくれた。今週末は優勝を目指してもっと戦えたかもしれない。でも将来に向けていくつか明るい兆しが見えたよ」
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC):総合2位
「パワーステージ(SS19)を良いペースで着実にこなし、前向きにラリーを締めくくることができた」
「今週末はマシンのリヤの不具合に悩まされていて、(セバスチャン・)オジエとMスポーツに対して、あれ以上詰め寄ることができなかった。彼らのパフォーマンスは素晴らしく、僕たちは対抗できなかったんだ」
「それでも2回の総合優勝の後で2位に入ることができ、(2番手タイムを記録した)パワーステージでも多くのポイントを得ることができて嬉しいよ。ドライバーズタイトルにおいて重要なことだからね。今回の結果でオジエの後ろ、選手権2位になったんだ」
「チームとしても、ダニ(・ソルド)が3位につけていて、チームのポイントも増加した。上出来の週末だったよ。チームの努力にも感謝したい」
「これで、昨年優勝を飾ったサルデーニャ・ラウンドに向かって、前向きな気持ちで備えることができるよ」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC):総合3位
「表彰台獲得という結果にとても満足しているよ。だけど、土曜日はトップ勢に近いところで戦うことができなくて少しがっかりした。セバスチャン(・オジエ)とティエリー(・ヌービル)が速すぎたね」
「今日のステージでも彼らを倒すには差がありすぎたから、3位の座を守って表彰台を獲得することに専念したんだ」
「(ポルトガルは)面白くて楽しめた週末だった。観客たちのサポートは信じられないくらい素晴らしかった。ステージに沿ってあんなにたくさんの人々がいるのは壮観だったよ。僕たちを応援してくれた人たちと、この素晴らしい結果をもたらしてくれたチームの全員に大きな感謝を捧げたい」
■シトロエン/シトロン・レーシング
●クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC):総合18位
「今日は先頭グループに近づくリズムを取り戻して、ラリーを終えることができた。最初の区間の後は、パフォーマンスのレベルが良くなかったので、その理由を解明する必要がある」
「努力をし続けなければならないし、自分自身の問題として、小さなミスをなくしていかなければならない」
●クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC):総合5位
「(今季4度目の5位に)まるで5位を取るために参戦しているかのようなシーズンだね」
「引き続き良い週末だったと思う。僕たちは金曜日には確実に最速チームのひとつだった。SS7で石に当たってダンパーが壊れなければ、最終順位はトップだっただろうね」
「次の2日間は、先頭車のペースについていくのが少し難しかった。原因はいくつかあるが、おもに僕のステージについての経験不足と、不利な出走順位にあったと思う。サルデーニャでは、さらに良くなるように頑張るよ」
●ステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 WRC):総合13位
「結果は、ここに来た時に求めていたレベルにまったく届かなかった。特に、このラリーについては準備を入念にしてきたのだけど、金曜日の午前中に流れが変わってしまったんだ」
「横転したあとは、少しでも多くのステージをクリアするために改善を試みた。しかし、出走順位も僕たちが実力を発揮する助けにはならなかったね」
●カリッド-アル・カシミ(シトロエンC3 WRC):総合17位
「僕たちは2回目のファフェ(SS19)のジャンプで怖い思いをした。1回目のときより速くいきたいと思ったけど、明らかにやりすぎだったんだ……。」
「いずれにしても、最初のラリーをシトロエンC3 WRCで走り抜くことができて嬉しいよ。ポテンシャルを受け入れるためには、さらなる走行距離を積む必要があるね」
■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing
●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC):総合9位
「これまでのキャリアで、もっとも身体的に辛いラリーだった。昨日は本当に体調が悪かったが、病院で点滴を受けながら夜を過ごした結果、今日はかなり回復し、最後まで走りきってポイントを獲得できた」
「大変なラリーが終わったので、これからの2日間はひたすら寝続けると思うよ。次戦サルデーニャの前にテストの予定はないので、ゆっくりと身体を休め、そして万全の体調で次のラリーに臨みたいと思う」
●ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC):総合7位
「ラリー・ポルトガルは、前戦のラリー・アルゼンティーナほどではないけど、それでもかなりトリッキーなラリーだったよ。このラリーに対する経験は十分ではなかった。それでも最後まで走りきりポイントを獲得できたのでハッピーだよ」
「もっとも重要なのは、このラリーから多くを学び、そして全体的にクリーンな走りをできたことだ。お陰で自信を持つことができたよ」
「ファフェのステージには信じられないほど多くの観客が集まっていて、素晴らしかった。ラリーを見に来てくれた観客の皆にも、感謝したい」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC):総合10位
「いろいろな意味で、今回は予想通りにいかないラリーだったけど、今の自分たちに適切なスピードを見出だすことができたと思う。それは本当に重要なことだから、満足しているよ」
「今日の最初の2本のSSではタイヤを温存したおかげで、残る2本のSSでは思い切り攻めることができた。そして最後のファフェのパワーステージのビッグジャンプでは息をのむ着地となったけど、少なくともヤリスWRCのサスペンションがいかに丈夫かを証明できたと思う」
「ラリーが始まる前、実は密かにポイントを獲得できるのではないかと期待していたんだ。まさかパワーステージでもボーナスポイントを得られるとは、夢にも思っていなかったよ」