第101回インディ500のグリッドを決定するポールデーが21日に開催され、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が平均232.164mphと完璧なアテンプトで前日のスピードを更新しポールポジションを獲得した。
2日間に渡るエキサイティングな予選だった。
ポールポジションは、予選初日に9番手までの速さだったドライバーたちによって争われるファスト9で決定した。
そのファスト9で、スコット・ディクソンが予選初日から2日目にかけて大幅にパフォーマンスをアップさせ、232.164mph平均の4ラップをマークしてポールを獲得した。
さすがはインディカー・シリーズで4回もチャンピオンになっているドライバーだ。インディ500でのポールポジションは2008、2015年に続く3回目。
「僕らのアタックはとても良く、速かった。4ラップ連続周回は本当に難しい。マシンをコントロールし続けるのがとても難しくなっていた。去年の僕は227mphしか出せていなかったと記憶しているが、今年は232mph。この進歩は大きい」
「最初のラップを終えた時、ダッシュに見えた数字は間違っていると思ったぐらいだ。マシンの電気系にトラブルが出て、正確じゃない数字が表示されているんだと思った。あそこまでのスピードが出るとは考えていなかったんだ。ベストのポジションからスタートを切れる。あとはそのポジションを保つことだ」とディクソンは語った。
2008、2015年に続くキャリア3回目のPP。ホンダは2年連続のPP獲得。今シーズンの予選におけるシボレーの6連続PP獲得を阻んだ。
予選2位はエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)。
今年のシボレー勢は昨年以上に対ホンダで厳しい戦いを強いられていたが、チーム・ペンスキーを上回るパフォーマンスを発揮している。
走行コンディションが悪くても彼らはスピードが落ちない。予選初日こそカーペンターが最速だったが、予選2日目のアタックでは231.664mphで2番手に甘んじた。
「僕らはすべてを出し切った。3回目のPP獲得がかなったら嬉しかったが、ふたりのインディ500ウイナーに挟まれたフロントロー中央は悪くないグリッドだ。初優勝を飾りたい」とカーペンターは語った。
フロントローはホンダ、シボレー、ホンダの順。3位は昨年度ウイナーのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)だった。
佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)は平均231.365mphで4位。アタック1ラップ目にはディクソンに迫る232.180mphをマークした見事な予選となっていた。
「フロントローだったら最高でしたが、4位でも僕は満足です。攻めの走りをしました。最終ラップにはターン2で壁にホイールを接触させたぐらいでした。それでタイムロスがありましたが、思い切り予選を戦えました。明日は頭を切り替え、決勝用セッティングを詰める作業を行います」と琢磨は語っていた。
注目のフェルナンド・アロンソ(アンドレッティ・オートスポート)は予選5位。予選直前のプラクティス終盤にエンジンから異音発生。エンジン交換を行って臨んだ予選で平均231.300mphをマークしての見事なインディ500デビューを飾った。
「プラクティスのマシンはとても良いフィーリングだったのに、トラブル発生。予選出場も危ぶまれたが、クルーが奮闘してマシンを用意してくれた。素晴らしい速さでのエンジン交換だった。予選ではターボのオーバーブーストによる失速があった。それでも僕たちの4ラップは非常に速いものになっていた。決勝が楽しみだ」とアロンソはコメントした。
22日も12時30分から16時までプラクティス走行が予定され、各車決勝用のセッティングを確認。そして、決勝レース前最後の走行がカーブデーとよばれる26日金曜日に行われ、28日12時過ぎに第101回インディ500決勝レースがスタートする。