WRC世界ラリー選手権第6戦ラリー・ポルトガルは5月21日、SS16~19が行われ、セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が総合優勝を飾り、開幕戦モンテカルロ以来、2017年シーズン2勝目をマークした。
前日のデイ3で総合首位に浮上したオジエは、総合2番手につけるティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)に対して16.8秒のリードを持って競技最終日のデイ4を迎えた。
この日は各10km前後の比較的短い4本のSSが設定されており、ヌービルの逆転は難しい状況。
そんななか、ヌービルはオープニングステージのSS16で3番手タイムをマーク。0.8秒とわずかながらオジエとのギャップを削ることに成功する。
しかし続くSS17ではオジエがトップタイムを記録。ヌービルを3.3秒引き離してみせる。この時点で両者の差は19.3秒まで広がり、実質的に勝負が決した。
ヌービルはSS18、そして最終ステージのSS19でもオジエを上回るタイムを記録したものの、その背中を捉えるまでには至らず。最終的にオジエが15.6秒差をつけ総合優勝を飾った。
ポルトガルでの通算勝利数を5に伸ばしたオジエは「完璧なクルマを仕上げてくれたチームに最高のパフォーマンスで報いることができて嬉しいよ。僕のナンバー1メカニックとエンジニアはポルトガル人だから、彼らもこの勝利を誇りに思っているはずだ」と勝利の喜びを語った。
総合3位はダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)がつけ、ヒュンダイ勢が表彰台の2枠を獲得。
デイ2の後半からデイ3前半にかけてラリーをリードしたオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)は総合4位。最終パワーステージでトップタイムをマークするなど、優勝争いから脱落した後もスピードをみせた。
総合5位には不調のシトロエン勢の中で孤軍奮闘したクレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)が入っている。
初の3台体制でラリーに挑んだトヨタは、チーム最上位の総合7位となったユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)をはじめ、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が揃ってトップ10圏内でフィニッシュ。ラトバラは6戦連続のポイント獲得を達成した。
また、今回ヤリスWRCで初めての実戦に挑んだラッピが最終パワーステージ(SS19)で4番手タイムを記録。ステージ上位5名に与えられるボーナスポイントを獲得してみせた。
WRC2に挑戦した勝田貴元(フォード・フィエスタWRC)と新井大輝(フォード・フィエスタWRC)は、勝田がクラス11位/総合35位で完走。新井は前日のマシントラブルの影響で出走せずにラリーを終えている。
WRCの次戦は6月8~11日に開催される第7戦ラリー・イタリア。ポルトガルに続くヨーロッパのグラベル(未舗装路)ラリー2戦目だ。