2017 SUPER GT
INGING MOTORSPORT
第3戦オートポリス レースレポート
5月21日(日)<決勝天候>:晴れ|コース状況:ドライ
#50 Ferrari 488 GT3 27位
2年ぶりにオートポリスで行われたSUPER GT第3戦決勝で、ニューマシンに変更したFerrari 488 GT3は安定したラップタイムでポテンシャルを感じるものの、不運なクラッシュにより27位でレースを終える。
2年ぶりにSUPER GTのシリーズ戦として復帰することになったオートポリスラウンド。絶好のレース日よりとなった5月21日(日)に行われた決勝レースには1万8200人の観衆が訪れ、GT500、GT300ともに白熱した65周の好バトルを見せることになった。
開幕戦のクラッシュによってニューマシンに変更したFerrari 488 GT3は、ぶっつけ本番となった予選ながらも新田守男のドライビングによりQ1を突破し、都筑晶裕が12位を得て決勝レースを迎える。
決勝レース日は、まず20分間のウォームアップ走行で幕を開けた。20日(土)が実質的なシェイクダウンとなったため、予選後にもセットアップに修正を加えたFerrari 488 GT3。ウォームアップ走行ではスタートドライバーを務めた都筑が6周を周回し、マシンやセッティングの状況を確認した。
14時7分にローリングスタートによってレースが始まり、12番手スタートとなった都筑は順位を守って1周目のコントロールラインを通過。テールトゥノーズのまま3周目に入ると、前走車のGT500と300の車両が最終コーナー手前でクラッシュ。
それでも、都筑はコース上に停止していた2台の車両を冷静に避けて10番手まで順位を上げた。このクラッシュにより7周に渡りセーフティカーが入り、12周目にリスタートが切られる。
都筑はリスタート後も10番手を守りながら安定して1分47秒~48秒台のラップタイムを刻む。そして22周を走行したところで新田にバトンを渡す。都筑の走行中にマシンとタイヤの状況を聞いていたチームは、左側のタイヤを2本交換する作戦でピットタイムを削り、さらに上位を狙う戦略を立てた。
だが、タイヤ交換時にエアジャッキが上手く作動せずにタイムロスを喫してしまう。26番手まで順位を落としてしまったFerrari 488 GT3だが、新田は1分47秒前半のタイムで前走車を必死に追う。
一時は21番手まで順位を上げたが、45周目にまたしても不運が訪れた。セクター3でスピンしていた♯1のLEXUS LC500をかわした瞬間にそのマシンが動きだし、新田の右リアにヒット。
この接触でFerrari 488 GT3はコース外にはじき飛ばされるとともに、足まわりを破損してしまう。再始動を試みた新田だが、アームの損傷などにより走行不可能な状況でレースを終えることになった。
結果としては45周を周回していたため27位で完走となったが、初戦に続きチェッカーを受けることができなかった。しかしチームは改めて車両のポテンシャルを実感しており、次戦以降の戦いでリベンジを誓う。
コメント
コメント
都筑晶裕選手
まずは、第1戦目のクラッシュにより各関係者及びスポンサー様にはご迷惑、ご心配をおかけし大変申し訳ございませんでした。今回復帰するにあたり、ご尽力、応援頂いた皆様には本当に感謝申し上げます。
シェイクダウン状態の新しいマシンながらも予選でQ1を突破できたことは大きな収穫でした。決勝はスタートドライバーを担当しましたが、1周目からラップタイムも安定していてセッティングも含めて状況はよかったと思います。
3周目の最終コーナー手前で発生したGT500とGT300のクラッシュは、直後を走っていたのでひやっとしましたがギリギリで避けられました。
セーフティカーが明けてからは♯3のGT-Rが追ってきましたが、セクター3がこちらの方が速く、ある程度のギャップを保ちながらリードしていました。そして22周目にピットインし新田選手にドライバーチェンジしたのですが、ピット作業中にタイムロスがあってこれがもったいなかったです。
最終的には45周目にGT500との接触によってコースオフし、27位となりました。チームが懸命に作業してマシンを作り上げてもらったのに、結果が出せず残念なレースでした。次戦また頑張りますので応援の程宜しくお願い致します。
新田守男選手
まず決勝レースでのクラッシュした状況は、セクター3でスピンしていたGT500車両を左から避けたのですが、避けた瞬間にその車両が動きだして右リアに接触してきました。その接触でコース外にはじき飛ばされてしまい、リアサスペンションのアームも折れたようで再始動できませんでした。開幕戦のクラッシュといい、流れが悪いとしか言いようがありません。
今回のオートポリスからニューマシンになり実質的なシェイクダウンとなった練習走行でも多少の修正は行いましたが、ポテンシャルがあることは大いに感じられました。そして、予選では1周のみのアタックでしたが8番手のタイムでQ1を突破しています。
レースのラップタイムも悪くなかったので、上位勢と互角に戦うことは可能だと思っています。ですので、次戦は是が非でも完走して結果を残すために、チーム一丸で戦っていきます。
伊藤宗治監督・エンジニア
決勝レースはピット作業中のタイムロスがあり、監督として責任を感じています。タラレバですが、ピット作業のタイムロスがなければGT500と接触する位置にもいなかったはずなので残念です。
マシンはレースの直前にガレージに運ばれてきて、メカニックとともに夜遅くまで作業を続けてオートポリスに持ち込みました。組み上げたばかりの状態でしたが、予選ではQ1を突破し決勝レースも期待が持てる状態でした。スタートドライバーを務めた都筑選手は安定したラップタイムで周回し、10番手で新田選手にバトンをつないでくれました。
その後は結果の通りに27位で完走扱いにはなっていますが、GT500に接触されてコースオフしてしまいました。マシンの素性の良さは感じているので、あとは結果を残すだけです。開幕戦から苦しい展開が続いていますが、セットアップについては好感触を得ているところもあるので、次戦以降に試していきたいです。