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LEXUS TEAM ZENT CERUMO スーパーGT第3戦オートポリス レースレポート

2017年05月21日 22:32  AUTOSPORT web

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ZENT CERUMO LC500
2017 AUTOBACS SUPER GT Report
SUPER GT in KYUSHU 300km
第3戦 オートポリス

ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明

◆5月21日(日) RACE
決勝結果 10位

<決勝>天候:晴れ コース状況:ドライ

 立川祐路が果敢なアタックをみせたものの、タイム抹消の憂き目にあった予選日から一夜明け、SUPER GT第3戦オートポリスは決勝日を迎えた。この週末はずっと天候が良く、この日も朝から雲がほとんどない晴天模様。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは多くのファンが訪れたピットウォーク等のイベントをこなし、午後0時25分からのウォームアップ走行に臨んだ。

 20分間の走行のなかでZENT CERUMO LC500はレースに向けた確認を行いながら、1分13秒725というタイムで13番手につけることになるのだが、立川の走行中にGT300クラスの#51 RC Fと接触してしまい、立川に警告を表す黒白旗が提示される。これがレース後、大きな意味を持ってくることになった。

 迎えた午後2時からの決勝レースで、ZENT CERUMO LC500のスタートを担当したのは立川。予選グリッドどおりオープニングラップを8番手で終え、前を追おうとしたが、迎えた4周目にピットスタートだった#8 NSX-GTがGT300クラスの集団のなかで#65 メルセデスと接触。最終コーナーでスピンを喫してしまい、そこに#31 PRIUS GTらがクラッシュ。セーフティカーが導入された。

 レースは14周目にリスタートとなったが、立川の前を走っていたのは#6 LC500。20周目を迎えるころになると、さらに#37 LC500を交え立川とともにレクサスLC500による三つ巴の6番手争いが展開されはじめた。いずれもZENT CERUMO LC500と同様に燃料流量リストリクターに制限を受けているマシン同士だ。

 さらに立川の後方に迫った#12 GT-Rらを含めた戦いのなかで、21周目に立川はうまく#6 LC500をかわすと、さらに#37 LC500もオーバーテイク。これで6番手まで躍り出る。さらに前を行く5番手の#16 NSX-GTを追ったが、好事魔多し。28周目、第1ヘアピンに差しかかった立川はGT300クラスの#87 ランボルギーニを抜こうとした際に接触してしまう。

 #87 ランボルギーニは大きくコースアウトをするほどではなかったが、この間に立川はふたたびふたつポジションを落とし、さらに後方には#23 GT-Rが接近。ただ、#23 GT-Rにはポジションを譲ることなく立川は31周を終えピットへ。予定のスティントを終えて石浦宏明に交代した。

 ピットアウトした石浦だが、すぐにGT500やGT300の車両が入り乱れた集団のなかに入ってしまう。ここで11番手の#24 GT-Rをかわそうと奮闘していた石浦だったが、逆に#19 LC500にかわされてしまうなど、目まぐるしく順位が変わっていく。石浦は#16 NSX-GTを34周目にパス、さらに57周目には#24 GT-Rをかわしポジションを上げたものの、そこからはなかなか順位を思うように上げていくことができない。

 舞台であるオートポリスは非常にコースレイアウトがタイトであり、ZENT CERUMO LC500は燃料流量リストリクターが制限されていることもあり、村田卓児エンジニアによって得意のコーナリングスピードを活かすべくセットアップされていたが、このラウンドのように各所でバトルが繰り広げられ、前に詰まってしまう状況ではコーナリングスピードを活かすことができない。石浦にとっては苦しい展開となってしまったが、それでも51周目に#1 LC500がストップしひとつポジションを上げ、なんとか踏ん張り9位でチェッカーを受けた。

 これで2ポイントを獲得し、苦しいなかでも最低限の結果を得た……と思っていたのもつかの間。レース後、予選に続きまたしてもLEXUS TEAM ZENT CERUMOのリザルトに変更が加えられることになった。立川が#87 ランボルギーニと接触したことが原因だ。

 この接触自体はペナルティではなく、警告を示す黒白旗だ。しかし、SUPER GTのスポーティングレギュレーションには『同一競技会で2回以上「危険なドライブ行為(黒白旗提示)」と判定された場合は罰則が課せられる』と定められており、立川のウォームアップ走行での接触と、レース中の接触の2回で36秒加算のペナルティとなってしまったのだ。

 結果的に、ZENT CERUMO LC500の順位はひとつ繰り下がり10位となった。かろうじて1ポイントを得たことはレース展開を考えれば幸いではあったが、もう少し大きなポイントを得なければチャンピオンの道は遠い。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは7月22~23日に開催される第4戦スポーツランドSUGOでのレースに向けて、テストでZENT CERUMO LC500のパフォーマンスをさらに突き詰めていく。

ドライバー/立川祐路
「全体的に激しいレースでしたね。序盤からレクサス同士の戦いも激しく、そのなかで2台をパスすることができましたが、一方でGT300クラスの車両と軽く接触してしまって、そのスキに抜き返されたりなど、あちこちでそういうことがあって、本当に大変なレースでした。ウォームアップでも接触があって、最終的にペナルティを課されてしまいましたが、中盤戦を考えるとポイント圏外にいたので、1ポイントでも持ち帰れたのは良かったです。とは言えもっとポイントを獲らなければなりません。今後各車ともウエイトハンデも揃ってくるでしょうし、シリーズ中盤でしっかりポイントを獲れるよう、これからのテストを頑張りたいと思います」

ドライバー/石浦宏明
「ピットアウトした段階で、早めにピットインしていたライバルに先行されていましたが、2~3周くらいして追い上げようとしたところで、GT500とGT300の集団のなかで接触しながらセクター3を走っていたら、そこでいちばんうしろにいた19号車にかわされてしまいました。競っているなかでポジションを失ってしまったのは反省点ですね。そこから2台を抜いたのですが、抜くのにもかなり時間がかかり、19号車と離れてしまったのも悔しいところです。近いウエイトハンデを積みながらも僕たちよりも速いクルマもいたので、今後のテストで決勝レースのペースを夏に向けて改善しなければならないと思います」

浜島裕英監督
「結果的にピットアウト後に大きく順位を落としてしまったのが反省点ですね。時間はそれほどかかっていなかったとは思いますが、ほんのわずかな問題だったのかもしれません。このあたりをしっかり検証しなければ次戦も同様のことがあり得るので、課題をしっかりつぶしていかなければと思っています。速さはあるので、問題点をつぶしていけばまた上位に戻れると思っています」