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WRC:トヨタ、苦しみながらも全車が最終日へ。ラトバラ「正しい方向に向かっている」

2017年05月21日 13:42  AUTOSPORT web

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ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)2017WRC第6戦ポルトガル
WRC世界ラリー選手権第6戦ラリー・ポルトガルは5月20日、競技3日目が行われた。TOYOTA GAZOO Racing WRT(TGR WRT)はユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が総合7番手、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合9番手につけ、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)もアクシデントに見舞われながら総合11番手でフィニッシュした。

 ポルトガル北部を舞台に展開しているラリー・ポルトガル。競技3日目となるデイ3は今大会最長、37.55kmのロングステージ『アマランテ(SS12、SS15)』が設定されるなど、競技が行われる4日間のうち、もっとも走行距離の長い1日となった。

 そんななかTGR WRTのラトバラ、ハンニネン、ラッピの3名はそれぞれ困難に直面しながらラリーを戦った。

 前日からチーム最上位につけるハンニネンは、午前のループから安定した走りを続けていたが、総合6番手で迎えたSS14の走行中にマシンが一時的にストップするトラブルに見舞われる。1分近くタイムをロスしたハンニネンは順位をひとつ落とし、総合7番手となった。

 総合13番手から競技3日目に挑んだラトバラは朝から胃痛に苦しみながらも、SS14で3番手タイムを記録するなど、1日を通して好ペース維持。最終的に総合9番手に浮上している。

 ヤリスWRCでのデビュー戦に臨むラッピは、徐々にマシンに慣れ好タイムを刻んでいたが、SS15を走行中、ルーズグラベルに乗りラインがワイドになったところでマシン後部を壁にヒットさせてしまう。

 ラッピのマシンはこのアクシデントで右リヤサスペンションとブレーキにダメージ受けたが、約5分遅れでフィニッシュ地点を通過。リタイアすることなく最終日に駒を進めることとなった。

 競技3日目、トップ10圏内への復帰に成功したラトバラは「今日は胃痛がひどく、食べ物を受け付けないくらい酷い体調でスタートしたんだ」とラリーを振り返った。

「しかし、幸い体調はどんどんと良くなっていった」

「また、クルマも小さなトラブルはあったけど、セッティングの変更で昨日よりも良くなっている。正しい方向に向かっていると思うよ」

 TGR WRTのトミ・マキネン代表は「今日はクルマとタイヤに大きな負担がかる、とてもハードな1日だった」と語った。

「コースは昨日とは大きく違い、より硬い路面の上に砂のようなグラベルが乗るロードコンディションだった。エサペッカ(・ラッピ)は終盤まで非常に良いペースで走ってたけれど、最後のSS15では小さなミスを冒した」

「しかし、私は彼を責めるつもりはまったくないよ。今日起こったことから彼が多くを学んだと信じている」

「ヤリ-マティ(・ラトバラ)は体調が優れなかったにも関わらず、昨日に続き良いタイムを出していた。もし昨日転倒していなければ、きっと上位争いに参加できていたはずだ」

「そして、ユホは今日も堅実な走りを実践し、3人の中でトップの位置につけチームを牽引するなど期待に応えてくれた。彼のクルマに起こったトラブルに関しては、今晩精査しなれればならない」

 ラリー最終日となる5月21日はSS16~19の計4本のSSで争われる。SSの合計距離の42.93km、総走行距離の254.04kmは今大会もっとも短いが、午前と午後の間にサービスパークでの整備が受けられないため、各ドライバーは慎重なドライブを求められる。

 最終ステージとなるSS19は、ステージタイムで上位につけたドライバーにボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。