ZENT CERUMO LC500 2017 AUTOBACS SUPER GT Report
SUPER GT in KYUSHU 300km
第3戦 オートポリス
ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明
◆5月20日(土) QUALIFY
公式予選総合結果 8位(1分40秒207)
<公式予選>天候:晴れ コース状況:ドライ
歓喜の今季初勝利から2週間あまり。2017年のSUPER GTは第3戦オートポリスを迎えた。2016年は熊本地震の影響で残念ながら中止となってしまったラウンドだが、今季は2年ぶりの開催。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは第2戦富士優勝の勢いを保ちながら、大分県日田市のオートポリスに乗り込んだ。
ZENT CERUMO LC500は第2戦での優勝により、29ポイントでランキング3位につけているが、2017年のレギュレーションでは、ウェイトハンデが50kgを超えた車両は車載ウェイトとともに、燃料流量リストリクターが制限されることになっている。58kg相当のウェイトハンデとなったZENT CERUMO LC500は今回、通常時の95.0kg/hに対し、92.4kg/hという燃料流量リストリクターで臨まなければならない。
LEXUS TEAM ZENT CERUMOはそんな状況を踏まえ、快晴に恵まれた5月20日(土)午前9時にスタートした公式練習に臨んだ。ここでまずは立川祐路がステアリングを握りコースインし、20周を周回。また石浦宏明は12周を周回。交代しながらZENT CERUMO LC500のフィーリングを確かめていった。
途中、2回のレッドフラッグが提示された公式練習だが、午前10時35分からはGT500クラスの専有走行がスタートした。ここでは石浦がZENT CERUMO LC500のステアリングを握り、午後の公式予選に向けたアタックを展開していくが、ストレートでは燃料流量リストリクターが効いているのか、他車に追いつかれてしまう。タイムも石浦が記録した1分35秒444がベストで9番手。やはり燃料流量リストリクターの影響は大きいかもしれない……。とは言え、チームは予選に向けてハンデを跳ね返すべく、調整を続けていった。
迎えた午後1時50分からのGT500クラス公式予選Q1。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは石浦にステアリングを託し、まずはQ2進出を目指した。残り7分というところでコースインした石浦は、公式練習とは異なるタイヤを装着し、やや重さを感じながらも、残り1分というところで1分35秒084というタイムをマーク。アタック途中、#17 NSX-GTがクラッシュしており赤旗が提示されるのではないかとヒヤリとしたが、見事3番手でQ2の立川にバトンを繋いだ。
GT300クラスのQ2を経て、午後2時35分にスタートしたGT500クラスのQ2。石浦からZENT CERUMO LC500のステアリングを受け継いだのは立川だ。これまでオートポリスで5回ものポールポジションを獲得している立川だけに、さらなるポジションアップにも期待がかかる。
立川は入念にタイヤを温め、いざアタック開始。ただ、立川の前を走っていた#36 LC500がターン14でコースアウトを喫してしまう。現場に差しかかった立川は充分なマージンをとってコーナーを通過し、1分34秒841というタイムをマーク。これでZENT CERUMO LC500のポジションは4番手となった。
このオートポリスラウンドの予選ではは#100 NSX-GTがポールポジションを獲得し、レクサスLC500勢は#1 LC500の3番手が最上位。ZENT CERUMO LC500の4番手は、燃料流量リストリクターのハンデを負っているマシンのなかでは最高の順位だった。決勝を考えても、ベストなポジションにつけた……と思っていたのもつかの間、予選後なんとZENT CERUMO LC500にベストタイム抹消のペナルティが課されてしまった。
これは、国際モータースポーツ競技規則 付則H項2-2.4.5.1bのなかに記された『減速義務違反』によるもの。立川は安全な速度を保っていたつもりだったが、コースアウト車両がいる区間でその減速が充分ではなかった……というものだ。
この裁定により、残念ながらZENT CERUMO LC500のタイムは抹消され、4番手から8番手に降格となってしまった。とは言え、ZENT CERUMO LC500にハンデを感じさせない速さがあることは確認できた。目標であるチャンピオンのためにも、5月21日(日)の決勝レースでの追い上げに期待がかかる。
ドライバー/立川祐路
「今日の流れとしては、順調にこなすことができたと思っていました。予選に向けてクルマもどんどん良くなっていきましたしね。アタックでは#36がコースアウトをしていたので、黄旗が振られていたのも見えていて、自分としてはマージンをとってその場所を通過しました。その場所で減速したのもあったので、自分としてはもう少しタイムを出したいところもあったのですが、最終的には減速が不十分だったということで、ベストタイムが抹消されてしまったのは残念でした。もっと前にいけるポテンシャルはありますので、明日は追い上げたいと思います」
ドライバー/石浦宏明
「今回ウェイトハンデが厳しくなっていますが、公式練習の専有走行のときにアタックした際、予想していたとおりかなり厳しい印象を受けました。データ上でも遅くなっていますし、燃料流量リストリクターの影響を感じましたね。ただ、コーナー自体は重さは感じるものの悪くなさそうだったので、予想よりも前にいくことができると思いました。予選Q1では周囲も苦しんでいたようで、予想していたよりもポジションは良かったです。まわりのハンデが多いクルマに比べてもZENT CERUMO LC500は良さそうな印象でした。今日の流れとしては、自分たちが目指していた感じにはできていたのかな、と思っています」
浜島裕英監督
「タイム抹消になってしまったのはルールなので仕方がないですね。イエローフラッグという不運はありましたが、燃料流量リストリクターのハンデを負っているレクサス勢のなかではベストタイムをマークすることができたので、クルマの仕上がりはとてもいいのではないかと思っています。8番手からの追い上げにはなりますが、レースではまずは完走して、ベストなポジションでフィニッシュすることができればと思っています」