フェルナンド・アロンソの代役としてF1モナコGPに出場するジェンソン・バトンについては、一度きりの復帰にあまり熱心ではないとの批判があるが、マクラーレンはこれを否定した。
2009年王者のバトンは2016年シーズン末から休養に入り、現在はマクラーレンのリザーブドライバーを務めている。アロンソのインディ500参戦が決定した直後、バトンのモナコGP出場が発表された。
しかし4月に行われたバーレーンでのF1テストにバトンは姿を現さず、2017年仕様のマクラーレン・ホンダに乗るチャンスを逃している。モナコGPに向けての準備としては、シミュレーターに専念しているという。
バトンの友人であるマーク・ウエーバーは最近、「バトンはレースにそれほど興味を抱いていない」と示唆。しかしマクラーレン・テクノロジー・グループのチーフオペレーティングオフィサーであるジョナサン・ニールは、バトンが中途半端な気持ちで復帰を果たすという意見を否定している。
「その話は読んだり見たりしたけれど、同意はできない。ジェンソンはしっかり準備ができるよう、裏で時間を費やしている。シミュレーターでモナコだけを何セッションも走り、マシンやタイヤ、パワーユニット、バランス、ブレーキングのパフォーマンスに順応しようとしている」
「彼の意識がレースに向いていることに、疑いの余地はない」
ニールは、ウエーバーのコメントはただの「冗談」であると言う。
「ウエーバーは彼の良い友人だし、裏で冗談を言う者はたくさんいる。そのことに反論しようとは思わない。楽しい冗談だと思っているし、彼(バトン)は集中している」
バトンはブラウンGP在籍時の2009年にモナコで優勝を果たしている。ニールは以下のように付け加えた。
「モナコはおそらく他のサーキットよりも、ドライバーの貢献度が結果に比例するコースなんだ。彼はそのことをよく知っているし、ここでは大きな成功を収めていて、良いレーサーでもある」
「モナコでは何が起きてもおかしくない。しっかりと準備をし、チャンピオン経験者を乗せることで、事態を望む方向へと導くことができる」
バトンはここ数カ月は主にトライアスロンに集中しており、今シーズンはそれ以外にもたくさんのことに関心を抱いていることを、ニールは承知している。
「ジェンソンは競争心の強い男で、ランニングやサイクリング、水泳、レースなど、何であっても負けず嫌いな性分だ。彼はこれまで懸命にレースに取り組んできたのだし、ドライバーは若いころに多くの時間をレースに費やしている。レース以外にやりたいことを楽しまない理由などない」
「私はそういったことを完璧に理解している。カリフォルニアで遊んでいるよりも悪いことなんて、いくらでもある。しかし結局、本質的に彼はレーサーだ。彼が戻ってくることは素敵なことだよ」