2000年代以降、見る機会がめっきりなくなったカセットテープ。しかし近年、若い世代を中心に再び人気が出ており、ラジカセの新モデルも発売される。
ソニーは6月10日、カセットテープへの録音機能などを搭載したCDラジカセ「CFD-S401」を発売する。CDやラジオをカセットテープに録音できる機能や、ミキシングマイク入力端子を搭載している。
ジャスティン・ビーバーやでんぱ組.incもカセットテープで作品リリース
カセットテープといえば、1970年代に音楽メディアとして定着。しかし、90年代にMDが登場、2000年代以降はMP3が普及したことで、日常的に使われる機会は減っていった。
そうした状況でラジカセの新モデルを発売するわけだが、ソニーの広報担当者はキャリコネニュースの取材に対して、「カセットテープ機能を搭載したラジカセの売り上げは、2016年比で伸びている」と話す。所有者の年齢層を見ると高齢者が多いが、若い年代層にもいるという。
その背景には何があるのか。広報担当者は、
「最近では、アーティストが曲をカセットテープで販売する動きがあります。そうした影響があるのでないか」
と現状を分析する。海外ではカナダの歌手、ジャスティンビーバーやカニエ・ウェストがアルバムのカセットテープ版を発売。日本でもサニーデイ・サービスやアイドルグループのでんぱ組.incを始めとしたアーティストがカセットテープ版を出している。
カセットテープには、スムーズに曲を飛ばせないなどの不便さはあるが、適度なノイズや、我慢強く聴くことなどが若い世代に受けていると考えられそうだ。
語学学習やカラオケ練習をする人にも需要
今回発売されるCFD-S401ではもちろん、CDやラジオ番組を聴いたり、カセットテープに録音することができる。聴きながらはもちろん、タイマー予約機能があるので、深夜や早朝、留守にしている際にも録音できる。
ほかには、「ミキシングマイク入力端子」の機能を搭載。2016年に発売された「CFD-S70」にはなかった機能だ。前出の広報担当者は、「購入のポイントとして、音声入力端子があり点が挙げられます。語学学習やカラオケの練習をする人からの需要があります」と話していた。商品はソニーストアで購入した場合、1万2880円(税別)となっている。