ピレリは、新しいハードタイヤが2017年のF1マシンには効果的ではないとする懸念を受けて、イギリスGPでは組み合わせから外すことを決めた。
ピレリが2017年に用意したF1用タイヤの組み合わせで最も硬いのがハードタイヤだが、競争力のある走りをするには硬すぎることがわかった。
フォース・インディアのセルジオ・ペレスはスペインGP後に、「このハードタイヤは写真撮影でしか役に立たないから、実際に厳しい競争力を要する場面で使う必然性はほとんどない」とまで話している。
先週金曜日の夜にバルセロナで行なわれたドライバーズブリーフィングでは、参加したドライバーたちがこのハードタイヤへの不満を表明し、ピレリのF1レーシングマネージャーであるマリオ・イゾラに対して2017年シーズンの残りは組み合わせからハードを外すよう求めた。
ピレリは当初、7月のイギリスGPにはハードをコンパウンドのひとつとして持ち込む予定でいたが、月曜日にミラノ本社で行われた会議において、計画の変更が必要だという判断が下された。
その代わりにピレリは、スーパーソフト、ソフト、ミディアムタイヤを持ち込むことを決めており、各チームは今週中にどのコンパウンドが何セットずつ必要かをピレリ側に伝えなければならない。
ハードタイヤがシルバーストンの組み合わせから外れたことにより、このタイヤがほかに使用される可能性があるのは日本GPの鈴鹿のみとなった。
ただそれも今後数カ月でマシン開発がどの程度進むかによる。なぜなら各チームでダウンフォースのレベルがさらに上がれば、タイヤにかかる負担も増すからだ。
スペインGPの週末にイソラは以下のようにコメントしている。
「我々は、ハードタイヤを鈴鹿に持ち込むべく計画している。ただ鈴鹿はシーズン後半戦なので、待たなければいけない」
「そのほかに路面状況が厳しいコースとしてセパンがあるが、2016年に路面が新しくなったことで、タイヤが摩耗しにくくなった」