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LiSAはロックシーンでも欠かせない存在に ジャンルを飛び越える多面性を分析

2017年05月19日 18:33  リアルサウンド

リアルサウンド

LiSA

 LiSAが本日5月19日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にて、新アルバム『LiTTLE DEViL PARADE』に収録されている3曲をメドレー形式で歌うことが話題を集めている。


 来週5月24日にリリースされる同アルバムは、3rdアルバム『Launcher』から約2年ぶりとなる4枚目。今回の出演では、前回のMステ出演時に披露した「Catch the Moment」のほか、テレビアニメ『ニセコイ:』のオープニング曲「Rally Go Round」、『クオリディア・コード』(以上、すべてTOKYO MXほか)のオープニング曲「Brave Freak Out」の3曲が新アルバムから披露される。


 テレビアニメ『ソードアート・オンライン』(SAO)シリーズをはじめ、『Fate/Zero』や『魔法科高校の劣等生』(以上、すべてTOKYO MXほか)などの人気アニメの主題歌を務め、アニソンシーンの最重要アーティストとして不動の人気を獲得したLiSA。しかし、LiSA=アニソンというイメージを持ったまま彼女の音楽に触れると、そんな枠には収まりきらないシンガーとしてのポテンシャルの高さに驚くはずだ。


 まず彼女の魅力として挙げられるのは、少年のようなパワフルな歌声だろう。爽快なロックチューンとの親和性の高い歌声は、J-POPとロックシーンを行き来するような存在として幅広い音楽ファンから支持されている。そんな彼女の魅力に引き寄せられるように、日本のロックバンドのメンバーが楽曲を提供しているのも印象深く、今回披露する3曲でもその個性は遺憾なく発揮されている。


 「Catch the Moment」は、UNISON SQUARE GARDENのベーシスト・田淵智也が作曲を担当しており、アレンジはla la larksの江口亮が手掛けている。また、「Rally Go Round」では、ネットカルチャーから登場したじんが作曲、MAN WITH A MISSIONやONE OK ROCKの曲を手掛けるakkinが編曲に入っているほか、「Brave Freak Out」は田淵智也とアイドルソングやアニソンとの結び付きの強い高橋浩一郎がタッグを組んでいる。さらに新アルバムでは、田淵智也(作詞作曲)と東京スカパラダイスオーケストラ(編曲)による「そしてパレードは続く」を製作、ロックシーンとの密接な関係を感じることができる。一方で、昨年の12月には『みんなのうた』(NHK総合)に向けて「リングアベル」(作曲:野間康介)のようなスローナンバーを書き下ろすなど、これまでの座組を見てもジャンルの枠を飛び越えて、縦横無尽に活動するLiSAの度量の大きさが窺える。


 そんな楽曲たちは、LiSAのパーソナル部分も象徴しているように思う。彼女のインタビューを見ると“欲張り”というワードを口にすることが多く、アーティストとしてのチャレンジ精神が旺盛で、リスナーに対して多面的な表情を見せていきたいという意志が伝わってくる。今年4月、LiSAがYAEVA MUSiCという独自のブランドを立ち上げたのも、より一層自由度の高い作品や活動を展開していくための布石であり、もう一歩先へ進もうとする彼女の決意の表れだろう。


 過去にMステに登場した際は、藍井エイルとの共演や『SAO』の特別映像をバックに歌うなど、趣向を凝らした熱いステージングで視聴者の心を掴んできたLiSA。ライブパフォーマンスにも定評のある彼女は、これまでも『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』や『SUMMER SONIC』といった大型ロックフェスに出演。名だたるロックアーティストと肩を並べ、ロックキッズたちを沸かせてきた。今夏も、2015年から3年連続出演となる『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』を筆頭に、SiMがオーガナイザーを務める『DEAD POP FESTiVAL 2017』、FM802主催の『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-SPECIAL LIVE HIGH! HIGH! HIGH!』といったフェスやイベントへの出演が決定、彼女がロックフェスになくてはならない存在であることを物語っている。


 そんな影響を受けて今回のパフォーマンスに対する期待の声は大きい。しかし、これまでと同様に世間の想像を上回る熱量を持って、大いにお茶の間を盛り上げてくれるはずだ。(文=泉夏音)