マクラーレン・テクノロジーグループのエグゼクティブディレクター、ザック・ブラウンは、今年、チームが昨年のランキング6位を超える成績を挙げるのは難しいと認めた。しかし、パフォーマンス的に6位より上のレベルを到達することを目標にしているという。
2017年、マクラーレンとホンダのパートナーシップは3年目を迎えた。初年度の2015年はコンストラクターズ選手権9位に沈んだが、2016年には76点を獲得してランキング6位に浮上、今季にはさらに向上することが期待されていた。
しかしプレシーズンテストからトラブルが多発、シーズンがスタートしてからも信頼性を確立できず、第5戦を終えた段階で、マクラーレン・ホンダは唯一、ノーポイントで単独の10位最下位という、チーム史上最悪の状況となっている。
「楽な仕事になるとは思っていなかったが、もう少しうまくいくと考えていた。2016年から進歩するだろうと予想していたのだ」とザック・ブラウンはformula1.comのインタビューにおいて語った。
「しかしバルセロナでのレースを終えた時点で進歩していないことは明らかだ。スペインではフェルナンド(・アロンソ)が優れたグリッドポジションを獲得したことで一瞬期待を感じたが、決勝はうまくいかなかった」
「だが今年中には2016年の自分たちのパフォーマンスに追いつき、追い越せると、前向きに考えている」
シーズン中に向上することは間違いないが、序盤につまずいたため、最終結果で昨年を上回るのは難しいとブラウンは認めた。
「ポイントの面で去年よりよくなると言っているわけではない。チームメンバー全員の努力により、去年終盤より、コース上の競争力は高くなるという風に考えたい。しかしながらシーズン初めを去年よりずっと悪い状況で過ごしているため、今季末のポイント合計数において、(昨年のコンストラクターズ選手権)6位を超えることを想像するのは難しい」
何に一番苦労しているかとの質問に対し、ブラウンはトラブルが連発しているパワーユニットを挙げた。
「パワーユニットの状況にはチーム全員がフラストレーションを感じている。それはパートナーも同じで、彼らは非常に懸命に対策にあたっている。努力の面で評価するなら、彼らは皆、『A』の評価を受けるはずだ。だがF1は努力よりも結果が重要だ。だから悔しい状況だ。技術的な問題を解決するには、時間がかかる。サッカーの試合のように、ひとつの試合でうまくいかなくても次の週末にすべてうまく行き始めるというわけにはいかない。F1では時間がかかる」
「素晴らしいチームであり、ドライバーはふたりとも非常に優れている。シャシーもとてもいい。つまり悪い要素より良い要素の方が多い。だが、現状のような困難を抱えていると、進歩が妨げられる。悔しい状況だが、我々にできるのは、ホンダとともに、今の問題を乗り越えるために努力していくことだけだ」
ランキングで最下位だが今の具体的な目標は、と聞かれてブラウンは「最下位だということを何度も思い出させてくれるね!」と冗談を言った後に、次のように答えた。
「2016年よりも良い状態になりたいと考えている。その目標は変わっていない。最終的な合計ポイントの面でそれを成し遂げるのは難しいと思うが、今シーズンを6位チームよりも高い競争力を持った状態で終えることが目標だ。それは変わっていない」