WRC世界ラリー選手権に参戦するセバスチャン・オジエは、5月18日開幕の第6戦ポルトガルでフォード・フィエスタWRCの新車をドライブする。
オジエが所属するMスポーツによれば、オジエに与えられるフィエスタWRCにアップグレードなどはされておらず、チームメイトのオット・タナクやエルフィン・エバンスが走らせるものとまったくの同一スペックになるという。
2016年まで所属していたフォルクスワーゲンのシリーズ撤退に伴い、Mスポーツへ移籍したオジエは、現時点でポイントランキング首位を維持しているものの、第1戦モンテカルロ以降、勝利からは遠のいている。
Mスポーツを率いるマルコム・ウィルソンは、オジエへの新車供給はタイトル争いでの優位性を確保することが目的だと語った。
「セブ(セバスチャン・オジエ)に新車を与えることは、我々が彼をバックアップしていることの証であり、今年のドライバーズタイトルを争う上でアドバンテージになる」とウィルソン。
「マシンに変更は一切加えていない。これまで彼がドライブしてきたフィエスタWRCと同じものだよ。すべてのコンポーネントがフレッシュな状態のマシンを用意したかっただけだ」
■オジエ、第5戦での不調はセットアップが原因。チームは対策に自信
オジエは第5戦アルゼンティーナでタイヤの摩耗に苦しみ、総合4位でフィニッシュ。今季初めて表彰台を逃していた。そのためラリー・ポルトガルに向けて、チームはオジエが苦戦した原因の特定に取り組んできたという。
ウィルソンは「(第5戦アルゼンティーナで)セブは、オット(・タナク)やエルフィン(・エバンス)とは違う仕様のディファレンシャルを使っていた」と第5戦を振り返る。
「事前のテストで、オジエはアルゼンティーナにマッチするセットアップを見つけていた」
「ただ、我々は別スペックのディファレンシャルをふたつしか準備しておらず、彼は両方とも使用したいと望んだ。つまり、ほかのふたりとは異なるセットアップで走ることになったんだ」
「そして、セブはアルゼンチンでタイヤの摩耗に苦しめられた。セブはタイヤに優しい走りをするドライバーだから、何かが間違っていたんだ」
「我々はセットアップに原因があると考えて、ポルトガルに向けて解決策を持ち込んできた」
ラリー・ポルトガルに向けた事前テストで、オジエは新たなセットアップに手応えを感じたといい、ランキングでのリードを拡大できると自信を覗かせている。
「この数カ月、ラリー・ポルトガルに向けてさまざまな開発テストを重ねてきた」とオジエ。
「そのおかげで、自信を持ってラリー・ポルトガルに挑めるよ」
「ただ、今年は例年以上に僅差の争いになっていて、どのチームにも優勝のチャンスがある。初日に道を切り開く先頭走者を務めるから、難しい戦いを強いられるかもしれないけど、僕たちはポルトガルに高い目標を掲げているし、チャンピオンシップでのリード拡大という目的を持って望む」