2017年シーズン、クラッシュや接触が相次いでいるブランパンGTシリーズは、ペナルティ適用条件を厳格化する『ゼロ・トレランス』ポリシーを導入する。
今季のブランパンGTシリーズでは、4月のスプリントカップ初戦で12台以上が絡む大クラッシュが発生。
また5月14日のエンデュランスカップ第2戦では接触やピットレーン出口の赤信号無視などにより12回のドライブスルーペナルティが出された。
そのほか、88号車メルセデスAMG GT3にはフォーメーションラップ中に他車に接触。1分間のストップ・アンド・ゴーペナルティが課されるなど、合計で17回のペナルティが出される事態となっていた。
これを受け、シリーズをプロモーションするSROモータースポーツグループ代表のステファン・ラテルはスプリント/エンデュランスの両カップで接触を減らし、レースディレクターの権限を強化する意向を示した。
「エンデュランスカップ開幕戦モンツァとスプリントカップ開幕戦ミサノで起きた多重クラッシュを受けて、(シリーズを認可する)ロイヤル・オートモービル・クラブ・ベルギーと私は、シリーズがアグレッシブすぎる状態にあると判断した」とラテル。
「GT3カーはツーリングカーではない。ツーリングカーレースのような走りをするには高価すぎる代物だ」
「我々が発信したいメッセージは単純だ。ライバルを押しのけなからオーバーテイクをしたいのであれば、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権やWTCC世界ツーリングカー選手権に行け、ということさ」
新たに導入する『ゼロ・トレランス』ポリシーでは、あらゆる接触がペナルティの対象になる。
「これからは、どんな接触でもペナルティにつながる。ペナルティの重さは、接触がどういった結果を招いたかによるがね」
「もし、接触してコース外に飛び出したクルマが、そのままレースに復帰できれば、ぶつけたクルマはドライブスルーペナルティになる。しかし、そのままウォールにヒットしてリタイアすることになれば、ストップ・アンド・ゴーペナルティが課されるだろう」
「ペナルティを厳格にしてレースディレクターの権威を取り戻す必要がある」
また、ラテルはアクシデントが頻発することは、参戦台数減少を呼び起こしかねないと危惧しているようだ。
「この状態が続けば、アマチュアや予算の少ないチームは、シーズン終了前に資金が底をついてしまう」
ラテルはフォーメーションラップ中の時速90km制限を遵守させるべく、参戦各車にGPSを搭載する計画を検討中だと明かした。