スペインGPで優勝したルイス・ハミルトンは、F1タイトル争いのライバル、セバスチャン・ベッテルがバルセロナで敗れたことで腹を立てていたが、気持ちはよく理解できると語った。
スタートでベッテルがポールシッターのハミルトンの前に出てトップに立った後、ふたりはレース終盤まで優勝争いを展開した。ピットアウトしたベッテルの背後にハミルトンが迫り、ターン1で軽く接触した場面もあった。
レースをリードするベッテルは、第2スティントでソフトタイヤを履いたが、ハミルトンはミディアムを選んだ。さらにハミルトンは、バーチャル・セーフティカー・ピリオドの最後にタイヤ交換を行い、ベッテルとのギャップを大幅に縮めた。
最終スティントでソフトに戻したハミルトンが、ミディアムを履いたベッテルのフェラーリをオーバーテイク、ベッテルはついていくことができず、ハミルトンが勝利を収めた。
「彼が腹を立てているのが分かった。実際彼自身がそう言っていた」と決勝終了直後のベッテルについてハミルトンは言った。
「彼は素晴らしいレースをしたからね。気持ちは分かる」
「(ドライバーとしては)2位フィニッシュに満足できるはずがない。もし彼がそれで満足なら僕は心配するだろう。僕たちが存在する理由は2位じゃないからね」
スペインGP後、ドライバーズ選手権では依然としてベッテルが首位だが、2位ハミルトンに対するリードは6点に縮まった。このまま激しいタイトル争いが続き、コース上でホイール・トゥ・ホイールのバトルが頻繁に行われることになれば、ふたりの友好的な関係に変化が出てくると思うかと聞かれ、ハミルトンは「分からない。答えるのは難しいな」と答えた。
「僕たちはかなりの接戦をしたばかりだ。もしそれが違った方向にいっていたら明らかに違ってきただろうね」
「僕たちはレースがどう動くかを理解している。もし彼がターン1で接触してきて僕がレースをリタイアし、彼はフィニッシュできていたら、『素晴らしい仕事だったね、セバスチャン!』とは言えなかっただろうね」
「あれはアグレッシブな動きだったけど、ラッキーなことに僕は衝突を避けて、レースに残ることができた」
「これから厳しい戦いになるだろう。挑戦は大好きだよ」
「彼は敬意を持ってくれるし、レース終盤もそれは変わらなかった」
過去3年間はチームメイトのニコ・ロズベルグとタイトルを争ったハミルトンは、ライバルチームのドライバーと戦い、チームメイトのバルテリ・ボッタスと良い関係を保っている今年は、自身にとってキャリアベストレベルの選手権争いになっていると言う。
「今、僕がチャンピオンの大本命ではないとしても、本命のひとりであることは間違いない」とハミルトン。
「去年よりはずっといいポジションにいるから、いまのところ2017年はすごく良い年だと思う」
「戦えるというのは素晴らしいことだし、相手が別のチームなら、より一層面白いし楽しめる。自分たちのチームのなかで緊張が生まれないからだ」
「前回のレースでバルテリが勝った時、『くそ、彼が勝つなんて!』と思う気持ちはこれっぽっちもなかったよ」