本当に働きやすい会社はどこなのか――。キャリコネニュースでは、約88万人が登録する国内有数の転職口コミサイト「キャリコネ」のデータから、「働きやすい会社ランキング 2017」を作成した。
対象は、2016年4月1日~2017年3月31日の期間に評価が20件以上寄せられた353社。ユーザーは、次の6つの選択項目をそれぞれ5点満点で評価している。
「労働時間の満足度」
「仕事のやりがいを感じるか」
「ストレス度の低さ」
「休日の満足度」
「給与の満足度」
「企業のホワイト度(ブラック企業でないか)」
これら全項目の平均点が、その企業の働きやすさの指標となる。(※31位~50位のランキングは末尾に掲載)
グーグルが2年連続の首位 仕事のやりがい、高い給与、自由な社風が魅力
2017年の「働きやすい会社」ランキングでは、昨年に続きグーグルが1位を獲得した。いずれの項目も点数が高く、全項目の平均点は4.26だった。全353社の中で唯一4点を突破している。「この会社でしか出来ない特殊なことが経験できた」(技術関連職 20代前半 男性)と仕事のやりがいが高評価に結びついている。加えて、給与も高い。
「ネット上にある日本企業の年収ランキングのトップにいるキーエンスや日本M&Aセンター、GCAサヴァインなどと同等かそれ以上の年収がもらえます」(システムエンジニア 30代前半 男性)
自由な社風も魅力だ。
「服装はとても自由でした。ジーパンの他にもブーツもOKビーチサンダルのひともいました」(調査・分析 30代後半 女性)
「社内には遊べる場所がいくつか用意されておりボルダリングや電車でゴー、そしてダーツなどがあって気晴らしができるのが良かった」(マーケティング関連職 20代後半 女性)
2位は、平均点3.78のNTTドコモだった。給与の高さときちんとした労働時間管理が魅力だ。職場の雰囲気もいいという。
「会社主催のイベント以外にも、マラソン大会への出場、研修旅行参加への配慮、産休に入る社員への激励会、スポーツ大会に出場する社員への壮行会、主査主催によるランチ交流会など、縦横の関係を問わず、交流やイベント盛んで、協力しあいコミュニケーションを取り合う配慮がされていた」(代理店営業 30代前半 女性)
育児休暇や短時間勤務制度も整っており、「出産、産後復帰を繰り返されている方も結構いました」(総務 30代後半 女性)という。
3位は本田技研工業で、平均点は3.73。特に休日の満足度が4.13と高かった。
「同業他社と比べても給与は良かったと言える。また、有給休暇も取得しやすく、筆者のように家庭を持った社員にとってはワークバランスを維持しやすい企業であった」(代理店営業 10代後半 男性)
やはりランキング上位の会社は、押しなべて給与が高く、残業も多くないようだ。女性も働きやすい。
「ここ最近は女性のリーダーを育てるのに力を入れています。有給もほぼ希望通り取れますし、産休もとれます」(CADオペレーター 20代前半 女性)
4位には東日本電信電話が入った。NTT東日本といえばピンとくる人も多いだろう。平均点は3.72。労働組合が強く、残業が制限されているという書き込みが複数あった。そのため、労働時間の満足度(4.18)と休日の満足度(4.26)がとても高い。
「組合が比較的機能している会社であるため分単位で残業代は出る。有給休暇の消化も存分にできる」(カウンターセールス 30代後半 男性)
「同期や家族同士の付き合い、組合のイベント等出会いの場や遊びに困ることはない」(カウンターセールス 30代後半 男性)と社員同士も仲が良いようだ。
5位には、武田薬品工業で、平均点は3.71。昨年は92位だったが、全項目で点数が上昇し大幅に順位を上げた。「30代で800-1000万円はもらえる」(研究開発 30代後半 男性)ため、給与の満足度が4.33と特に高い。福利厚生も充実しているようだ。
「住宅手当が転勤者のばあい、非常によい。また、各種施設の優待などがあり、使用しやすい」(技術関連職 50代前半 男性)
また企業が社員の子ども向けに保育園を運営しており、子育てしやすい環境が整えられている。
三菱商事は昨年よりも順位が低下 しかし商社の仕事には大きなやりがい
次いで富士ゼロックス(6位)は、高い給与と風通しの良い社風が点数を引き上げている。休日の満足度も4.14と高い。平均点は3.70。
「メーカーではトップレベルの報酬額で基本的な満足度は高い。マネジャーは当然1000万円を超えるし、マネジャーの手前でも残業が多ければ超える」(その他 40代後半 男性)
「社内の発言等に制約がなく、上司に対しても比較的なんでも言える社風。人材の育成にも熱心で紳士的で個々を尊重する」(その他 40代後半 男性)
育児休暇も取得することができ、「男性社員でも育休を取得する人がたくさんいる」(電気・電子回路設計 20代後半 女性)という。
小松製作所は7位にランクインした。平均点は3.64だった。「新人でも早い段階からいろいろな仕事にチャレンジ出来る」(その他 30代後半 男性)ほか、社員同士の交流も盛んだ。
「福利厚生には、ボランティア休暇や、労働組合を通じたコンペなど、社外でも職員と交流が深く取れるようたくさんの機会があります。年に数回ある組合旅行では社員のご家族の方とも、交流が図れるうえ、転職社員についても、勤務先にて孤立感でないようとの、配慮されております」(海外営業 20代前半 男性)
三菱商事は、昨年の4位よりも順位が下がり、8位だった。平均点は3.59。スケールの大きな仕事にやりがいを感じる人が多く、仕事のやりがいは3.85だった。
「商社マンのように一度に数億と言った莫大なお金を動かせる仕事は、そう多くはありません。自分の手で仕事を動かし、事業を進めている感覚は非常に面白いです」(経営コンサルタント 20代前半 男性)
システムインテグレーターのSCSKは、昨年の70位から大幅に順位上げ、9位にランクインした。平均点は3.58。
「全社的に残業削減、有休取得率向上のために努力しているため、忙しいプロジェクトに入らなければ基本的には残業も少なく、有休も取りやすい」(プロジェクトリーダー 30代前半 女性)
三菱重工業も同点9位。給与、労働時間、福利厚生のいずれも優れている。
「大きな会社だけに福利厚生はしっかりしている」(プラント施工管理 20代後半 男性)
「サービス残業は一切なく、残業代は全て支給される。給与水準は高め」(研究開発 30代後半 男性)
NTTコミュニケーションズも同点9位だった。海外出張も増えており、「このような出張を経験すると、グローバルでの仕事の難しさを感じると共に、やりがいを感じる」(法人営業 40代前半 男性)という。休日の満足度は4.22点とかなり高かった。
トヨタ自動車やソニー、リコーといった製造業がトップ20にランクイン
12位は、トヨタ自動車(平均点3.55)。大企業ならではの充実した福利厚生が魅力だ。
「社員食堂があるのは便利。また、比較的安価で利用できる。部署にもよるのかもしれないが、無償でコーヒー、お茶の自販機がある。さすがに福利厚生については色々と恵まれており、長期休暇などで利用する施設などはありがたい」(人事 20代前半 男性)
オリエンタルランドも同点で12位だった。人気テーマパークを運営しているだけあり、仕事のやりがいで4.19点を獲得した。研修がしっかりしているという声も複数あった。
「研修制度が充実しており、語学を習得するプログラムなど、役立つものがある」(コンサルタント 20代前半 男性)
ソニー(14位)は職場環境を評価されているようだ。
「集中して仕事ができる環境なので、自分のペースで作業ができるのが一番良かった」(プロジェクトリーダー 30代後半 男性)
また「社内に診療所があった為風邪をひいたとしても就業時間中に診察を受けることができその場で薬を出してもらうことができ(る)」(システムコンサルタント 40代後半 女性)のも魅力だ。
リクルートスタッフィング(同点14位)は、女性も働きやすい職場のようだ。昨年の99位から大幅に順位を上げた。
「男女関係なく、フラットに能力で評価をされるので女性も出世が期待できます。また、派遣に登録している方々が女性が多いこともあって、男性営業よりも女性営業の方が、そういった方々と上手くコミュニケーションがとれると思うので有利だと思います」(法人営業 20代前半 女性)
自動車部品メーカーのデンソーは、16位だった。給与の満足度が4.08点と高いほか、風通しの良い社風を評価する声があった。
「ボトムアップの会社のため自分が提案した仕事が採用されやすい。やる気があれば自分主導で仕事を進めていくことができる」(研究開発 20代後半 男性)
同じく16位だったのがNECとして知られる日本電気。「技術力は間違いなく高いものを持ち、いくつかは世界の最先端を行っている」(電気・電子回路設計 30代後半 男性)と技術力を評価する声があった。
東京海上日動火災保険(同点16位)では、仕事にやりがいがある、という口コミが寄せられた。
「災害時の応援などすると、損保の社会的意義を感じられる。またお客様に感謝される」(商品企画 30代前半 男性)
プリンター製造などで知られるリコーは19位だった。「ワークライフバランスに重点を置いている会社で、20時を過ぎれば社員のほとんどが退社している環境」(マーケティング 30代前半 男性)だという。休日の満足度が、4.24点だった。
20位には、米国の大手製薬会社の日本支社である、日本イーライリリーがランクインした。「開業医から基幹病院まで幅広く担当するので短期間でMRのイロハを体得する事ができる」(MR 20代後半 男性)ことが魅力だ。
上位20社中、9社は製造業だった。次いで多いのは情報通信業で5社がランクインした。
東京都庁が官公庁で唯一トップ30入り
続いて21位以下だ。キヤノン(21位)では、仕事のやりがいや良好な人間関係が働きやすさにつながっているようだ。
「仕事のやりがいに関しては、比較的年数が少ない社員でも大きな仕事を任されることがあります。終わった後の同期との飲み会は最高です」(代理店営業 30代後半 男性)
同点21位の川崎重工業は、「優しい会社です。従業員を大切にします。大概のことではクビにはなりません。もちろん処遇は反映されますが、面倒見のいい会社です」(経理 40代前半 男性)と社風を評価する声があった。
スターバックスコーヒージャパン(23位)については、「店舗だけでなく、地区・エリアでの取り組みもあり、自信を持ち成長できるのがよい」(店長 30代前半 女性)という声があった。やりがいの満足度も4.17点と高い。
24位のパナソニックは、昨年の68位から順位を大幅に上げた。仕事とのやりがいは、「お客の顔が見えやすいこと」だという。
「世界中どこにいっても特約店とともにお客をまわることになるので、飽きることがりませんし、勉強にもなります」(海外営業 20代後半 女性)
ネット上で今なお大きな影響力のあるヤフーは25位。「サービスや広告の規模が大きく、関わった仕事に関する反響を感じることができる」(マーケティング関連職 20代後半 女性)ため、やりがいを感じることができる。
東京都庁は同点25位だった。官公庁では唯一、ランキング対象となっていた。勤務時間は部署にもよって違いがあるが「今いる部署は、残業がほとんどない。休日出勤はしたことがない」(経理 20代後半 女性)という人もいた。
「尊敬できる先輩がおおいので働きやすい」というのが、27位のリクルートホールディングス。
「動機付けしてくれるような会社の仕組みがあるので、自分の努力次第で成長できる会社です」(代理店営業 30代前半 男性)
みずほフィナンシャルグループ(同点27位)は、日本企業には珍しく「残業が少ない方が効率が良いと評価される」という。
「仕事の繁閑期や業務量問わず毎日遅くとも9時には帰らなければならないため、いかに効率良く仕事を進めていくかが重要となる。仕事がないのにも関わらずだらだらと残ることはない」(コンサルティング営業 20代後半 男性)
29位のNTTデータも、「残業や休日出勤の時間は非常によく管理されている」(システムエンジニア 20代前半 男性)ため、勤務時間はそれほど長くなさそうだ。
遊技場向けのプリペイドICカードなどを取り扱っているゲームカード・ジョイコホールディングスが30位に滑り込んだ。「オリジナリティあふれる商品で、世界中を笑顔でいっぱいにしたいという思いのもと、ほぼ全社員が生き生きと働いています。有名な商品が多数ありますが、これらが有名になったのは社員の努力の賜です」(商品企画 30代後半 男性)