レッドブルF1のダニエル・リカルドは、F1スペインGPにおいて首位から約75秒遅れでチェッカーを受けたが、そのペースはチームの本当の実力を反映していないと考えている。
レッドブルは2017年シーズン序盤は低調で、上位のフェラーリ、メルセデスと並ぶ走りができなかったが、バルセロナにはアップデートしたRB13が持ち込まれ、マックス・フェルスタッペンは、予選を今シーズン最もポールポジションに近いコンマ6秒差まで接近することができた。
しかし、決勝ではフェルスタッペンがターン1で早々にリタイアとなり、チームメイトのリカルドは、前を走るバルテリ・ボッタスのリタイアもあって単独走行となり、優勝したルイス・ハミルトンからは1分15秒820遅れの3位表彰台を獲得した。
この大きなタイム差からレッドブルがあまり進歩しなかったようにも見えるが、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、例えばエンジンのセッティングなどの要素について、そのタイム差ほど悪くない成果があったと語っている。
レッドブルが上位から離されている点について聞かれたホーナーは「週末全体として見れば、我々はいくつかの課題を処理し、マシンについても確実に一定の改善を遂げた」と話した。
「マックスの決勝は出だしが不運だったと思う。彼はアウト側でスタートしたが、バルテリがキミ(ライコネン)にヒットし、キミがマックスに接触するという連鎖に巻き込まれてしまった」
「あのコーナーを3番手で抜け出すチャンスも無くはなかったが、残念ながら3台が絡み合ってしまい、果たせなかった」
「その後のダニエルは、前方にいたボッタスのリタイアもあってかなり孤独なレースとなった。中盤以降は、多くのレースでやることだが、エンジン寿命を延ばすために出力を下げたんだ」
「それを抜きにしても前を走るマシンとはかなりペースが開いているので、やるべきことはまだ多い」
「だが、ある程度の進展が得られたと感じている。今後の開発方向について明確な示唆が得られたし、今後のレースではそれを糧としてさらに進んでいきたい」
リカルドは、スペインGPの週末を通してチームメイトのフェルスタッペンほど安定して走ることができず、予選もフェルスタッペンより0.469秒遅い結果に終わった。
一方でホーナーは、特に最終セクターで苦戦していたリカルドの状況を見て、今後タイヤを改善するためにかなり時間をかけるべきだとし、さらにこう語った。
「レース中に(上位との)タイム差が開いて見えた」
「この週末、ダニエルはマックスほどにはマシンに満足していないように見えた。だが私は、マックスがあと20秒速かっただろうと言っているわけではない」
「まだ課題はあると思っている。これだけ大きなギャップがあるのは、タイヤの使い方について明らかに改善の余地がある、ということだ」
「特にこのバルセロナでは、タイヤについて独特な作業が必要だった」
「タイヤは確実に我々のパフォーマンスを下げた領域だ。それでも、我々は前半より後半の方が比較的競争力を持った戦いができたと思う」