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TOYOTA GAZOO Racing 2017年NASCAR第11戦カンザス レースレポート

2017年05月16日 13:32  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

今季2勝目を挙げたマーティン・トゥルーエクス・Jr.
2017年5月16日
プレスリリース

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第11戦カンザス
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季2勝目!
トラックはカイル・ブッシュが制しトヨタがカンザス戦両制覇

 カップ・シリーズは今季シリーズ戦初となるナイトレースがカンザスで行われ、レースを通して速さを見せたマーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季2勝目を挙げた。金曜日に1ヶ月半ぶりに行われたトラック・シリーズでは、カイル・ブッシュが今季初勝利を飾った。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第11戦 Go Bowling 400
開催日:5月13日
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が今季2勝目!
 5月13日(土)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第11戦「Go Bowling 400」が開催された。

 カンザスは2001年開設と比較的新しい、NASCARでは標準とも言える長さの1.5マイル(約2.4km)オーバル。

 年2回開催で、シーズン終盤には“プレーオフ”の一戦も行われているという意味でも重要なコース。今大会は、シリーズ戦では今季初となる土曜のナイトレースとして行われた。

 トヨタ勢はカンザスで過去3勝。デニー・ハムリン、マット・ケンゼス、カイル・ブッシュが勝利を挙げている。

 13日(土)好天の下、まだ明るさの残る午後6時53分に1.5マイルオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。

 ステージ1は、3番手スタートのトゥルーエクス・Jr.が9周目に首位を奪うと、5番手スタートからポジションを上げてきたカイル・ブッシュがこれに続き、“トヨタ・カムリ”のワン・ツー体制に。

 その後、3度発生したイエローコーションで順位は入れ替わったが、63周目の再スタートでカイル・ブッシュが得意のダッシュを決め、ステージ1を制覇。

 カイル・ブッシュにとっては、開幕戦デイトナのステージ1以来となる、今季2度目のステージ制覇でボーナスポイントと“プレーオフ・ポイント”を獲得した。トゥルーエクス・Jr.が2位、ハムリンが8位に入った。

 ステージ2もステージ間のピット作業によりトップで再スタートを切ったトゥルーエクス・Jr.をカイル・ブッシュが追う展開に。

 一方、32番手スタートから9位まで順位を上げていたエリック・ジョーンズが96周目にスピン。どこにもぶつからなかったが、大きく順位を落としてしまった。

 このスピンにより出されたイエローコーションからの再スタートは、ふたたびカイル・ブッシュが決め首位復帰。40周近くにわたって首位を快走した。

 しかし、ステージ後半に出されたイエローコーション時のピット作業で順位が入れ替わり、ステージ2はトゥルーエクス・Jr.が3位、カイル・ブッシュは5位、ハムリン6位、ケンゼス8位、そしてスピンから見事ポジションを取り戻したエリック・ジョーンズが9位に入った。

 日も完全に落ち、カクテルライトにコースが照らされるなかで開始されたステージ3も、20周ほどでトゥルーエクス・Jr.が首位へ。ハイペースで後続を引き離していった。

 190周目には3台が絡み、炎も上がった激しい多重クラッシュが発生。30分ほどの赤旗中断となった。

 レースが再開され、終盤に入ると、トゥルーエクス・Jr.とカイル・ブッシュ、ハムリンらが首位を追う展開に。この日圧倒的な速さを見せたトゥルーエクス・Jr.は残り19周で切られた再スタートを決め、首位を奪還。

 カイル・ブッシュとともにトップ5圏内を争っていたハムリンは、残り5周というところで他車のクラッシュに巻き込まれ、惜しくも順位を落としてしまった。

 トゥルーエクス・Jr.は残り2周での再スタートも決め、最後は2位に1.1秒もの大差をつけてトップチェッカー。今大会最多の104周にわたってレースをリードしたトゥルーエクス・Jr.が、第3戦ラスベガスに続き、今季2勝目を挙げた。

 既に8名のウィナーが出るなど混戦となっている今季、3人目の複数勝利ドライバーとなった。

 カイル・ブッシュは5位でチェッカーを受け、今季4度目のトップ5フィニッシュ。ルーキーのダニエル・スアレツが7位に入り、今季3度目のトップ10フィニッシュを果たした。

 来週は20日(土)にオールスターレースが米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われ、次戦第12戦は5月28日(日)、シャーロットでの開催となる。

ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr.
 最高の1日、最高の週末だ。今日の我々の“トヨタ・カムリ”は本当に速かった。

 もし再スタートで首位に立てなくても、20周もあればライバルをかわして首位に立つことができた。

 首位に立ってしまえば空力などの面で大きなアドバンテージが得られるので、それだけに再スタートはとても重要だと分かっていたし、幸運にも終盤の再スタートは上手く行った。チームも本当によくやってくれた。



NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第4戦 Toyota Tundra 250
開催日:5月12日
カイル・ブッシュが全ステージ制覇で今季初勝利
20歳ベン・ローズが首位走行も終盤痛恨のエンジンブロー

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第4戦「Toyota Tundra 250」が5月12日(金)にカンザス・スピードウェイで開催された。
 トラック・シリーズ戦は前戦第3戦からおよそ一ヶ月半ぶりの開催。ここカンザスでは2013年以来トヨタ勢が4連勝中。

 12日(金)決勝前に行われた予選では、今季第2戦で勝利を挙げているシリーズフル参戦2年目、22歳のクリストファー・ベルが第2戦に続き今季2度目となるポールポジションを獲得。

 2度のシリーズチャンピオン経験者であり、ここカンザスで過去2勝を挙げているベテラン、マット・クラフトンが2番手。

 ノア・グラッグソンが4番手、カップ・シリーズを戦っているマーティン・トゥルーエクス・Jr.の実弟であるライアン・トゥルーエクスが5番手、ブレット・モフィットが7番手、ベン・ローズが8番手、ティモシー・ピーターズ9番手、2014年にカンザスのトラック戦でで勝利を挙げているカイル・ブッシュが10番手で続き、トップ10グリッドのうち8台を“トヨタ・タンドラ”が占めて決勝へ臨んだ。

 予選の後、好天の空にはまだ明るさが残るものの、カクテルライトがコースを照らし始めた午後7時49分、1.5マイルオーバルを40周、40周、87周の3ステージ合計167周(250.5マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。

 ステージ1は数周毎にクラッシュによるイエローコーションが多発する荒れた展開となったが、そんななかで得意の再スタートを決め10番手から順位を上げていったカイル・ブッシュが23周目に首位に立つと、その後はチームメイトのベルと首位争いを展開。

 これを制してステージ1をトップフィニッシュ。ベルが2位、クラフトン5位、ライアン・トゥルーエクス6位、ローズ7位、グラント・エンフィンジャー9位、モフィット10位と、“トヨタ・タンドラ”勢が上位を占めた。

 ステージ2は一転、コーションの少ない展開となったが、ステージ間のピット戦略で7番手からスタートを切ったカイル・ブッシュがふたたびポジションを上げ、ベルとの首位争いを展開。

 70周目に首位を奪うと、ステージ1に続き連続ステージウィンを飾った。ベルは連続2位。ローズが速さを見せ、3位へとポジションを上げた。

 ステージ3もカイル・ブッシュとベル、ローズの3台が序盤首位を争ったが、ローズが速さを見せて抜けだし首位に浮上。カイル・ブッシュがこれを追う展開となった。

 ステージ3も折り返しを過ぎ、終盤に入った134周目、4位を争っていたクラフトンが単独スピン。どこにもぶつからなかったものの、ピットインを強いられ、周回遅れとなってしまった。

 レースは残り29周で再スタート。再スタート直後はカイル・ブッシュが先行したものの、数周にわたるサイド・バイ・サイドのバトルの末に、ローズが首位を奪還。

 残り10周の時点で、2位カイル・ブッシュに1秒以上の大差をつけ、シリーズフル参戦2年目の20歳が、自身のキャリア初優勝へ向け快走を続けた。

 しかし、残り8周というところで、ローズは突然スローダウン。コース上に落ちていた破片がフロントグリルに当たって破損。エンジンブローという無念のアクシデントにより、ローズはここでレースを終えることとなってしまった。

 その後は首位に立ったカイル・ブッシュが危なげなくトップフィニッシュ。今季トラック・シリーズでの初勝利、自身シリーズ通算47勝目を挙げた。

 チェッカー後、カイル・ブッシュはローズに敬意を表し、恒例となっているホームストレートでのバーンナウトを行わずにヴィクトリーレーンへと向かった。

 ベルは4位。ランキングでは2位で変わらないものの、ステージでのボーナスポイントを加え、ランキング首位との差を2ポイントへと詰めた。ライアン・トゥルーエクスが6位、モフィットが7位でトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第5戦は6月2日(金)に米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ
 我々にとって最高の勝利となったが、ベン・ローズのアクシデントは残念だった。トラブルが無ければ彼が勝っていただろう。

 何とかして彼を捕らえようとしたが、なかなか上手く行かなかった。彼の“トヨタ・タンドラ”の車体も我々のチームで作ったものだし、彼は今日、レースを通してずっと最速の一人だった。

 彼とのバトルはクリーンで楽しかったし、見事な走りだった。彼のような若手ドライバーがチャンスをつかみ、速くなっていくのを見るのは素晴らしい。