ザウバーF1チームは、スペインGPでバーチャルセーフティカー発動中にウェーレインをピットインさせたが、そのための指示が遅かったせいでペナルティを受けることになったと説明している。
バルセロナでのレースで、ウェーレインはソフトタイヤを履いて15番グリッドからスタートし、どのドライバーも採用しなかったワンストップ作戦で見事な走りをしてみせた。
ストフェル・バンドーンとフェリペ・マッサの接触によりバーチャルセーフティカーが導入された際、彼は33周目の終盤に差しかかっており、7番手まで順位を上げていた。しかし、ザウバーからピットインの指示を受けた時点で、ウェーレインはすでに最終シケインを走っていたためにボラードを無視してピットロードに侵入し、5秒のペナルティを科されている。
ペナルティにより、ウェーレインはカルロス・サインツJr.に7位を譲ることになってしまったが、最後の勢いのある走りで自身のキャリア最高位となる8位でフィニッシュ。ザウバーにとって2017年シーズン初のポイント獲得をもたらした。チーム代表のモニシャ・カルテンボーンは、彼のドライビングについて次のように語っている。
「すばらしい走りでした。ピットインの指示が遅すぎたことで彼がペナルティを受けたことは残念ですが、さして重要ではありません。ほんの少しの時間しかなく、指示が少し遅れたのですが、反応してくれました」
「起こり得たかもしれない他の可能性を考えて、嘆くべきではありません。私たちはこの結果に満足しています」
ピットイン指示の遅れについて、ザウバーのヘッド・オブ・トラックサイドエンジニアリングのセビ・プヒョラーは、以下のように説明した。
「パスカルがペナルティを受けてしまったのは残念だったが、あのタイミングでピットインさせようと考えていた。バーチャルセーフティカーとピットインのタイミングで混乱が生じてしまったんだ。バーチャルセーフティカーが出動したとき、彼はシケインの入り口にいたから、遅すぎた。それで彼は(ピット入り口のボラードを)見逃してしまったんだ」
ウェーレインはチームの戦略が功を奏するように、速やかにピットインすることが必要だったと言う。
「指示を受けた時点ではすでに最終コーナーにいたけれど、これほど遅くに指示を出すということは、ピットに戻ることが重要なのだと思った」
「ボラードを無視してしまったが、その周回でピットインしなければ後続車にオーバーテイクされていたと思う。あれは僕がポイントを獲得するための、最後のチャンスだった。何かしら(のペナルティが)あるだろうことは、わかっていた」
ウェーレインのパフォーマンスは、背中の怪我によってオーストラリアと中国の2戦を欠場した決断に疑問を呈した人々への答えになると、カルテンボーンは話す。
「ウェーレインは、明らかに専門家ですらない人々からの多くの不公平な批判にさられていたので、今日の結果は素晴らしいものでした。彼が自信を得るためには重要なことです。彼は才能あるドライバーであり、だからこそ私たちは契約をしたのです」
「こうした結果によって彼は成長していくでしょう。このパフォーマンスが、批判に対する彼の答えです。彼らが次に何を批判してくるのか、私にはわかりませんね」