酒はコミュニケーションを円滑にするのに役立つが、飲みたくない人に飲酒を強要する「アルハラ(アルコールハラスメント)」は問題だ。
発言小町には今年4月末、「ビールが苦手な旦那に良かれと思って飲ませようとする上司」という相談が寄せられた。トピ主の夫(20)は公務員として働いているが、職場の飲み会で、上司が参加者のグラスに順番にビールを注ぎに来る慣習がある。
夫は酒に弱い体質ではないためビールをたくさん飲むが、もともとビールが苦手で吐きそうになるらしい。トピ主は夫からそうした様子を聞く度に複雑な気持ちになり、トピックを立てた。
ビールをつぐのは「旦那のため」というが「正直私には迷惑です」
本人が嫌がっているのに、ビールを無理やり飲ませようとするとは、なんとも迷惑な上司だ。トピ主の夫は断れない性格のようで、それをいいことに上司からどんどん注がれてしまう。トピ主は、夫が飲酒も喫煙もしないに越したことはない、という考えを持っているだけに、心配する様子が見てとれる。
上司がビールを嫌がる夫に執拗に飲ませようとするのは、「飲ませればいつか美味しくなるだろう」という気持ちからだという。上司からすれば部下への愛情のつもりだろうが、つがれる方にとっては迷惑極まりない。トピ主は、
「つまり旦那のためだそうです。正直私には迷惑です。将来ビール大好きになって飲みたい!でも体に悪いから我慢……って、可哀想じゃないですか。それなら最初から飲めない方が良いと思うのですが……」
と嘆いている。
トピック内では、「アルハラ体質の組織はやめた方がいい」「職場の飲み会での強要はアルハラです」など、上司の行動を非難する声が挙がる。日本法規情報が昨年発表したリリースでは、「アルハラを強要されたことがある」(25%)、「アルハラの強要を見たことがある」(25%)と、半数がアルハラをされたり、見たりした経験があることが示されている。
「カラオケで歌いたい人が歌いたくない人にもやたら勧めるのと同じ」
一方で、「もう結構ですと言えばいいだけのこと」「ビール嫌いなんですよ、って言って断れば良いでしょ?」など、問題は上司ではなく断れない夫にある、という指摘が目立った。
「夫の保護者として、上司にクレームでもつけますか?二十歳とはいえ既婚の社会人男性なら、自力で解決すべき問題」
本当にビールが嫌で、上司から注がれたくないのであれば、はっきりとそう伝えるなど、対策を取ることが必要だ。しかし夫は何のアクションも起こしておらず、上司の言いなりになっている状態だ。そのため、「旦那さんは単に愚痴を言って、自分を変える気がないなら変わらないでしょうね」という辛口コメントもあった。
トピ主も夫も、上司が言う「飲んでいるうちにビールが好きになる」という言葉を信じているようだが、「何をのんきな」という批判も挙がっていた。
「自分だけ飲むのは気が引けるんで人にも飲まそうとしてるだけですよ。カラオケで歌いたい人が歌いたくない人にもやたら勧めるのと同じです」
様々な意見を見てトピ主は、「とても参考になりました!お酒の断り方とかここで教えていただいたことを旦那に話してみたいと思います」とコメントしていた。
自分の身を守れるのは自分だけだ。酒を強要する人は論外だが、飲まされる方も「飲みたくありません」ときっぱりと言う勇気は必要だ。