TOYOTA GAZOO RacingからWEC世界耐久選手権に参戦しているアンソニー・デビッドソンは、第2戦スパ・フランコルシャンで2台のトヨタTS050ハイブリッド間でペース差が大きかったと指摘。チームに原因を特定するよう求めている。
5月6日に決勝レースが行われたWEC第2戦スパで、デビッドソンとセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴がドライブする8号車トヨタは、2度のフルコースイエローからアドバンテージを得て、僚友7号車トヨタからリードを奪い、開幕2連勝を飾った。
レース後、ブエミは優勝に値する走りをしていたのは7号車トヨタのマイク・コンウェイと小林可夢偉だったとコメント。デビッドソンも2度のフルコースイエローが8号車トヨタに1分程度のアドバンテージをもたらしたとしている。
また、デビッドソンは同じハイダウンフォース仕様のパッケージで挑んだ7号車トヨタと8号車トヨタに、速さの面で大きな差があったことに当惑していると明かした。
デビッドソンは「初めから、僕たちの間にはコンマ6~7秒の差があった」とコメントしている。
「彼らのマシン(7号車トヨタ)は明らかに速かった。あの週末、その傾向は変わらなかったよ」
「セブ(セバスチャン・ブエミ)は前を走る7号車トヨタを見て、よりパワーが出ていると感じたと言っていた」
「もし僕たちが7号車トヨタをドライブしたら、(コンウェイ/可夢偉と)同じタイムが出ただろう。耐久テストではいつも9人のドライバーが同じマシンを使うが、全員のタイム差はコンマ2~3秒内に収まるものなんだ」
「予選では必死に彼らのセットアップを真似てみたけど、それでもコンマ6~7秒の差があった」
「フリー走行で、僕はマイク(・コンウェイ)に対し、ターン1からオー・ルージュまでの区間でコンマ4~5秒も遅れていた。全開で走っていたにもかかわらずだよ!」
「ここまで差が生まれる理由がまったく分からない。2016年、ポルシェの1号車と2号車のペースに大きな違いがあったことはあるけど、僕たちには今までなかったことなんだ」
■チームディレクター「原因特定はル・マン前にやるべき重要タスクのひとつ」
TOYOTA GAZOO Racingのチームディレクターであるロブ・ルーペンも、7号車と8号車のラップタイムの違いは説明できないとし、6月のル・マン24時間耐久レースまでに原因を特定する必要があると述べた。
「我々は必ずこの件を分析しなければならない。次のテストとル・マンに挑む前にやっておくべき重要タスクのひとつだ」とルーペン。
「ここまで大きな違いが出るとは驚きだ。フリー走行や予選の段階ですでに差が見えていた。どうしたら改善できるか、しっかり調査しなければならない」
「運にも恵まれ、最終的にはワン・ツーフィニッシュを飾ることができた。しかし、我々はペースに差が生まれた原因の根源を特定する必要がある」
チームは、ル・マン24時間を見据えた最後の耐久テストを今月下旬にスパで実施する予定だ。