トップへ

EIcars BENTLEY TTO スーパーGT第2戦富士 レースレポート

2017年05月15日 12:43  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2017スーパーGT第2戦富士 EIcars BENTLEY GT3
2017年5月15日
プレスリリース

戦連続で完走果たし、新たな可能性を見出すことに!

 EIcars BENTLEY TTO(アイカーズ・ベントレー・ティティオー)が、今シーズンから新たに挑むスーパーGTシリーズの第2戦が、富士スピードウェイで5月3~4日に開催された。

 挑むのはGT300で、マシンはスーパーGT初参戦のベントレーコンチネンタルGT3。ドライバーとして起用されたのは、ともに経験豊富な井出有治選手と阪口良平選手だ。

 デビュー戦ということもあって、大いに注目されていた『EIcars BENTLEY GT3』ながら、岡山国際サーキットで行われた開幕戦では、ベントレー社から提供される推奨セットがマッチせず、実際には苦戦を強いられていた。

 というのも、すでに実績を残している海外レースの大半はタイヤがワンメイクかつ、より長時間を走る耐久レースとあって、コンペティションレベルがスーパーGTとは大きく異なっていたからだ。

 改造が許されるなら大半は簡単に解決されることであっても、ご存知のとおりFIA-GT3では不可能である。それでも、できる範囲でのトライ&エラーを重ねることで一歩ずつ前進を果たし、予選23番手から決勝ではしっかり20位完走を果たすこととなった。

 その前進を高速コースの富士で、どれだけ果たせるか。ストレートパフォーマンスに優れることは、3月の公式テストでは実証されているだけに、引き続き期待が寄せられることとなった。

公式予選5月3日(水・祝)曇りドライ

公式予選5月3日(水・祝)曇りドライ

 公式予選を前にして、午前中に行われた公式練習では、入念にセットアップが進められていった。例によって大きなトラブルを抱えることなく、メニューは順調にこなされていった一方で、まだまだ一発の速さを欠いていたのは紛れも無い事実。

 まだストレートでの速さを、トータルでのラップタイムに活かせずにいたからだ。しかしながら、コンスタントに1分39秒台が刻めることは、決勝レースに向けた安心材料でもあった。

 今回は普段より200km長い500kmレースで、しかもドライバー交代を伴う2回のピットストップが義務づけられているから、戦術や何より安定感がモノを言う可能性もあったからである。

 予選のQ1担当は阪口選手。スタート時の気温は18度、路面温度は30度と、この時期にしてはやや高めではあった。それでもタイヤの性能を最大限に発揮するべく、入念にウォームアップを行なって、計測3周からアタックを開始する。

 いきなり公式練習では未知の領域だった1分37秒台に入れ、その後も激しくコースを攻め立てていく。

 しかしながら、わずかなタイムアップに留まり、ベストタイムは1分37秒696。その結果、『EIcars BENTLEY GT3』は22番手でQ1突破ならず。決勝には11列目グリッドからのスタートとなった。

決勝レース5月4日(木・祝)晴れ/ドライ

決勝レース5月4日(木・祝)晴れ/ドライ

 スタートを担当した阪口選手は、ポジションキープからレースを開始する。スプリントレースであれば早めの仕掛けが望まれるところだが、今回は普段に増しての長丁場、まずは安定の周回を心掛けることとなった。

 それでも前を行く車両にトラブルが生じたり、早めのピットストップを余儀なくされたりするたび、順位は上がっていき、14番手となった31周目に阪口選手は、井出選手と交代する。その間に20番手へ。

 正直に言えば、バトルを経ずに淡々と周回を重ねていくのは、井出選手も阪口選手も本分ではないはずだ。それでも今は我慢の時と、その一方でドライビングにもトライ&エラーを続けることで、新たな可能性を少しでも見出そうと……。

 69周目からは再び阪口選手が『EIcars BENTLEY GT3』に乗り込み、そのタフネスぶりゆえ、タイヤを交換せずともプッシュが可能なことが明らかになったことからゴール間際は何度もオーバーテイクシーンを披露し、トップから2周遅れではあるものの、16位での完走を果たすことに成功。また着実な前進を遂げていた。

コメント
コメント
井出有治選手
 成績自体は決して良くはありませんでしたが、このクルマのセットアップの方向というか、ワークスの考え方と、僕らが良かれと思っていることの違いが決勝で確認できました。

 予選ではストレートがずっと遅かったんですが、車高とかセットアップをがらりと変えたら、ベントレーらしく決勝では急に速くなって。そのあたりをしっかり検証して、良くなった理由を確認すれば、次のオートポリスでは結果も出せると思います。

阪口良平選手
 最初のスティントと最後のスティントを僕が担当したんですが、最後は井出選手の履いたタイヤのままで行きました。その状況において、タイトコーナーでは立ち上がりでスロットルを開けると、すごいオーバーステアになってしまい、トラクションコントロールを超えちゃう領域で、ワイドなラインが取れなかったんですが、逆に止めて立ち上がっていく感じの運転を心掛けたら、かえってタイムも安定したし、無交換でも行けたので、まだまだ行ける感じはしましたね。

 低速域をもっと詰めていきたいですね。こうやってしっかり結果を出して、これからも一歩一歩確実にやっていきます。

寺本監督
 まだ我々は新参者で、このクルマも新しくて他に日本のレースで走らせている人はいないので、とにかく情報がないから、ひとつずつやってみて積み重ねていくしかないという中では、また一つステップアップできたかな、と思っています。

 レースになると、そんなに試せる時間がないので、公式練習、予選、決勝と、すべてがトライに、チャレンジになっているので、そこでひとつずつ積み上げて行けば、階段は上がっていけると思います。

 次のオートポリスではもちろんさらに上を狙って、確実に。すぐみなさんの期待に応え、前の方を走るというわけにはいかないですけど、少しずつ上がって行きたいと思います。