インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで開催されたインディカー・シリーズ第5戦インディカーGP。13日に行われた決勝レースは、プラクティスから全セッションでトップに立つウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がライバルを寄せ付けず今季初勝利を挙げた。最後尾スタートだった佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)は、追い上げを見せ12位でレースを終えた。
快晴の空の下、気温26度という素晴らしいコンディションで第4回目となるインディカー・グランプリがインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースで開催された。
全長2.439マイルのフラットな高速サーキットを85周して争うレースは、今季3回目のポールポジションからスタートしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がシーズン初優勝を飾った。インディ・ロードコースでの勝利は2015年以来の2回目。通算優勝回数は30回となった。
予選だけでなく、3回行われたプラクティスすべてで最速だったパワーは、決勝レースでも強さを発揮した。ソフトコンパウンドのレッドタイヤは3セットが使用可能だが、そのすべてをスタートから連続投入する作戦で予選2位だったチームメイトのエリオ・カストロネベスがトップを一時的に奪ったが、パワーは慌てることなくレース中盤以降に残しておいたレッドタイヤで逆襲し、トップを奪還。
カストロネベスを抜いて2位に浮上して来たスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)に5秒以上の差をつけてゴールした。
「やっとのことで素晴らしい1日を達成できた。今年は開幕から不運続き。本当なら、もう2勝ぐらいしていてもおかしくなかったが、今日こうしてようやく1勝目を挙げることができた。また勝てて本当に嬉しい。今回が確か30勝目のはずだが、今月末には31勝目といきたいね」とパワーは喜んでいた。
開幕から5戦続けてポールポジションはシボレーユーザーのチーム・ペンスキー。優勝数はホンダが先に2勝を挙げたが、その後はシボレーが3連勝となった。
2位となったディクソンは、「勝てなかったが、いいレースを戦えた。多くのポイントも獲得できた。今日はパワーが素晴らしかった」と話した。
ポイントスタンディング2位はそのままだが、トップのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)との差は18点から10点に縮まった。
3位は予選8位だったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)。パジェノーは昨年度ウイナーだが、今年はペースが上がり切らなかった。ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)も予選は3位だったが、決勝ではスピードが不足し、レース終盤にピットスピード違反を二度続けて行う失態も見せて11位という結果に甘んじた。
スポット参戦のファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)は予選で5位に入って健在ぶりを示したが、レースでの走りには迫力もなく、10位でのフィニッシュとなった。予選6位のセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング)は、スタート後3周でエンジントラブルによりリタイアした。
佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)は予選22位だった。ストレートでスピードの伸びない問題が、バーバー・モータースポーツパークでの第3戦時よりもひどくなっていたためだ。
しかし、レースに向けて施した対策により幾分症状が良くなり、コンスンタントかつコンペティティブなラップタイムを刻み続けて10ものポジションアップを果たして12位でゴールした。
「まだ問題は完全に解決していません。半分ぐらいと思います。ある程度まで高いところまでスピードが上がってからその症状が出ていることがデータで判明しました。しかし、レースでのマシンは安定していました」
「最後のピットストップで4秒ほどのロスがあり、それがなければ更にひとつ上のポジションになれていたのかな? インディ500に向けて良い勢いを掴むことができたと思います」
「インディ500は本当に楽しみです。アンドレッティ・オートスポートは走行初日からグループランができるチームだから。月曜の午後3時過ぎには6台でのグループランを予定しています。これまでのチームではグループランなんて決勝直前までできるかできないか、でした。今からインディが楽しみです」と琢磨は語った。