2016年MotoGPチャンピオンのマルク・マルケスは、ヤマハ・テック3のヨハン・ザルコを見て自分のルーキーシーズンを思い出すと語った。
ザルコはMoto2クラスで2年連続チャンピオンを獲得し、2017年シーズンに最高峰クラスへ昇格。デビュー戦の開幕戦カタールGPでは転倒するまではレースをリードしてトップに立っていた。その後の3戦は連続してトップ5位以内でフィニッシュしている。
デビュー間もなくの快進撃は人の目に留まるものがあった。第4戦スペインGPでザルコは、バレンティーノ・ロッシ、マーベリック・ビニャーレス、カル・クラッチロー、アンドレア・イアンノーネの面々を2周する間に追い抜き、前を走っていたマルケスにもプレッシャーをかけていた。
その後ホルヘ・ロレンソとの競合いに負けて初表彰台の獲得とはならなかったが、現在ランキングで6位につけている。
マルケスはMoto2タイトルを獲得した翌年の2013年にMotoGPにデビュー。ケーシー・ストーナーの後任としてホンダに所属し、ルーキーでありながらそのシーズンのチャンピオンをものにした。
マルケスはアグレッシブなスタイルで周囲にもめごとが絶えかった。ヘレスでの最終ラップでクラッシュした際、他のライダーを危険な目に合わせたとしてホルヘ・ロレンソに批判され、チームメイトのダニ・ペドロサにはアラゴンで衝突した際に強引すぎると言われている。
「ザルコはカタールでもヘレスでも本当に印象的だった。僕は2、3周の間彼と戦ったけど、僕のリヤタイヤはまだ十分良くはないのに、どんどんプッシュしてくるんだ」とマルケス。
「彼を見ていると自分がMotoGPに昇格したばかりの頃を思い出す」
「とてもアグレッシブで、限界までプッシュし、警告を受け、転倒しかける。結局のところ、これが学び方なんだ」
「ザルコが学びたければ、そうした学び方をする必要がある。彼には最初からブッシュすることが必要だ」
2週間前、オースティンでのアメリカGPでロッシはザルコの動きを批判し、「オーバーテイクはMoto2とは違う他のやり方でやる」必要があると語った。
一方、ヘレスでザルコとバトルを繰り広げたロレンソは、接近戦のやり方を改良する余地はあるものの彼のアプローチを称賛した。
「僕はヨハンの姿勢を気に入っている。彼はレースのことを考え、トレーニングを積み、バイクの上では優れた決断力を持ち合わせている」とロレンソは語った。
「彼がMoto2で2度世界チャンピオンになったのなら、それは彼が正真正銘、強いということだよ」
「もちろんヤマハはルーキーに自信を与えてくれるし、乗りやすいバイクも与えているだろう」
「彼に決断力があり速いのは確かだよ。特に他のライダーと戦っている時は決断力が過剰かもしれないね」
「ただ彼はもう少し注意する必要がある。MotoGPバイクはより大型だし、Moto2バイクより慣性が働くんだ」
「それを除けば、彼の姿勢を気に入っているし、実際に本当にすごいライダーだと思っている」