F1スペインGP、FP1開始早々にエンジンブローに見舞われ、TV囲みも無視してホテルに真っすぐ帰ってしまったフェルナンド・アロンソ。それでもFP2の始まる45分前にはサーキットに戻ると、「気分転換のためにパドルテニスで汗を流したんだ」と言い残してガレージに向かった。
午後も快晴が続き、午後2時には気温24℃、路面温度は42℃まで上昇。メインストレートの向かい風が、かなり強く吹き始めた。開始後23分には、5番手タイムを出していたマックス・フェルスタッペンがターン9で追い風を受け、グラベルに飛び出してしまう。その後はルイス・ハミルトンも二度、同様の風向きのターン13でコースオフを喫している。
パワーユニットの交換作業がようやく終わった午後2時25分、アロンソがコースに向かう。真向かいのグランドスタンドに陣取ったスペイン人ファンが盛大な声援を送る。
この週末、最初にソフトタイヤを履いたのはセバスチャン・ベッテルだった。この時点でミディアム最速のバルテリ・ボッタスのタイムを、1秒8しのいで暫定トップに立つ。しかしすぐにキミ・ライコネン、続いてボッタス、ハミルトンが、次々に最速タイムを更新して行った。
セッションが1時間を過ぎようという時点で、ハミルトンが1分20秒802でトップ。コンマ09秒差でボッタスが続き、フェラーリ勢はコンマ3~4秒、さらにレッドブルはコンマ6~7秒の差を付けられている。
午後3時前、ライコネンに「エンジントラブルの可能性がある」とピットインの指示が飛ぶ。しかし、ライコネンはそのままフェラーリのガレージ前を通過し、何ごともなかったかのようにコースに復帰した。
15時02分、赤旗が振られた。ターン9の縁石をはみ出したカルロス・サインツJr.のマシンからパーツが飛び、コース上に散乱したためだった。しかし、すぐに作業は終わり、3分後にはセッション再開。ランス・ストロールとともにミディアムでしか走っていなかったアロンソがソフトを装着するが、トップのハミルトンから3秒以上遅く、最下位に留まっている。
最終的にアロンソは順位を上げることなく、初日を終えた。一方ストフェル・バンドーンはトラブルフリーで、13番手。主にソフトタイヤでレースに向けたロングランに専念した。
午前中の中団勢トップはハースの2台だったが、FP2ではニコ・ヒュルケンベルグが7番手、ジョリオン・パーマー8番手とルノー勢が気を吐いた。
上位3チームの6台は、ミディアムのリカルドを除いてソフトタイヤでのロングランを敢行。メルセデスの2台はハミルトン27周、ボッタスは28周まで引っ張ったところでミディアムに変更した。それに対しベッテルはソフトのまま1分25秒台で安定して周回を重ねていたが、終了間際にターン4でグラベルに飛び出した。やはり強風の影響のようだ。
初日は両セッションともハミルトンが最速だったが、ボッタスがコンマ1秒以内の僅差で追う展開。ハミルトンにとって侮れないチームメイトになりつつあることは、確かなようだ。