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WRC:トヨタ、3台体制でポルトガルに挑む。「着実に性能を高めていきたい」とマキネン

2017年05月12日 19:43  AUTOSPORT web

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ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC) 2017年WRC第5戦ラリー・アルゼンティーナ
2017年からWRC世界ラリー選手権に復帰参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRT。チームが挑む次の戦いは、5月18~21日にポルトガルで行われるグラベル(未舗装路)イベント、第6戦ラリー・ポルトガルだ。トヨタ今回、はトヨタ・ヤリスWRCの開発速度を上げるため、1台増の3台体制で参戦する。

 ラリー・ポルトガルは、WRC開催初年度の1973年からシリーズに組み込まれている伝統の1戦。2017年シーズン、ヨーロッパで初めて開催されるグラベルラリーとなる。

 コースはタイヤのグリップ力が低下する柔らかい砂地と、グリップはあるがタイヤの摩耗が激しくなる岩盤という異なる特性をもつ2種類の路面が混在する未舗装路が多くを占める。

 このような路面はソフトタイヤとハードタイヤ、どちらを使用するのが最適かを判断するのが難しく、チームのタイヤ選択とドライバーがいかにうまくタイヤを使うのかが、このラリーの重要なテーマとなる。

 ポルトガル北部、マトジニョスの東から北東エリアで展開される競技は18日の夜に開催されるスーパーSSを皮切りに全19本のSSで構成される。全SSの走行距離は349.17km。ステージ間の移動など(リエゾン区間)を含む総走行距離は1529.01kmだ。

 これまでの5戦を終えて。現在ドライバーズランキングで2位につけているるヤリ-マティ・ラトバラは、15年のラリー・ポルトガルで総合優勝を飾っており同ラウンドの経験は十分。また今回、3台目のヤリスWRCをドライブするエサペッカ・ラッピも13年にWRC2で初優勝を飾り、16年も2位表彰台を獲得している。

 チームとユホ・ハンニネンを含めたトヨタの3名のドライバーは、ラリー・ポルトガルに向け事前テストを行い、グラベルでのマシンのパフォーマンスさらに高めるための改善作業を進めてきた。
■ラッピ「僕がすべきことは分かっている」
 TOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表、トミ・マキネンは「ラリー・ポルトガルに向けて、サスペンションやその他いくつかの部品について新しいことを試した」と語ったが、「天気がとても悪く、テストの結果がどれほど現実的なのかは分からないんだ」と続けた。

「また、ラリーではその時々の走行条件に大きく左右されることが多いため、どうなるか予想するのは難しい。我々にとっては未知なる部分が多いラリーだが、これまでやってきたように、未舗装路におけるクルマの性能を着実に高めていきたいと思っているよ」

「今回はテストを目的に3台目のヤリスWRCを走らせるが、エサペッカ(・ラッピ)によってさらに多くのデータを得られると期待しているんだ」

ヤリスWRCで初めての実戦に挑むラッピは「これまでテストを重ねてきたが、実戦の場はまったく違うものになると思う」とコメントした。

「ヤリスWRCで初めてラリーに出場することになり、本当にわくわくしているんだ」

「しかし僕がすべきことは、できるだけ多くのデータを収集すること。そのためには、完走が何よりも重要だ」

「とにかく冷静な気持ちを保ち、集中してラリーに臨みたいと思っている」と意気込んだ。