5月4日に行われたスーパーGT第2戦富士では、GT300クラスでJMS P.MU LMcorsa RC F GT3が優勝を飾ったが、そこから4日前の4月30日、ポルトガルのエストリルでレクサスRC F GT3が2勝を飾っている。ヨーロッパで開催されているインターナショナルGTオープンの開幕ラウンドで、エミール・フレイとファーンバッハー・レーシングが走らせた2台が、それぞれ勝利を飾ったのだ。
エミール・フレイとファーンバッハー・レーシングは、2016年にVLNニュルブルクリンク耐久シリーズに参戦。2017年型のレクサスRC F GT3をSP-Xクラスで走らせ、ファーンバッハー・レーシングのマシンがデビューウインを飾った。今季ふたつのチームは、ヨーロッパで20台ほどが参戦するGTオープンにカテゴリーを移し、RC F GT3を走らせている。
迎えた4月27~30日に行われた第1ラウンドのエストリルでは、レース1でエミール・フレイが、レース2でファーンバッハーのRC F GT3が優勝。開幕ラウンドを制圧した。ファーンバッハー・レーシングのドライバー兼チーム代表を務めるドミニク・ファーンバッハーはスーパーGTの経験もあるドライバーだが、彼に今季の活動について聞いた。
──昨年まではRC F GT3の開発を担っていましたが、今季も引き続き開発プログラムの一環での参戦ですか? DF:すでにRC F GT3の開発は終了しているから、カスタマーチームとしてレース活動をしているよ。
──2015年、2016年とそれぞれRC F GT3をドライブしてきましたが、今季のマシンとの違いを感じますか? DF:2015年の初期のRC F GT3から比べれば、今年のマシンは本当に飛躍的に進化をしている。外見はもちろんのこと、シャシーが非常に強化され、安定したのがいちばんの大きな違いだ。さらにはマシンからのフィードバックがダイレクトに来るので、運転が何倍もイージーになったね。エアロやブレーキもずいぶん改良が重ねられたおかげで、思いのままのドライビングが可能となったと言えると思うよ。
──開幕戦の第1レースでは4位、第2レースでは優勝でしたが、フリープラクティスから手応えは感じていましたか? DF:最初のフリープラクティスではいろいろなセットアップを試していて、第1レースまでには完全なポイントを見つけることができていなかったけれど、翌日の第2レースに向けて徹底的にエンジニアらとデータ解析をしてタイヤについて話し合い、さらには戦略もうまくいったので優勝を飾ることができた。RC F GT3は優勝できたものの、ラップタイムをみると苦しい部分もあるので、これを今後どう縮めるかが大きな課題となるだろうね。
──今後の目標は? DF:第1ラウンドを終えて、チームとドライバーの両方のランキングトップだ。この調子でポイントを重ねてチャンピオンを狙っているよ。来季はできればスパ24時間レースを含むブランパンGTシリーズに参戦をしたいと強く願っているんだ。他にはニュルブルクリンク24時間にも出ることができたら……と考えているけど、とにかく今季は弟のマリオやチームとともに、RC F GT3のすみずみまで学びとって、世界のGT3界のトップポジションへいけるように頑張るよ!