BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第3戦が5月5~7日にスラクストンで開催され、チーム・ダイナミクスのホンダ・シビック・タイプRがレース1でワン・ツー・フィニッシュをマーク。ベテランのマット・ニールがポールポジションからの完勝でBTCC通算60勝目をマークした。
土曜の予選から速さをみせたハルフォズ・ユアサ・レーシングのシビック・タイプRは、セッション中盤でレコードを更新する驚異的タイムを叩き出すと、マット・ニールが2012年以来となるポールを確定。
チームメイトのディフェンディング・チャンピオン、ゴードン・シェドンが2番手に入り、シビックが得意なサーキットでフロントロウを独占した。
日曜午前にスタートを迎えたレース1では、ニールが好スタートを切ったものの、75kgのサクセスバラストを積むシェドンもそれを上回るダッシュをみせ、2台はサイド・バイ・サイドで1コーナーへ。
車重でわずかに有利なニールが先行すると、背後には3番グリッドからスタートしたホンダのサテライト・チーム、ユーロテック・レーシングのジャック・ゴフがつけ、シビックが3台体制でレースを引っ張る展開に。
3周目にはチーム・パーカー・レーシングのジョシュ・クック(フォード・フォーカスST)とチーム・ハードのジェイク・ヒル(フォルクスワーゲン・CC)がコブ・コーナーで接触しバリアに激突。
両者リタイアのアクシデントが発生するが、その後は後方でのポジション争いを尻目にシビックは余裕のリードを構築する。
4番手にトヨタの新型アベンシスをドライブするトム・イングラムがつけ、その背後に旧型アベンシスのロブ・オースティンと続いていたが、5周目にはメルセデス・ベンツAクラスのアダム・モーガンが迫ると、オースティンは陥落。
続く7周目に後続にもキャッチアップされたオースティンは、スバル・レヴォーグのアシュリー・サットン、続いてBMWワークスのウエスト・サリー・レーシング(WSR)、コリン・ターキントンとモーターベース・パフォーマンスのフォード・フォーカス、マット・ジャクソンにも相次いでパスされ、9位までポジションを落としてしまう。
このままレース1はチェッカーとなり、勝者ニールはBTCC通算60勝の節目となる、うれしい今季初勝利。2位にチームメイトのシェドン、3位にユーロテック・ホンダのゴフが入り、ホンダ・シビック・タイプRが表彰台独占のリザルトとなった。
午後に開催されたレース2では、トリプルエイト・レースエンジニアリングのMG6をドライブするダン・ロイドが、オープニングラップでチームメイトのアーロン-テイラー・スミスとのバトルでバリアに激突し、そのまま宙を舞う大クラッシュが発生し赤旗に。
バリア修復のため1時間のサスペンデッドの後、規定の半分の周回数で再開となり、ニール、シェドン、ゴフと、レース1の順位そのままにリスタートが切られた。しかし、最初のコーナーでニールのパワーステアリングにトラブルが発生しスローダウン。
WSRのBMW125i Mスポーツをドライブするロブ・コラードが6番手から3番手までジャンプアップしシェドンに迫ると、2周目には軽さに勝るBMWが先行しシェドンは2番手に後退。そのままBMWのコラードが勝利。シェドン、イングラム、ゴフと続く結果となった。
ディレイとなったレース3は、リバースポールからスタートしたターキントンのBMWが一度も先頭を譲ることなく危なげない完勝劇。イングラム、ゴフが表彰台に乗り、シェドンが4位に。パワステトラブルを解消したニールは10位に入るも、シケインカットのペナルティで0.5秒が加算され11位。貴重な1ポイントを失うこととなった。
次戦となる第4戦オールトンパークは、2週間後の5月20~21日に開催される。