アプリリアのアレイシ・エスパルガロは、第4戦スペインGPでのレースペースが信じられないほど遅くなったのは、ミシュランのフロントタイヤに「大きな改善が必要」である証拠だと語った。
ミシュランは2016年にMotoGPの公式タイヤサプライヤーに復帰し、2015年末のテストではフロントタイヤの不具合で転倒するライダーが続出したが、2016年シーズン開始までには改善を施した。
その代わりに昨シーズンのこの時期にはリヤタイヤのトラブルが続発、アルゼンチンGPフリー走行時にスコット・レディングのリヤタイヤがバーストしてマシンが損傷を受けるなど、安全性が犠牲にされている状況だった。
その後、1年にわたる開発の末、先週日曜日にダニ・ペドロサが出したレースタイムは45分26秒827。バレンティーノ・ロッシが昨シーズンに同様のコンディション下で出したタイムより2秒速かったが、2015年に涼しいコンディションの下、ホルヘ・ロレンソがブリヂストンタイヤで出した記録には29秒581及ばないものだった。
エスパルガロは、9位につけた地味なレースでは、転倒しないように「ハラハラし通しだった」と語り、新品同様の右膝のスライダーを例にとって、いかにほとんどプッシュできなかったかを示した。
コース路面のグリップのなさと、高い気温が問題を悪化させたのではないかと質問されたエスパルガロは、フロントタイヤが大きな要因だと語った。
「僕たちはMoto2や公道を走っているバイクより遅かったんだ」とエスパルガロ。
「まったく信じられないよ。あり得ないことだ。ここまで来るのに何百万という課題を乗り越えてきたのに、スペインのスーパーバイク選手権よりも遅い速度で走っているんだ」
「タイヤには大きな改善が必要だ。問題は速度が出せないことじゃなくて、バイクの上で安定できないことだ。今回は今までで最も難しいレースのひとつだった」
「僕にとって非常に困難だったことが、この路面温度ではフロントブレーキを離すとすぐにフロントの荷重を失い、地面に付いていないかのようだったことだ」
決勝の27周におけるエスパルガロの平均ラップタイムは1分42秒150で、Moto2でポールポジションを獲ったアレックス・マルケスのタイム1分42秒080より遅かったが、彼の決勝ラップタイムの平均は1分44秒174だ。
この2クラスと比べ、昨年10月のCEVスーパーバイク選手権の勝者の平均ラップタイムは1分45秒126だった。
■改善の意向を示すミシュラン
ミシュランのMotoGPプロジェクトリーダーを務めるニコラ・グベールは、路面温度が41度と、土曜日のフリー走行4回目や2016年の決勝時より1度高かったことで、このコンディションがライダーにとって「グリップレベルが非常に難しい状態」を作り出したと認め、改善を図りたいとした。
「表面は常に滑りやすいものだが、気温が高くなるにつれて粘着性がさらに減っている。これが他のグランプリでライダーたちが問題に悩まされなかった理由だ」とグベール。
「ライダーたちはタイヤをなんとかして最高のパフォーマンスを出すのに苦労しなければならなかった。我々が次回ヘレスを訪れた際に気温がまた高くなるようだったらこの問題を調査する予定だ」