WEC世界耐久選手権に参戦するポルシェは、ローダウンフォース仕様のマシンと摩耗したタイヤの組み合わせが第2戦スパ・フランコルシャンでの敗因だったとしている。
ポルシェは金曜日に行われた予選でトヨタを抑えポールポジションを獲得。しかし、翌土曜日の決勝レースではその勢いを維持できず、レーススタートから1時間で2台のトヨタTS050ハイブリッドにワン・ツー体制を築かれてしまった。
ポルシェはポールシッターの1号車ポルシェ919ハイブリッドが総合4位でチェッカーを受けた一方で、レース中盤にパンクやLMP2マシンとの接触からマシンフロント部の交換を強いられるなどタイムロスがあった2号車を総合3位に送り込んだ。
チーム監督のアンドレアス・ザイドルは、予想以上に高かった気温によりタイヤの摩耗が過度に進んでしまったことが、ハイダウンフォース仕様の7号車トヨタ、8号車トヨタに敗れた要因だとしている。
なお、ザイドルはローダウンフォース仕様だった9号車トヨタには苦戦することはなかったとも語っている。
「我々のローダウンフォース仕様は、速度の面ではハイダウンフォース仕様のトヨタには及ばなかったが、それは単にタイヤの摩耗がひどかったからだ」とザイドル。
「しかし、ローダウンフォース仕様だったトヨタの3台目は抑え込むことができた。パンクで失ったタイムを考えれば、パフォーマンス面に問題はない」
「来週、アラゴンで(最後の)耐久テストを行う。そのあとのル・マン(24時間耐久レース)が待ち遠しいよ」
■2号車ハートレー「ル・マンに向けて自信を強めてもいいはず」
4月の第1戦シルバーストンでは、ポルシェは優勝した8号車トヨタの6秒後方に迫ったが、第2戦では3位に入った2号車ポルシェは優勝した8号車に35秒ものギャップを築かれている。
しかし、2号車をドライブするブレンドン・ハートレーは、第2戦スパで感じたマシンパフォーマンスのおかげで、ル・マンに自信を持って臨めると明かした。
「トヨタは最初、間違いなくとても速かった」とハートレー。
「それに木曜日や金曜日とは違って気温が高く、(マシン)バランスもかなり違っていたんだ」
「僕たちはアール(・バンバー)のスティントでパンクする不運があった。そのせいで当初の戦略から外れてしまったけれど、レース終盤、マシンはかなり強力だった。充分戦えていたと思うよ」
「求めていた場所ではないけど、また表彰台に上がることができた。ル・マンに向けて自信を強めてもいいはずだ」