やくしまるえつこが『アルスエレクトロニカ』の『STARTS PRIZE』でグランプリを受賞したことがわかった。
今回で2回目を迎える『STARTS PRIZE』は、オーストリアのメディアアート賞『アルスエレクトロニカ』が欧州委員会からの命を受けて実施している賞。科学、テクノロジー、アートを横断する革新的なプロジェクト2点に対して授与される。
やくしまるのグランプリ受賞作は、「人類滅亡後の音楽」をコンセプトにバイオテクノロジーを用いて制作した作品『わたしは人類』。やくしまるは、シアノバクテリアの一種である微生物・シネココッカスの塩基配列を用いて楽曲“わたしは人類”を制作したほか、同曲の情報をDNAコード化し、DNAを人工合成して微生物の染色体に組み込み、『わたしは人類』の遺伝子組換え微生物を作り上げた。
『STARTS PRIZE』で日本人がグランプリを受賞したのは、やくしまるが初。今回の発表とあわせて、『わたしは人類』の実際の遺伝子情報をもとにした映像と、2016年に相対性理論によって山口・山口情報芸術センター[YCAM]で披露された『わたしは人類』のライブパフォーマンスの映像が公開された。なおやくしまると共にグランプリを受賞したのは、チューリッヒ工科大学のGramazio Kohler Researchとマサチューセッツ工科大学のSelf-Assembly Labによる作品『Rock Print』。