2017年5月9日
プレスリリース
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第10戦タラデガ
カイル・ブッシュが最終周まで首位を争い惜しくも3位
エクスフィニティではトヨタ・カムリ4台がトップ10
1周4kmを超えるタラデガの超高速オーバルでカップ・シリーズとエクスフィニティ・シリーズが開催。カップではカイル・ブッシュが最後まで首位を争ったものの惜しくも届かず3位フィニッシュ。
エクスフィニティでは、トヨタ勢が上位争いを繰り広げ、エリック・ジョーンズの5位を最上位に、4台がトップ10フィニッシュを果たした。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第10戦 GEICO 500
開催日:5月7日
終盤18台が絡む“ビッグ・ワン”発生
カイル・ブッシュが最終周まで首位を争い惜しくも3位
5月7日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第10戦「GEICO 500」が開催された。
タラデガはNASCARが行われるオーバルでは1周がシリーズ最長の2.66マイル(約4.3km)を誇る屈指のハイスピードコース。
バンク角も高く、速度を抑制するために「リストリクター・プレート」と呼ばれる吸気量を制限するパーツを装着してレースを戦う。
それでも最高速はゆうに300km/hを超えるが、その超高速域でのパワー不足を補うべく、空気抵抗を削減するための「ドラフティング」という複数台が連なって走行するテクニックが必要となる。上位を争っていてもこの隊列次第では一気に大きく順位を落とすこともあり、戦略やチームワークも重要なコースだ。
多くの車両が連なり、2列、3列での密集走行が続くため、僅かな車両の乱れから、多くの車両が巻き込まれる多重クラッシュ「ビッグ・ワン」に繋がりやすい。
最後まで上位グループに生き残り、ファイナルラップの最終コーナー立ち上がり以降で勝負、という、ギャンブル的な要素も持ち合わせたコースである。
ここタラデガでトヨタは過去3勝。うちカイル・ブッシュとデニー・ハムリンが1勝ずつを挙げている。
7日(日)午後1時21分、2.66マイルスーパースピードウェイを55周、55周、78周の3ステージ合計188周(500.08マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタートした。
序盤、11番手スタートのハムリンは“ビッグ・ワン”に巻き込まれるのを警戒して最高峰に後退。一方で、10番手スタートのカイル・ブッシュと13番手スタートのマーティン・トゥルーエクス・Jr.が長く連なった3列のバトルで首位を争った。
ステージ1はカイル・ブッシュが3位、トゥルーエクス・Jr.が4位、エリック・ジョーンズが10位に入り、ボーナスポイントを獲得した。
ステージ1の終盤にあえてピットイン、ステージ間のコーションラップでコース上に残る戦略を採ったハムリンは、ステージ2を首位でスタート。チームメイトのカイル・ブッシュと共に隊列先頭でレースをリード。計41周にわたって首位を快走し、ステージ2を制覇。ハムリンにとっては、今年初めてのステージウィンで、ボーナスポイント共に、プレーオフポイントも獲得した。
ステージ2ではトゥルーエクス・Jr.が4位、エリック・ジョーンズが9位と連続でのトップ10フィニッシュ。ステージ終盤までトップ10圏内につけていたカイル・ブッシュはドラフティングパートナーを失い一気に後退。24位でステージを終えることとなってしまった。
ステージ1の終盤、ペナルティを受け大きく順位を落としていたマット・ケンゼスが、ステージ2終盤にピットタイミングをずらす作戦に出て、ステージ3は首位で再スタート。他のトヨタ勢も好調に上位を争い、157周目には、首位カイル・ブッシュに、ハムリン、トゥルーエクス・Jr.、エリック・ジョーンズ、ケンゼスとトップ5を占める速さを見せた。
しかし、レースが残り20周を切った169周目、18台もの車両が絡む多重クラッシュ“ビッグ・ワン”が発生。ケンゼス、レースを通してトップ10圏内と好調だったトゥルーエクス・Jr.とエリック・ジョーンズもこれに巻き込まれてしまった。
レースは赤旗が出され、30分弱の中断の後に再開。再スタート後もカイル・ブッシュが首位を争ったが、残り3周というところで中段の車両がクラッシュし、イエローコーション。レースは延長され、最後の2周“オーバータイム”で競われることとなった。
首位で再スタートを切ったカイル・ブッシュだったが、ファイナルラップ、接触寸前の3ワイドでの激しいバトルのなか、惜しくも先行を許し、3位でチェッカーとなった。
次戦第11戦は5月13日(土)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ
「最後の再スタートでは、3ワイドのバトルであれ以上は何も出来なかった。(リッキー)ステンハウス・Jr.(フォード)は見事なダッシュと後続のプッシュで首位に立ち、私はその後につくしかなかった」
「とはいえ、チームは本当によくやってくれた。我々の“トヨタ・カムリ”は本当に速かった。勝利のために最善を尽くしたが、あの状況ではこの結果が精一杯だった。次戦こそは勝利を目指す」
NASCAR XFINITY SERIES
第9戦 Sparks Energy 300
開催日:5月6日
4台の“トヨタ・カムリ”がトップ10フィニッシュ
5月6日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第9戦「Sparks Energy 300」がタラデガ・スーパースピードウェイで開催された。
6日(土)午後12時20分に2.66マイルスーパースピードウェイを25周、25周、63周の3ステージ合計113周(300.58マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。18番手スタートのディフェンディングシリーズチャンピオン、ダニエル・スアレツが序盤から好調にポジションを上げ、14周目には首位に浮上。
しかし、21周目に9台が絡む“ビッグ・ワン”が発生し、スアレツもこれに巻き込まれてしまった。
この“ビッグ・ワン”に巻き込まれなかったエリック・ジョーンズがステージ1を4位でフィニッシュ。
ステージ2も、終盤に再び“ビッグ・ワン”が発生。そのままステージは終了。ステージ1のクラッシュの後、車両を修復し周回遅れとして走行していたスアレツは、ここで“ラッキー・ドッグ”(コーション発生時に周回遅れの最上位車両が1周取り戻せる救済措置)を獲得し、首位と同一周回に復帰した。
ステージ3は、最後まで走り切れる残り周回になったところで上位勢が続々とグリーンフラッグ下でピットイン。最後までピットに入らず残ったジェフ・グリーン、スアレツ、J.J.イェリーの3台がトップ3でレースを引っ張った。
その後、全車がグリーン下でのピット作業を終えた時点で、エリック・ジョーンズ、スアレツらが上位に復帰。残り16周でコース上の異物によりイエローコーションが出されると、マット・ティフトがここで“ラッキー・ドッグ”を獲得。
エリック・ジョーンズがイン側の先頭2番手で、残り11周での再スタートが切られると、3ワイドでの激しい最後のバトルが展開。ファイナルラップ、ポジションを争う中団グループ内でバックストレートでクラッシュが発生したが、レースはそのまま続行。エリック・ジョーンズが5位、ティフトが6位、スアレツが7位、ベテランのグリーンが10位で今季初となるトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第10戦は5月27日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー エリック・ジョーンズ
「多分残り5周くらいで首位に立った。数周にわたって車線を変更しながら後続をブロックしたが、イン側に出来た別の隊列を抑えきれず、ポジションを落としてしまった。5位でレースを終えることが出来たのは幸運だったが、今日は全体的にもっと上を狙えるレースだった」
「我々のチームの車は、昨年スーパースピードウェイで苦戦したが、今日は本当に好調で、自由自在に走り、レースをリードすることも出来た。そういう意味では大きな一歩を踏み出せて良い一日だった」