2017年F1世界タイトルを賭けたバトルは今週末のF1スペインGPで完全にリセットされるだろうと、メルセデスF1チームのノンエグゼクティブチェアマンを務めるニキ・ラウダは考えている。
F1の3大トップチームであるメルセデス、フェラーリ、レッドブルは、ヨーロッパラウンド初戦となるスペインGPで大規模なアップグレードを持ち込む予定だ。
第4戦ロシアGP終了時点では、フェラーリとメルセデスがトップ争いで接戦を繰り広げており、レッドブルがそのやや後ろにいる形勢だ。
フェラーリとレッドブルは空力を焦点に開発が行われているが、メルセデスはW08の超過重量が今シーズン序盤のバランス問題に影響を与えていると考えており、主にマシンの重量削減に取り組んでいるとみられている。
スペインGPに持ち込まれるアップグレードの規模と、これまで上位チームが僅差で戦ってきたことを考慮すると、今週末は勢力図が全体的に変わることもあり得ると、ラウダは考えている。
「F1シーズンは新たにスタートを切るだろう」
「どのチームが優れたアップグレードを持ち込むのかはまだ分からないが、バルセロナですぐに明らかになる」
ロシアGPでバルテリ・ボッタスがルイス・ハミルトンをしのぎ、F1初優勝を飾ったことで、メルセデスではチーム内でバトルが起こる可能性を秘めている。
現時点のドライバーズ選手権では、フェラーリのセバスチャン・ベッテルがトップ、2位はハミルトンとなり、3位のボッタスは10ポイント差でハミルトンに迫っている。
ラウダは、メルセデスドライバーのふたりともがタイトル争いに絡んでくるのか現在の状況で判断するのは時期尚早だとしている。
「ひとつのレースで、ボッタスは初優勝を飾ったが、我々は今後の成り行きを見守らなければならない」
「こうしたことは無理にやらせることはできないからだ」
「ボッタスはソチではルイスより速かったが、ルイスもずば抜けた才能を持つチャンピオン経験者だ。おそらく次の3戦ではルイスが勝つことになるかもしれない」
「ただ、はっきり(ボッタスがタイトル争いに絡む)とは言えないが、彼がニコ(・ロズベルグ)の後任として非常に優れていることは確かだ」
「(バーレーンGPでの)ポールポジション獲得に加え、シーズン4戦目で優勝というのは、悪くない成績だよ」