マクラーレン・ホンダF1チームのルーキーであるストフェル・バンドーンは、チームが直面している困難は、彼がグランプリドライバーとして成長していくうえで「非常に良いこと」だと考えている。
25歳のバンドーンは、2009年チャンピオンのジェンソン・バトンの後任として今季からマクラーレンのレギュラードライバーとなり、現在はフェルナンド・アロンソのチームメイトである。
アロンソの代役としてF1デビューを果たした昨シーズンのバーレーンGPではポイントを獲得したが、フル参戦となる今季、開幕からの4戦は無得点となっている。2015年のGP2王者であるバンドーンは、マクラーレンの不調は、彼のドライバーとしての成長を妨げるものではないと考える。ロシアGPの週末、バンドーンはこう語った。
「実際のところ、僕がドライバーとして成長していくうえでは、とても良いことだと思っている。難しい状況ではあるものの、ここから学べることはとても多い」
「ジュニアシリーズ(のキャリア)では、厳しい状況に置かれたことはほとんどなかった。いつも優勝争いやチャンピオン争いをしていて、物事は大抵スムーズに進んでいた」
「確かに偶発的に悪いレースを走ることだってあるけれど、思いどおりにならない厳しい状況を乗り越えるということは、僕にとっては新しい経験みたいなものなんだ。多くのことが学べる」
マクラーレンが最後に優勝を飾ったのは2012年のこと。バンドーンはその翌年、2013年からチームと関係を築いている。困難な時期にチームと直接的に関わることで、「多くを学べている」と彼は話した。
「マシンの様々な部分を改善させるため、たくさんのことに集中し、詳細な対処法を探り出そうとしている。チームとともに仕事にあたり、再びトップに返り咲かせようとすることは、僕にとっては確かに大きなチャレンジだ」
「手っ取り早い解決策」は存在しない
チームとバンドーン自身は、2017年シーズン残りのレースについては具体的な目標を設定していないと彼は言う。
「僕らは間違いなく、F1のなかでも最大規模のチームのひとつなんだし、絶対にトップで戦っていたい。現状ではそれができるポジションにはいないが、将来的に成功するための要素はすべて揃っていると思う」
「どれだけ早く、競い合える力を取り戻せるかだ。今のところ、手っ取り早い解決策などは存在しないのかもしれないが、いつかは強さのあるパッケージを手に入れられると確信している」
2016年シーズン終盤には「満足のいくレベル」に達していたにも関わらず、苦しい状況に置かれたマクラーレンの現状は、特に厳しいものであるとバンドーンは認めており、次のように語った。
「もう一歩の前進があるだろうと誰もが期待していた。けれども様々な理由から、それは叶わなかった。ここが現状の僕らのポジションだ。理想的とは言えないが、もう一度、競争力を手に入れるための要素はすべてあると思っている」