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ホンダ 2017MotoGP第4戦スペインGP 決勝レポート

2017年05月08日 17:03  AUTOSPORT web

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ダニ・ペドロサとマルク・マルケス,
ペドロサが今季初優勝。マルケスが2位になり、Repsol Honda Teamが今季初の1-2フィニッシュ

2017年5月7日(日)・決勝
天候:晴れ
気温:28℃
コースコンディション:ドライ
観客:6万8731人(3日間:12万9890人)

 第4戦スペインGPの決勝レースは、今季初のポールポジションを獲得したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、シーズン初優勝を果たしました。ペドロサは、絶好のスタートから一気にペースを上げると、27周のレースで一度もトップの座を譲ることなく、真っ先にチェッカーを受けました。

 そのペドロサを追走できたのはチームメートのマルク・マルケス(Repsol Honda Team)だけであり、Repsol Honda Teamの両選手が3位以下に大きなリードを築く、すばらしいレースでした。

 この日は気温が28℃まで上昇。路面温度は40℃を超える厳しいコンディションとなりました。レースウイークを通じて最もタイヤに厳しい環境となりましたが、マシンのセットアップ、そしてタイヤ選択をばっちり決めたペドロサが、地元ファンの前で圧倒的な速さを披露しました。これでヘレスが舞台のレースでは、最高峰クラスで3度目の優勝。MotoGPクラスにデビューしてからの12年で、3勝を含む9度の表彰台獲得を果たしたペドロサには、地元ファンから大きな声援が送られていました。

 2位にはマルケスが入りました。27周のレースで、唯一、ペドロサを追いかけられたライダーですが、ペドロサの快走にはわずかに届きませんでした。それでも、マルケスにとってヘレスは、シーズンを通じて最も苦手とするサーキットの一つ。レースウイークを通じてマシンのセットアップが進み、今後の戦いに大きなプラスになる、重要なレースとなりました。

 マルケスは、前戦アメリカズGPでの優勝に続き、これで2戦連続の表彰台で、総合3位をキープ。今大会で6位に終わった総合2位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)に2ポイント差、今大会を10位で終えたランキングトップのバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)に4点差まで迫り、トップの座を視野に入れました。ペドロサも2戦連続の表彰台で総合4位に浮上。トップとの差を10点とし、チャンピオン争いに加わりました。

 今季初となったRepsol Honda Teamの1-2フィニッシュは、2015年のドイツGP以来2年ぶり。今大会は、予選でフロントローを独占するなど、RC213Vの仕上がりのよさを感じさせるレースとなりました。

 今季2度目のフロントローから好スタートを切り、4番手を走行していたカル・クラッチロー(LCR Honda)は、6周目の11コーナーで転倒してリタイア。今季2度目となる表彰台のチャンスを逃しました。

 予選10番手から決勝に挑んだジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、オープニングラップで9番手と好スタートを決りましたが、6周目の1コーナーでアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の転倒に巻き込まれてリタイアに終わりました。チームメートのティト・ラバトも、13番手を走行していた10周目の2コーナーで転倒してリタイアと、ともに残念な結果に終わりました。

コメント
ダニ・ペドロサ(MotoGP 優勝)
「ヘレスで優勝することができてとてもうれしいです。まさに、スーパーハッピーな気分です。大好きなサーキットで、家族と友人、そしてすばらしいファンがいる前で優勝することができました。今大会は、レースウイークを通じて順調だったし、どのセッションもすばらしい気分でした。レースも完ぺきでした。今日は優勝する自信があったので、スタート前に少し緊張しました。しかし、うまく集中できたし、スタートも決まりました。ただ、今日の路面コンディションはあまりよくなくて、フロントはかなりスライドしました。フロントはミディアムの方がフィーリングはよかったし、決勝でも、ミディアムの方がペースはよかったかもしれません。しかし、決勝はハードを選びました。その判断に満足しています。今日はマルク(マルケス)が後ろでプッシュし始めたときに、それまでのギャップをキープする走りに徹しました。とにかく、限界を超えず、転ぶことだけは避けようと決めました。それがうまくいって、こうして優勝できました。今大会はグランプリ3000戦という記念すべきレースでした。1000回大会は(アンヘル)ニエト、2000回は(ミック)ドゥーハン、そうした伝説のライダーたちに続いたことはとても名誉です」

マルク・マルケス(MotoGP 2位)
「ヘレスで2位になれてとてもハッピーです。このサーキットは、自分にとってあまり得意なサーキットではありませんが、高いレベルで戦うことができました。これからのシーズンを考えるととてもポジティブなことです。今日のダニは、本当に速かったです。今週はウエットでもドライでも速くて、セッションをこなすごとに彼との差を縮めることに成功しましたが、彼のペースをキープするのはとても難しいことでした。今日は、彼を追ってプレッシャーをかけようとしましたが、何度か危ない瞬間もあり、バレンティーノ(ロッシ)とマーベリック(ビニャーレス)のポジションを確認しながら、2位をキープすることにしました。今日のような暑い気温と路面コンディションでハードを選択しましたが、今日は、それでも柔らかいフィーリングでした。4戦を終えて、トップと4点差になり、完全にチャンピオンシップの戦いに戻ることができました。今日は母の日(スペインでは7日が今年の母の日)なので、この結果を母に捧げます」

ジャック・ミラー(MotoGP リタイア)
「決勝に向けてとてもいい状態でした。予選まではペースもよく、マシンもよい仕上がりでした。そしてスタートもよかったのですが、3周目と4周目に混戦の中に入り、2、3回、ポジションを落としました。その後、アルバロ(バウティスタ)がブレーキングでミスをして、その転倒に巻き込まれました。トップ10を狙っていたし、本当に残念です。しかし、いいペースで走れていたのはポジティブだったし、ル・マンでは、さらに前進したいと思っています」

ティト・ラバト(MotoGP リタイア)
「ちょっと奇妙なレースでした。路面がすごく滑りやすい状態で、フロントのフィーリングを全く感じ取ることができませんでした。転倒したのは10周目の2コーナーでした。アクセルを戻した瞬間、フロントから転びました。13番手を走っていました。今大会は、フリー走行、予選とすごくいい内容だったし、チームの仕事にとても満足しています。明日はテストを行います。次のル・マンを楽しみにしています」

カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)
「とても残念でした。今日はとてもいいペースで走れていたし、タイヤの選択も悪くありませんでした。マルクとも近いポジションを走れていたし、転倒した周回も、前の周と同じペースで走っていました。しかし、11コーナーでアクセルを戻した瞬間、フロントから転びました。本当に残念な結果でしたが、次のル・マンに向けて、これまで築き上げてきた自信を失わないようにしなければいけません。今日は表彰台に立てず、自分もチームもがっかりしています。次のレースに向けてHondaのスタッフとミーティングをしたいです」