トップへ

LEXUS TEAM SARD スーパーGT第2戦富士 レースレポート

2017年05月08日 13:32  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

DENSO KOBELCO SARD LC500
DENSO KOBELCO SARD LC500
第2戦富士、過酷で壮絶な戦いで7位フィニッシュ

SUPER GT第2戦レポート
http://www.sard.co.jp/race_r/report2017_rd2/

2017 SUPER GT 第2戦「FUJI GT 500km RACE」(5/3-4)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数:予選34,100名、決勝58,000名 合計92,100名

 5月4日(木・祝)、SUPER GT第2戦「FUJI GT 500km RACE」の決勝が行われ、剛毅果断に5番グリッドから勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタートを担当したヘイキが序盤に渾身の走りで3位に浮上すると、34周を終え1回目のピットで素早いピットワークでライバル勢をかわし2位を確保。交代した平手も速いペースで後方から追いすがる36号車と好バトルを展開したが52周目の最終コーナーで接触されてスピン。その前にダンロップコーナーでの300クラスとの接触でフロントの空力パーツが無くなる不運でバランスが崩れ、手負いのマシンに。4位に後退しヘイキとバトンタッチした72周の後も、ペースを思うように上げる事ができずに苦戦。DENSO KOBELCO SARD LC500は、過酷で壮絶となった決勝レースで奮闘の7位フィニッシュとなった。
 ドライバーポイントでは4点を獲得(計15点)、チームポイントでは7点を獲得(計21点)し、ランキング4位となった。今回の雪辱を果たすべく臨む次の第3戦は5月20日(土)・21日(日)に2年振りの開催となるオートポリスで行われる。

■公式練習走行
 開幕戦は逆境からの挽回を見せ3位表彰台をもぎとったDENSO KOBELCO SARD LC500。速さに加え力強さを見せたシーズン出だしとなった開幕から約1ヶ月。ゴールデンウィーク恒例の開催となる第2戦は、世界遺産となった霊峰富士を背景に幾多の伝説的バトルが繰り広げられた富士スピードウェイが舞台。連続表彰台はもちろん、シリーズをリードするためにも最大得点を稼いで一気に弾みをつけたいところ。公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は約3時間に及ぶ長丁場の500kmで争われる。ドライバー交代を伴うピットストップは2回が義務付け。ウェイトハンディは現獲得ポイントの倍の数値となる22kgを搭載する。

 3月下旬に当地で行われた公式テストでDENSO KOBELCO SARD LC500は、降雪で1日だけのテストとなったが僅差で総合4番手タイムをマークするなど富士でも速さを見せている。ライバル勢もインターバルの間に力をつけてきており、予選から激しく僅差で争うのは必至。チームはインターバルの間に細かい点まで突き詰めて更にクルマを速くするべく仕上げてきている。いかんなく実力を発揮すれば予選上位も期待される今回の富士。決勝は長丁場の500kmレースで2ストップ。前回の岡山戦も見てもインラップ~ピット作業~アウトラップの一連の流れが順位を左右するほど重要となり、コース上でも激しい超高速スプリントバトルが予想されている。天候や運も含めて戦略や判断などチームの総合力によって大きく勝負が左右される第2戦富士。今季タイトルの行方を占う重要な一戦となり、チーム一丸となって剛毅果断に勝利を目指していった。

 3日(水・祝)午前中の公式練習走行は、気温14度/路面温度19度と若干肌寒いコンディション。9時から混走セッションが開始され、ヘイキがまずは硬めのタイヤを装着してコースイン。少しタイヤのウォームアップに時間がかかる様子であったが7周目に1分29秒852の3番手タイムで速さの健在ぶりを示した。続いて柔らかめのタイヤを装着してパフォーマンスの比較をチェック。こちらもタイムこそ1分29秒986にとどまったが、次に平手が20周目からドライブして両方のタイヤのフィーリングをチェックした際にはグリップ感やセクター3のフィーリングから柔らかめのタイヤの方が全体的なフィーリングが良い感触となった。トータル32周にわたって混走セッションでタイヤの比較を中心にセットアップを確認した。その後、10分間のGT500単独セッションでは、平手がアタックシミュレーションを行い、6周目に1分29秒403の5番手タイム。サーキットサファリでは燃料を積んだ状態でのクルマのバランスチェックを7周にわたって確認走行してQ1への準備を無事に整えた。

■公式予選
■Q1:ヘイキがQ1を6位で通過
 3日(水・祝)午後は雲が広がり、気温18度/路面温度27度と上がらない状況でのQ1。残り10分ほどでファーストアタッカーのヘイキがコースイン。公式練習走行でフィーリングの良かった柔らかめタイヤを選択して臨んだQ1。丁寧にタイヤに熱を入れながら前後のマシンとの間隔をうまく調整するヘイキは5周目にアタックに入った。若干まだタイヤの熱がベストパフォーマスの領域に届いていないのかセクター3でベストに。まずは1分28秒485の3番手タイムでQ1突破圏内を確保。さらに続けてアタックを続けたヘイキはセクター1、2とも自己ベストをコンマ1秒更新するタイムで駆け抜ける。セクター3でのタイムに期待がかかったが、前の周よりコンマ2秒ほどロスして更新ならず。コンマ4秒ほど伸び代があったが最初のアタックタイム1分28秒485で無事6位通過となった。

■Q2:平手が超僅差のQ2で惜しくも5位に
 公式予選Q2は、気温19度/路面温度27度とQ1と余り変わらずのコンディション。Q1と同じソフト系タイヤを装着する平手は、ヘイキからの情報によるタイヤに温まり具合を念頭にじっくりと丁寧に熱を入れていく。ライバル勢が5周目にベストを記録していき、順位が刻々と変わる超僅差の争いの中で、満を持して6周目のアタックにかけた気合い十分の平手は、抜群の速さでセクター1、2でヘイキのタイムを上回ってくる自己ベストを記録。大いに期待がかかったセクター3でもしっかりと速い自己ベストタイムを揃えてまとめあげてきた平手。特に3位から5位までのレクサス勢が100分の数秒差で超僅差となった争いで、惜しくも5位となったが決勝に期待ができる3列目5番グリッド獲得となった。

■決勝
■ウォームアップ走行
 4日(木・祝)選手紹介のセレモニーの後に設定された20分間のウォームアップ走行は、気温19度/路面温度29度の晴れのコンディションの中、まずスタートドライバーを努めるヘイキがコースイン。決勝セットの確認を続け7周チェックした後にピットワークのシミュレーションを兼ねてピットインし平手と交代。平手が4周を走行して決勝への準備を無事に終えた。

■決勝スタート
第1スティント:ヘイキが華麗なオーバーテイクで3位浮上
 4日(木・祝)14時18分決勝スタート時点は気温19度/路面温度29度の晴れ。剛毅果断に5番グリッドからの勝利を目指していったヘイキが駆るDENSO KOBELCO SARD LC500は、整然と切られたスタートで好ダッシュを見せると、2周目には1コーナーで6号車を華麗にパスして4位に浮上。7周目には同じく1コーナーにて23号車を攻略して早くも3位にまで順位を上げる速さを見せた。その後、上位3台をレクサスが連なって走る編隊を組みながら前とのギャップを削っていくヘイキは20周目頃には2位の36号車との接近戦を展開。セクター1で毎ラップ赤マークを示すほど1コーナーを攻めていく。その2位36号車がピットインしたため、ヘイキを次の周となる34周を終え直ぐさまピットに呼び寄せた。ヘイキはインラップも攻めに攻めてタイムを稼いでピットインし、奪首への執着を見せた。

第2スティント:平手がアクシデントで思わぬ後退
 約47秒ほどの素早いピットワークとヘイキのイン&平手のアウトラップの頑張りで36号車をかわして2位でコースに復帰するチームワークを見せる。そこから後続を引き離していきたいところであったが、52周目の最終コーナーで激しいバトルを展開していた36号車に右後方を接触されて堪らずスピン。すぐに立て直すも3位に。その前にダンロップコーナーでの300クラスとの接触でフロントのカナードと呼ばれる空力パーツが無くなる不運でバランスが崩れてしまい、手負いの状態となっていた。55周目に6号車にパスされたが36号車にペナルティが科されたため61周目に3位に戻ったものの、バランスを失っていたためペースが上がらず63周目に37号車にパスされ4位に後退という憂き目に。そして、72周目にヘイキとバトンタッチとなった。

第3スティント:ヘイキが我慢の走りで7位フィニッシュ
 各車2回目のピットアウト後、77周目の1コーナーで23号車を抜いて4位を堅守。だが手負いのマシンでペースを思うように上げる事ができずに苦戦するヘイキは80周目に逆に23号車に捉えられてしまい5位となったが、一進一退の攻防で23号車に再び追いつきバトルを展開した。だが96周目には100Rで堪らずオーバーランしてアウト側のゴミを拾い失速して6位に。97周目には7位後退と本来の力を失ったマシンをねじ伏せながら我慢の走りとなったDENSO KOBELCO SARD LC500。結果、熾烈を極めた過酷で壮絶となった決勝レースで奮闘の7位フィニッシュとなった。ドライバーポイントでは4点を獲得(計15点)、チームポイントでは7点を獲得(計21点)し、ランキング4位となった。今回の雪辱を果たすべく臨む次の第3戦は5月20日(土)・21日(日)に2年振りの開催となるオートポリスで行われる。

□ヘイキ・コバライネン
「とてもアンラッキーなレースになった。5位からスタートして2位まで上がったけど不運な接触で、その後は速く走ることは難しい状況に陥ってしまった。コースにいるのさえ困難だった。まだ2戦終わったところだし今季の結末を占うのは早すぎる。我々は本来の速さをレース中のアクシデントで失ったけど、何せこのSUPER GTは毎戦の様に熾烈極まる戦いで、僅かな事で流れが変わってくる。次のオートポリスでは気持ちを強く持って努力を続けて、再び流れを引き寄せて勝利を目指していくよ」

□平手晃平
「決勝の自分のスティントではクルマの本来の速さが出せずに狂ったリズムを取り戻すことができず、皆さんの期待に応えることの出来ない結果となって悔しい気持ちで一杯です。2つの接触により大きくバランスを失ってしまったのは確かですが、それ以外にも何か要因があるやも知れずデータを分析して、しっかりと次のオートポリスに向けて備えたい。頑張ってくれたメカニックやスタッフ、関係者の皆さんに納得の行くレースをオートポリスで魅せます! 引き続き熱いご声援をよろしくお願いします」

□総監督 佐藤勝之
「この富士戦には手応えを感じていただけに決勝中のアクシデントにより途中から失速してしまったのは不運でした。レースでは何が起こるかわからないのは常ですが、しっかりと自分たちの現状分析をして埋もれてしまった失速の原因やミスがなかったかを掘り起こして次に向けて対策を講じていきたいと思います。好調なレクサス勢だけがライバルではなく、日産とホンダも差を詰めてきているので、より一層、過酷で厳しい戦いにこれから入っていくと思います。まずは次のオートポリスで雪辱を果たす勝利を目指していきます。引き続き御声援のほどよろしくお願い申し上げます」