モンスタエナジーNASCARカップは5月7日、第10戦タラテガが行われ、リッキー・ステンハウスJr.(フォード・フュージョン)がカップシリーズ参戦158戦目で初優勝を飾った。またレース中には18台が絡む多重クラッシュが発生している。
ポールポジションからレースをスタートしたステンハウスJr.は、レース序盤に前を走るマシンから落ちたデブリがラジエーターに引っかかる不運に見舞われる。
このデブリ除去のために、ステンハウスJr.は15周目にピットイン。20番手までポジションを落としてしまった。
レースはフィニッシュまで残り28周となったタイミングで、大きな転機を迎える。
パックで走行していたチェイス・エリオット(シボレーSS)にAJ.アルメンディンガー(シボレーSS)が追突。エリオットのマシンがハーフスピンしたところに後方集団が突っ込み、合計で18台が巻き込まれる大クラッシュに発展した。
このクラッシュでエリオットのマシンは一時サイドウォールに乗り上げる形となったほか、アルメンディンガーのマシンは横転してストップした。
このクラッシュ処理のため、レースはおよそ27分に渡り赤旗中断。またエリオットとアルメンディンガーも念のため、サーキットの救急室で検査を受けることとなった。
レースはカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)を先頭に174周目から再開。クラッシュで他車が姿を消したこともあり、ステンハウスJr.は8番手までポジションを上げることに成功している。
フィニッシュまで残り3周となった185周目、バックストレートでクリス・ブエスチャー(シボレーSS)とライアン・ニューマン(シボレーSS)が接触。ニューマンがコースイン側でマシンを止めたため、このレース8度目のイエローコーションとなる。これでレースにはNASCARの延長システム“オーバータイム”が適用され、191周で争われることに。
迎えたリスタート、4番手につけていたステンハウスJr.はターン1への飛び込みで、上位勢のインを突いてトップに浮上すると、同じく2番手に浮上したジェイミー・マクマレー(シボレーSS)を0.095秒差で抑えきり、自身初のカップシリーズ勝利を成し遂げた。
トヨタ勢最上位は、リスタートまでトップにつけていたカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)の3位だった。
モンスタエナジーNASCARカップ第11戦は5月13日、カンザス州のカンザス・スピードウェイで行われる。