元フェラーリドライバーのフェリペ・マッサは、2017年シーズン序盤でのフェラーリの躍進は、エイドリアン・ニューウェイのようなひとりの天才に頼らなくてもチームの体制を整えることで勝負できるということを証明していると語った。
フェラーリは、2014年に現行のハイブリッドターボにレギュレーション変更になってから2016年までの3シーズンには、わずか3勝しか挙げられなかった。それらはすべて2015年に達成したものであり、コンストラクターズタイトルの戴冠は、2008年シーズン以来、長らく遠ざかっている。
2016年にはテクニカルディレクターを務めていたジェームス・アリソンがシーズン途中でチームを離脱。しかし今季、フェラーリは、開幕4戦を終えた時点ですでに2勝、セバスチャン・ベッテルがチャンピオンシップをリードしている。
フェラーリはアリソンの離脱に伴い、外部から新たなテクニカルディレクターを起用するのではなく、才能ある自前のスタッフを内部昇格させることを優先し、マッティア・ビノットが監督する技術部門は、各部署がより横並びの構造の体制を敷いた。
2006年から2013年にフェラーリで過ごし、現在ウイリアムズに所属するマッサは、今年フェラーリのパフォーマンスが向上したことで、新しいアプローチの正しさが立証されたと考えている。
「今シーズン、フェラーリがここまで活躍するとは誰も思っていなかったと思う」と彼は言う。
「本当にうれしいよ。(他の)皆が努力するより、エイドリアン・ニューウェイさえいればそれですべてがうまくいくというような考え方が覆されたのは素晴らしいことだ」
「たとえビッグネームがいなかったとしても、それぞれの分野にスタッフをうまく配置し、それぞれが協力し合って働くようにすれば、皆、良い仕事をこなすことができるんだ」
2017年のF1はエアロダイナミクスへの依存度がより高まるため、今季に先立ち、レッドブルは新ルールが再びニューウェイを興奮させていると話していた。また、多くの者が、この数年を支配してきたメルセデスに挑むのはレッドブルになるだろうと予想していた。
ところが、レッドブルが開幕4戦で得た表彰台は、中国GPで戦略に助けられたマックス・フェルスタッペンの3位入賞、1回のみだ。
マッサも、レッドブルが2017年のトップ争いをするものと予想していたと認めた。
「(昨年)11月の時点で聞かれたら、(2017年に)メルセデスに対抗できるのはレッドブルだけだと僕は答えただろう」とマッサ。
「昨シーズン、いくつかのレースでレッドブルはいい仕事をしていたし、(ルノー)エンジンは不十分かもしれなくても、良くなってきていたからね」
「でも(今年)レッドブルは良いマシンを用意できなかった。一方でフェラーリは良い仕事をした」