ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。ロシアGP編です。
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ありがたいことに、と言うべきか、今年は中国、バーレーン、ロシアの3戦が3週間で一気に片付いた。この3カ国は、グランプリ開催地の中でも特に雰囲気に欠け、滞在中は何かとイライラさせられることが多い。
それぞれ種類の違う苦役を立て続けにやらされるようなこのカレンダーの並びは、いったい何の罰ゲームかと思っていたが、ともあれ今年はもうこれで終わりだ!
この3つのレースは、かなり危険でさえある。中国での最大のリスクは、サーキットまで運転してくる途中で、交通事故に巻き込まれる可能性が恐ろしく高いことだ。
バーレーンは政治的に不安定で、発砲事件もめずらしくない。ロシアでは、面倒なことにプーチン大統領が毎年ポディウムに上がりたがる。ソチのグランドスタンドの高いところから、フォトグラファーが大統領一行に超望遠レンズを向けたりすれば、暗殺者と見間違えた警護の狙撃兵に撃ち殺されかねない。
言うまでもなく、われらがウラジミールがグランプリに来るのは、世界の多くの国がロシアに対して経済制裁措置を取るなか、彼が自己顕示欲を満たすのに使える格好のイベントのひとつだからだ。
実際、新しいF1のボスでアメリカ人のチェイス・キャリーは、グランドスタンドの貴賓席エリアでプーチンの隣に座らされて、ひどく居心地が悪そうだった。
そんな彼をアメリカの大統領が見たら、いったいどんな苦言を呈しただろうか。……ん?、いや、トランプならきっと、彼のボスであるプーチンに言えと命じられたことを言うだけだ!
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■追い払われても気にない
キャリーにとって、そしてあと2人の新首脳、シーン・ブラッチェスとロス・ブラウンにとって、それ以上に厄介だったのは、公式には引退したはずのバーニー・エクレストンが2戦連続でパドックに姿を見せたことだ……
■不幸中の幸い
ホンダにとっては、またもや最悪の週末だった。ストフェル・バンドーンは今季初めてパワーユニットの使用制限数を超過したドライバーとして、15グリッドもの降格ペナルティを受けるハメになった。……
■23歳の自叙伝とは
グリッド上で唯一のロシア人ドライバー、ダニール・クビアトは、レース直前の水曜日が彼の23回目の誕生だったこともあって、大忙しの一週間をすごした……
■なんでこなかった!?
フィンランドのベテランジャーナリスト、ヘイキ・クルタは、その間のグランプリのほぼ全戦をフォローし、記者会見にフィンランド人ドライバーがいれば、必ず質問をして引き立てるという愛国心あふれる人物だ……
■キミの無線コーナー
ソチで一番笑えた無線交信を聞かせてくれたのも、やはりフィンランド人のライコネンだった……