WEC世界耐久選手権第2戦は5月5日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで公式予選が行われ、3台のトヨタTS050ハイブリッドを投じているTOYOTA GAZOO Racingは、7号車(小林可夢偉/マイク・コンウェイ)が2番手、9号車(ステファン・サラザン/国本雄資/ニコラス・ラピエール)が3番手、8号車(中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソン)が4番手につけた。
公式予選は5日の現地15時25分にスタート。上空には雲が広がるなか、ドライコンディションでのセッションとなった。
3台のトヨタ勢はセッション開始とともにコースインし、アタックへ向かう。しかし、アタックラップへ入った直後、LMP2クラスの25号車オレカ07・ギブソンがクラッシュ。この影響でセッションは赤旗中断となる。
中断から約10分後にセッションは再開。ここで唯一、ル・マン24時間を見据えてローダウンフォース仕様で挑んでいる9号車トヨタのサラザンが1分53秒658の全体ベストをマークする。
しかし、サラザンからステアリングを引き継いだラピエールはペースが遅い他車の処理に苦戦。加えて、ベストタイムをマークした周に四輪脱輪があったとの裁定を受け、タイムが抹消されたため、予選3番手に留まった。
ラピエールは「ステファン(・サラザン)が素晴らしいラップタイムをマークしてくれただけに、僕のアタックは残念なものになってしまった」と悔しさをにじませる。
「予定の作戦は悪くはなかったけど、コース上の混雑に阻まれ、うまく予選アタックができなかった」
「ただ、最終的に3番手グリッドというのは悪くない。決勝レースに向けての作戦をしっかり立てて、前向きに明日の決勝レースに挑むよ」
■可夢偉はアタック完了直前であわや接触
トヨタ勢最上位の2番手を獲得したのはコンウェイと可夢偉がアタッカーを担った7号車トヨタ。コンウェイは1分53秒911で可夢偉に交代する。
その可夢偉もセクター1で自己ベストをマークする好走をみせ、ポールポジション獲得かと思われたが、最終コーナーを立ち上がった際、前を走っていた4号車バイコレスがスピンしてしまう。
可夢偉は急ブレーキでクラッシュは避けたもののタイム更新はならず。再度アタックに臨んだものの1分55秒476がベストタイムとなり、コンウェイとの平均タイムは1分54秒693。ポールポジションにわずか0.6秒届かず2番手となった。
「僕のアタックラップ1回目はポールポジションを充分に狙えるもので、最後まで走れていればマイクとほぼ同じタイムだったでしょう」と可夢偉。
「最終コーナー出口で不運にも目の前で他の車両がスピンし、それを避けるためにかなりのタイムロスをしてしまいました。とても残念ですが、最前列2番手グリッドは悪くないですし、マシンの感触はとても良いです」
「今日は運に恵まれませんでしたが、我々の目標は明日の決勝レースで勝つことです」
一貴とブエミがアタックした8号車トヨタは、午前中の公式練習3回目でマシンのフィーリングに違和感を感じたため、予選に向けてマシンセッティングを変更。しかし、状況は改善せず平均タイムは1分54秒907。4番手で予選を終えている。
一貴は「直前のセッティング変更は、期待通りの速さを得ることができなかった」とコメント。ブエミも「できる限りのことはしたけど、正直に言って満足できる予選ではなかった」と予選を振り返っている。
6時間で争われる第2戦の決勝レースは6日の現地14時30分(日本時間21時30分)にスタートする。