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『逃げ恥』を超えるか? ドラマ『リバース』主題歌と作品の密接な関係性

2017年05月06日 00:13  リアルサウンド

リアルサウンド

シェネル

 TBS系金曜ドラマ『リバース』(よる10時)。その主題歌であるシェネルの「Destiny」が5月10日のシングルリリースに先駆け、主要配信サイトで楽曲配信をスタート。4月28日の配信開始より、レコチョク、music.jpほか各サイトにてダウンロードランキング1位を次々と獲得。また、歌詞検索サイト・歌ネットのリアルタイムランキング1位、USENのリクエストチャートでもドラマ放送開始以降ランキングが2位まで急上昇。ドラマとともに今、大きな注目を集めている。


 ドラマ『リバース』は藤原竜也、戸田恵梨香、玉森裕太(Kis-My-Ft2)、小池徹平、市原隼人、三浦貴大、門脇麦といった実力派俳優陣が共演。大学時代のサークル仲間の死から始まった、過去と現実に渦巻く登場人物たちの人間関係が徐々に明らかになっていくヒューマンミステリードラマだ。スリリングな展開への視聴者の関心も高く、初回から下降傾向が見られがちな視聴率も4月28日放送の第3話で再び上昇し、10.5%を記録(ビデオリサーチ調べ)。物語の盛り上がりとともに、今後さらに話題を呼ぶ作品となりそうだ。


 昨今、映画やドラマ主題歌のヒットが音楽シーンのなかで一つのトレンドとなっている。2016年で言えば、映画『君の名は。』のRADWIMPS「前前前世」、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の星野源「恋」の国民的ヒットが記憶に新しい。ここで改めてこの2曲について考えてみると、映画やドラマの注目度の高さはもちろんのこと、「物語に寄り添った楽曲」という共通点を見出すことができる。インパクトとキャッチーさを備えた楽曲に、物語の延長にあるような歌詞。その曲が物語の重要なシーンやラストで流れることで、一つの作品として成立するーー。映画やドラマの演出に欠かすことができない一要素として楽曲が存在することで相乗効果を生み、双方のヒットにつながるのではないだろうか。


 そう考えると、ドラマ『リバース』とシェネルの「Destiny」はまさにそのヒットの法則に当てはまる。同曲で注目すべきポイントは、歌詞にある。ドラマ放送当初はあまり強く感じてはいなかったが、物語が進むにつれ、ドラマとのリンクがはっきりと表れてきた。特にサビ部分の<夢みていた未来たちと ちがう景色を見て ちがう人愛した/それでもまだ運命(さだめ)を信じてる>は、公式サイトにある第4話のあらすじからもかなり重要なフレーズであることがわかる。物語の全貌が明らかになるにつれ、楽曲がもたらす意味も徐々に明らかになってくるというわけだ。


 松尾潔がプロデュースと作詞を手がけ、川口大輔が作曲・編曲を担当。シェネルの迫力ある歌声で歌われるメロディアスで壮大な楽曲は、ドラマの展開とともに視聴者の心をざわつかせる。主演を務める藤原竜也も「この楽曲は本当に力強いし、ドラマに大きな影響を与えてくれる」と主題歌についてコメントを寄せていた。ドラマの放送後「Destiny」を聴きながら、今後の物語の展開を予想するのもまた新しい楽しみ方かもしれない。まずは今夜放送の第4話にて、楽曲と作品の密接な関係を改めて確かめてほしい。(久蔵千恵)