ルノーF1は変更によって信頼性に影響が出ることを避けるため、予定していたエンジンのアップデートを遅らせるという。
今季からパワーユニットに新たなコンセプトを採用したルノーは、当初パフォーマンス向上を目的としたアップデートを6月開催のカナダGPに持ち込む計画をしていた。しかしダイナモ試験では、いまだエンジンの耐久性に懸念があるため、現在は7月末前までに投入する方向で調整している。
ルノーのマネージングディレクターであるシリル・アビテブールは、「サマーブレイクまでには投入したい。パワーユニットの均一化と同期しつつ進めていきたいと考えており、可能であれば、それは3基目のユニットで行いたい」と話す。
ルノー製パワーユニットを搭載するチームは、スペインGPかモナコGPで2基目に切り替えると見られており、3基目の投入は7月のイギリスGPかハンガリーGPのころになりそうだ。アビテブールはアップデートの計画について、以下のように述べている。
「まだ取り組んでいる最中なんだ。限界に到達しつつはあるが、今シーズン採用したコンセプトは正しいものであると信じている。進行中の取り組みには、イノベーションとパフォーマンス向上が見られている」
「これまで幾度も話してきたように、エンジンの信頼性はコントロールできる状態にしなければならない。システムには脆弱性があり、これと付き合っていく必要があることは理解している。コース上でもダイナモ上でもそれは証明されてきた」
「これはホンダにとっても同じことで、信頼性の問題はファクトリーに戻ってからの開発にも悪影響を与える。私たちにとっても、これは痛手となっている。この部分をコントロールしなければならないのだ」
シーズン序盤でのアップデート投入を見送ることになったルノーだが、年間を通してトップとの差を縮めるだけのポテンシャルはあるとアビテブールは楽観視しており、次のように語った。
「メルセデスやフェラーリとの間にいまも存在する差を、大きく縮めるという目標は変わらない。彼らと同等であるとは言わないが、そうなる予定ならある」
レッドブルは、いまの時点でルノーからアップデートを得ることは前進するための鍵になると考えているが、チームにできることは少ないと認めている。エンジンアップデートの遅れについて聞かれたマックス・フェルスタッペンは、6月後半に行われるアゼルバイジャンGPで投入されるとの考えを示した。
「こういうこともあるけれど、僕が変えることはできない。僕らは良いマシンを用意しておくことが必要だ。そしてバクーまで待つんだ」