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JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 スーパーGT第2戦富士 決勝レポート

2017年05月05日 11:53  AUTOSPORT web

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2017スーパーGT第2戦富士 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3
2017 SUPER GT INGING MOTORSPORT
第2戦富 士スピードウェイ レースレポート

◆5月4日(木)<決 勝>天候:晴れ|コース状況:ドライ
#51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3 中山 雄一/坪井 翔 優勝
 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、安定したレースラップと抜群のチームワークで過酷な500kmのロングレースをトラブルなく走り切り新たなチーム体制を発足させてからわずか2戦目にして、レクサスのホームコース富士スピードウェイで初優勝を飾る。なお、500クラスでも兄弟チームのセルモが勝って二重の喜びを分かち合った。

<決勝>
 SUPER GTのラウンドの中でも随一の観客動員数を誇るのが、ゴールデンウィークに開催される富士スピードウェイラウンド。決勝レースには5万8000人の観衆が集まり、43台のマシンのバトルを見届けることになった。

 決勝レース前に実施された20分間のウォーミングアップ走行で、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3はトップタイムとなる1分38秒399をマークし、予選に引き続き好調さを示していた。14時10分にスタートした500kmの決勝レースは、中山雄一が第一スティントを担当。4番手からスタートした中山は、3周目に早くも3番手に順位をあげ、先行する2台のAMG GTを追うことになった。

 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3を含めた上位3台のラップタイムは拮抗していてテールトゥノーズにはならないものの、20周を経過した時点でも8秒の差で3台が走行。上位2台のAMG GTは30周前後でピットインしたのに対して、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、上位陣のなかでもっとも遅い41周目までピットインのタイミングを伸ばした。

 GT300の全車が1回目のピットインを終えた時点で、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は序盤と同様の3位を走行。中山からバトンを受けた坪井は、タイヤを労りながらも1分39秒台の安定したラップタイムを刻む。第2スティントも中盤になるとチームからプッシュの指示があり、坪井は66周目にベストタイムとなる1分38秒679をマークして、上位陣との差を縮めていった。

 スティント後半までペースを緩めずに周回を重ねた坪井は80周目にピットインし、再び中山にステアリングを託す。坪井がピットインした時点で暫定1位を走行するJMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、すでに2回目のピットインを終えていた後続に1分30秒のリードを築いていた。

 メカニックの素早いピットワークで中山はトップのままでコースに復帰するが、2番手を走行していた♯11 AMG GTとの差はわずかに7.5秒。ピットインで4輪ともタイヤを交換したためタイヤのグリップが発揮するまでに時間を要し、その差は85周目には0.9秒まで縮まってしまう。だが、中山は冷静にマシンのパフォーマンスを引き出し、AMG GTとのギャップを徐々に拡げていく。

 周回を重ねるごとにコンマ数秒ずつのマージンを築き、最終的には7.7秒の差をつけて見事にトップチェッカー。チーム発足からわずか2戦目での勝利に、チーム関係者は歓喜に沸き、喜びを分かち合っていた。

 初優勝を飾ったJMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、この勢いを維持したまま次戦のオートポリスラウンドに挑むことになる。

●コメント
<影山正彦総監督>
 チームを発足させたときに参画する関係者には、当たり前のことですけど「素直な気持ちで力を出し切ろう」と伝えてきました。レースチームは、関わっている全員の力が結束しないと勝つことができません。その意味で言えば、開幕から2戦目で優勝できたということは、「個々の力を積み重ねたチーム力」で勝ち取った勝利だと思います。

 レース展開としては、3スティント目の中山選手がピットアウトした後は、2番手の11号車にすぐ後ろまで迫られ「ヒヤヒヤ」「ドキドキ」しましたが、優勝できて本当にホッとしました。この調子を維持して次戦以降も挑んでいきたいです。

<松岡真司エンジニア>
 レース前に想定していた戦略通りにレースを展開でき、優勝することができました。特に、スタートドライバーを務めた中山選手のスティントで41周を走行できたことが、その後の戦略に幅を持たせることとなりました。加えて、長い距離を走ったときのマシンやタイヤの状況を把握できたことも有利になったポイントです。

 マシンは燃料が軽い状況のときにバランスが良く、安定して1分38秒~39秒台のラップタイムを刻めました。ライバル勢に比べて長く周回してもラップタイムが落ちなかったのは、使用しているブリヂストンタイヤのお陰もあります。チーム全員が確実に仕事をこなしたことで優勝できたことに喜びを感じています。

<中山雄一選手>
 SUPER GTで勝つことが容易くないことはこれまでも経験してきているので、チームに加わって2戦目で優勝できたことを嬉しく思います。今シーズンに入って新車のLEXUS RC F GT3がデリバリーされたのですが、今まで一回もトラブルがなく、セットアップが順調に進んで来たことが勝利に繋がっています。

 チーム、TRD、ブリヂストンとすべての関係者が最高の状態を作り上げてくれたことに感謝しています。決勝レースは、最初のスティントと3スティント目を担当しました。どちらもライバル勢と同等のラップタイムだったので接戦のバトルがあり、とくに第3スティントはマシンとタイヤのポテンシャルを最大限に引き出して走りました。

 トップチェッカーを受ける自信はありましたが、本当に勝てて良かったです。

<坪井翔選手>
 今年からSUPER GTを走ることになり、なるべく早いタイミングで勝ちたいとは思っていましたが、2戦目で優勝できたことは今後の自信になります。

 レースでは、中山選手が最初のスティントで41周を安定したラップタイムで走り切ったので、そのくらいの距離を走れるマシンとタイヤということは分かっていました。今回のレースでは、GT500にパスされるときにタイムロスしないことやタイヤを労りつつもラップタイムを上げることが課題でした。

 結果として38周を走って、課題と考えていたことが実行できたと思っています。スティントの途中からペースも上げられましたし、そこで後続とのマージンを築き優勝に貢献できたと思うので嬉しいです。