バーニー・エクレストンが過去にグランプリ開催地に請求した開催権料が高過ぎたことを認めた発言を聞き、マレーシアGPの主催者は、「搾り取られ」「騙された」と感じたと語った。
これまで18年間にわたってF1を開催してきたセパンサーキットは、2017年シーズンを以てF1の開催を終了、MotoGPの開催は継続する予定となっている。
F1が新たな開催地を拡大していく計画の中で、セパンはF1開催を目的として建設された最初のサーキットである。
F1を招致した新しい開催地のいくつかは財政的に窮地に立たされ、韓国GPやインドGPは短命に終わってしまった。F1の商業面を取り仕切っていたエクレストンは先月、「F1が提供できるもの以上の多額の開催権料を請求したために、そのような開催地がうまくやることができなかった」ことを認める発言をした。
セパン・インターナショナル・サーキットの最高責任者であるダト・ラズラン・ラザリはエクレストンの発言に失望を表明した。
「我々は契約を強要された訳ではないが、ある意味では騙されたと感じている」とラザリ。
「そのような発言をすると、我々がどのように受け止めると思っているのだろうか?」
「今まで過剰な請求をしながら、我々が求めている充実した内容のレースや、ドライバー、チームとの交流といったことを提供してこなかった」
「もちろん誰かが我々の頭に銃を突きつけて契約を迫った訳ではないが、そのような発言をするとは、我々は最悪の気分だ」
「我々は騙されたように感じるし、多額の支払いに対する見返りを受け取っていない」
ロイターのインタビューでエクレストンは、そのラザリの発言に反論した。
「誰も彼を愚かに見せようとはしていないし、誰かを愚かに見せるのは難しいことだ。もし誰かが愚かに見えるとしたら、それは実際にそうなのだろう」とエクレストンは語った。
「彼らはモーターサイクルのレースでは良い仕事をしてきた。彼はモーターサイクルを愛しているし、そこから利益を得ているようだ」
「F1からは彼らはあまり利益を得られなかった。私が言ったのは、彼らが買ったものを我々は提供してきていないということだ。だがそれは我々の落ち度ではない。ショーを作り上げるのは我々ではない」
「しかしありがたいことに、今はフェラーリが調子を上げており、それは他のチームも同様だ。レース内容は非常に充実したものになるし、主催者にとってより良い状況になるだろう。チケットが売れるようになるはずだ」
エクレストンの発言についてリバティ・メディアと話をしたかと尋ねられたラザリは次のように答えた。「連絡はとったが、ここで過去の話をしても無意味だ!」
「今年最後のマレーシアGPを必ずや素晴らしいショーにしたいと思う」
ラザリは、観客数とテレビ視聴者数が減少したため、グランプリに出資していたマレーシア政府が2018年の契約終了を待たずに早期の契約解除を要請したのだと語った。
ラザリは契約に関して「F1新オーナーのリバティ・メディアと多くの話し合いを持ったが、継続への道を見つけることはできなかった」という。
「リバティ・メディアは我々が継続開催できるように努めたが、再検討を促すほどの強力な提案がなかった」とラザリは語った。
「我々はバーレーンで長い時間話し合いを行った」
「リバティ・メディアは開催権料を減額する提案をしてきたが、提案内容はたとえ2018年までの継続だとしても魅力がなかった」